運命
火の精霊王?
ラヴァと呼ばれたその精霊は、玉座の横に静かに佇んで此方を見下ろしている。
「ラヴァが君の存在を教えてくれてね。
君も俺と似たような存在なんだって?」
アラファルトは変わらずヘラヘラとした口調で続ける。
同じ存在?
精霊化していると言う事だろうか?
それ以外にこの表現に当てはまる事は思いつかない。
「貴方も、精霊という事ですか。」
「あぁ、君もそうなんだろ?
俺は3200年前にラヴァと契約し、この国を作り上げた。
国名も自分の名前から捩ったんだ。
今は表立った舞台からは身を引いてるけどね。
君に会うために少々裏から根回しして、ここへ呼び出したというわけさ。」
3200年!?
そんなに長い時を生きた人間がいるなんて、信じられない。
リューネには何も聞いていないが、特に問題視されていないということは敵にはならない?
もしくは世界を崩壊させるほどの力は持っていないという事?
シャルは話の内容が分からず私とアラファルトをキョロキョロと交互に見る。
リューネ以外の仲間は私の事情を知らない。
まぁ、ずっと隠しておけるとも思っていなかったけど・・・
「この子は何も知らないの。
出来ればもう少し気を利かせて欲しかったわね。」
「そうだったか、それは申し訳ない事をした。」
本当にそう思ってるのかしら。
少なくともそんな顔にはみえないわよ?
「ところで、もう一人重要な人が見当たらないけど、リューネって人は一緒じゃなかったかな?」
アラファルトは突然リューネの名前を出した。
知り合い?
いや、言い振りからするとそんな感じではない。
火の精霊王からの情報?
「彼女は今酒盛りの真っ最中よ。」
「酒かぁ、昼間っからいいなぁ。
俺も混ぜてもらいたいもんだぜ。」
アラファルトはヘラヘラと変わらない口調ま。
「それで、一体私になんの様なのかしら?」
「あぁ、本当にただ会ってみたかっただけだよ。
俺よりも強い存在に。
直視して確信したが、君には敵いそうにないな。
まさか時の精霊までいるとはね。
実を言うと少し戦ってみたいって気持ちはあったんだけど。
俺じゃあ、いや、おそらくこの世に君に敵う者はいないんじゃないか?」
そんな大げさな。
確かに私も自分の力に奢っているが、スキルなんて未知の能力もある。
力は数字ではない。
ダルフの件でその事は身にしみてわかった。
私は無敵ではないのだ。
「買い被りすぎよ。」
「そんな事はないさ、この世界には大昔からの言い伝えがあってね。
時の精霊と敵対してはならない。
わかるかい?時の魔法は強大無比なのさ。
それを可能にするのは上位最上級以上の存在のみ。
それこそ君の契約した精霊か、精霊王のみ。
更に君の契約している精霊は全て王になる資質を兼ね備えている。
つまるところ、そんな存在普通はあり得ないんだよ。」
話が一気に飛躍しすぎて頭がついていかない。
どう言う事?
確かに時の精霊が希少だということは聞いていたが、そんな言い伝えは聞いたことがない。
リューネや神様が私を問題視しているのはその所為なの?
「まぁそう言うことだ。
人ごとだが、君は俺よりも楽で、大変な人生を歩むことになるんだろうな。
しかし、それは運命だ。
どうにもならない。
運命だけは曲げる事は出来ないのさ。
たとえ時の精霊でも・・・。」
運命・・・。
アラファルトの話を聞いて、改めて自分の背負ったものの大きさを思い知る。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
シャルが心配そうにこちらを見つめている。
不安がらせちゃったかな?
「大丈夫よ。心配してくれてありがとう。」
私はこの子の様な境遇の人たちの為に生きると決めた。
泣き言はやる事を成してからだ。
悪を根絶やす事など無理なのかもしれないが、私の助けられるだけの人を助けたい。
今はまだ始まったばかりだ。
運命だって運よ、もしかしたら私のスキルで何かができるかもしれない。
シャルの心配事の一つは無くなった。
これから、世界を巡るんだ。
ここまでお付き合い頂きありがとうございました。
楽しみながら書けなくなってしまい話がグダグダになっておりましたが、この度無理やり終わらせる形となってしまいました。
楽しみにしていただいていた方には大変申し訳なく思っております。
毎日更新しなくては!と無意味な思い込みから、無理やり話を作ってしまった部分もありました。
あまり気負わず、自分でも楽しめる作品を作っていきたいと思います。
気長にのんびり、別作では同じことにならない様に続けていきたいと思います。
ラキミクを読んでいただき、本当にありがとうございました。




