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58話 そんな趣味は無い!

 身体に纏った燃え盛る炎と共にグランへと近寄る。

 

「ま、待て。

 一度話し合おうじゃないか、なあ!」

 

 文字通り成すすべがなくなったグランは取り乱し始めた。

 先程までの勢いは無い。

 

 一体何を話し合うと言うのだろうか。

 私が何の為にここに来たかわかっていないのか?

 それに・・・

 

「貴方達は今まで同じように助けを求めた者に慈悲を与えた事が有るとでも?」

 

 シャルの様に幼い子供の命まで狙っている。

 それを当たり前の様に仲間に指示し、指示された仲間も当たり前の様にこなしている。

 そんな連中なら、同じ様に人の命を奪った事もあるのだろう。

 

 そうでなくても人を陥れる事は平然と行なっている筈だ。

 事実、情報を集めている時に悪い話ばかり耳にしている。

 

 こんな連中がいるから、罪もない人が涙を流すのよ。

 私の父も、シャルロッテも・・・・!

 

「ぐぁ、あ・・・熱い!か、顔がぁぁ!!!」

 

 怒りが更に込み上げて来て、それと共に纏った炎が激しく燃え上がる。

 周りの床も焦げ始め、次第に辺りは火に包まれ始めた。

 

「ミレリア!周りに引火してるぞ!?」

 

 普段なら対処のみに効果を及ぼすはずの魔法が上手く制御できていない。

 頭の中がボヤけてきて、周りの音が上手に頭に入ってこない。

 一回は本気で殴らなければ落ち着けそうにないわね・・・。


【硬岩化】(ロックロック)【身体強化・極】(フルブースト)

 

 自分の拳を地の魔力で覆い、最大の身体強化をかける。

 固まり立ち尽くしているグランの前まで歩み寄り拳を構えた。

 

「あ、あ、あ、熱い!!な、何だその魔力は!?

 や、やめろぉぉぉ!!!」


 グランは熱さと未知の力に顔を引きつらせて叫び声を上げた。


「あらあら、そんなので殴っちゃったら彼、死んじゃうわよ?」

 

 急に後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。

 振り向いたと同時に一つの影が横を通り過ぎ、次の瞬間"ドゴォ!"と大きな音が響いた。

 

 見えた影を追いかけて目線を戻すと、グランの半身が壁にめり込んでおり、横にはリューネが拳を振り抜いて立っていた。

 どんな力で殴ったのか・・・。


「はい、これでお終いね。」

 

「何でリューネがここに!?」

 

 あまりの出来事に驚いて、怒りで手放しそうになっていた理性が戻った。

 周りの炎も広がりきる前に収まっていく。

 

「あら、貴方もしかして裸?

 そんな趣味があったなんて、お姉さん知らなかったわ。」

 

 言われてその事を思い出し、慌てて服を拾い上げた。

 幸い燃えてはいない様だ。


「裸じゃないわよ!下着はつけてるし、そもそもそんな趣味は無いわ!

 そいつのスキルで脱がされたの!!」

 

 そそくさと服を着ながらリューネの誤解を解くべく否定する。

 

「そんなスキルもあるのね。

 と言うか、貴方はまだスキルに対するレジストを覚えてなかったのね。

 また今度教えてあげるわ。」

  

 スキルのレジスト?

 そんなものあるならもっと早く教えておいて欲しかった・・・。

 こんなので負けてたら洒落にならない。

 

「それより、何でリューネがここにいるのよ。」

 

「ほら、私はこれでも貴方の専属よ?

 道を踏み外す様な真似は極力させたく無いからね。

 飛んできたのよ。

 文字通りね。」

 

 リューネはそう言った後ウインクして、レイルがいる場所を見た。

 

「そーゆー事か。」

 

 レイルがいるから回りくどい言い方しか出来ないってわけね。

 私が暴走するのを止めに来たんだろう。

 実際暴走しそうだったし、リューネが来てくれて助かったと思う。

 あのままやってたら本当に人殺しの仲間入りを果たすところだった。

 

「ありがとう、助かった。」

 

「気にしなくていいのよ。

 それが私の役目。」

 

 私は服を着て、拘束魔法以外を全て解除した。

 完全に気を失ったグランも改めて拘束し直して【時空飛翔】(ゲート)を発現して外へ出た。

 

 そのまま協会に連れて行くと、マリウスが魔法とスキルを使えなくさせる呪印をそれぞれに施した。

 便利な事が出来るんだな、と思っていたのだが・・・。

 魔法陣を描き6人で儀式を行って、一人あたり10分くらいかかって呪印を刻んでいた。


 戦闘中に使用するのは無理そうね。

 まあそんな事が簡単に出来てたら苦労しないか。

 


 それからシャルの下へダルフのメンバーを連れて行った。

 きっちり土下座して謝ってもらわないとね。

 

「まず、何故命まで狙ったのかを話しなさい。

 その上で謝罪して。」

 

 これは重要な事だ、理由次第ではシャルの危険が減らない。

 個人的な恨みと、亜人としての恨みでは話が違ってくる。

 

「ふん、そんな事どうだっていいだろ。

 殺すなら殺してくれ。」

 

 グランの反応に心がざわつく。

 怒りで我を忘れないようにゆっくりとした口調で語る。

 

「此方は無理矢理にでも聞くことは出来るのよ?」

 

 一度深呼吸をして心を落ち着かせる。

 またリューネに手間をかけさせたくも無い。

 

『へっ、グラン。

 お前も年貢の納め時だな、退屈凌ぎにはなったし、そろそろ俺はおさらばさせて貰うぜ。』

 

 突然グランから一つの黒い光が飛び出して喋り出した。

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