4話 私は空を飛ぶ
さぁ、とりあえずステータスに一つづつツッコミを入れていこうじゃありませんか。
お浚いの為のステータスはこちら↓↓
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(ミレリア=ファレノイア)
年齢:16歳
性別:女
クラス:SS
レベル:7
称号:運を呼ぶ者、精霊王
体力:108
精神力:4,649
魔力:237,108
攻撃力:52
防御力:58
習得魔法:火(80,000)水(80,000)、木(80,000)、風(80,000)、地(80,000)、光(100,000)、闇(100,000)、時(100,000)
スキル:幸運(150,000)
潜在スキル:寝坊(0)、運呼(777,666)
総合:1,869,641
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上から順にいってみよう。
クラスSS!
どういうことかと言いますと、クラスの評価基準が大きく変動しています。
最新版の評価基準は此方です!
SS:500000〜
S:250000〜499999
A:100000〜249999
B: 75000〜 99999
C: 50000〜 74999
D: 25000〜 49999
E: 15000〜 24999
F: 10000〜 14999
G: 7500〜 9999
H: 5000〜 7499
I: 〜 4999
最低クラスのIでさえ、以前の一般人ではあり得ない数字になってます。
クラスSなんて40万も上がって、更にその上位に新しくクラスSSが設けられちゃってます。
常識って何なの?
次に称号。
無かったよね?今まで。
でも精霊王ってなんだかいい響き。
もう一つの字面は恐怖と否定の象徴です。
見たくない。隠したい...。
称号には換算値とかはつかないんですね。
精神力の数値は何なの?
何かのメッセージ?
魔力に至っては末尾は縁起の良さそうな数字を残しているものの、桁が違うんですけど。
精霊を宿した恩恵的なもの?
精霊と契約しただけでこれだけのステータス上昇があるなんて、クラスSSなんてすぐじゃない?
と思ったのだけど、そんな訳はないみたいで、普通は1属性で5000も上がらないんだってさ。
普通の精霊を宿しただけではないことは習得魔法を見ればわかると思う。
魔法の詳細は全くわからないけど、凄いことになってる。
属性が八個、その全てがカンストしてるんじゃないかってくらいに能力が高い。
総合はね、ホントに嬉しいより呆れる総量だ。
キャリーオーバーの宝くじが当たったような、そんな実感の無さがある。
まぁ、前世で宝くじなんて当たったことなかったんだけど。
どうやら私は一部のステータスを除いて、本当のチート級になったようです。
あまりの実感のなさに、ぼーっと空を見上げる。
そういえば精霊って、どうなったのかな?
私の中に入って、これから私の中で生き続けるのだろうか?
『呼んだ?』
と言って、紫の光が私の胸のあたりから飛び出してきた。
どうやらフラグだったようだ。
出てこれるんだね。
「びっくりした。私の中に入っちゃったから、てっきりもう会えないのかと思ったわ。」
紫の精霊はふらふらと飛び回りながら戯ける。
『そんなことはないよ、契約を結んだことで僕らと君の繋がりが強まったから、君の中にいる方が僕らも快適なんだ。
別にいつでも出てこれるよ。』
そう言って飛び回ってみせた。
『そういえば自己紹介がまだだったね。僕はクロノア、時を司る精霊だよ。』
「私はミレリア。よろしくね、クロノア。」
クロノアと名乗った精霊は、肩あたりまでの黒髪で、背中には小さな羽が生えている。活発な印象で、自分の事を僕と呼んでいるが、微かな胸の膨らみを見るに女の子のようだ。
クロノアは他の七人を呼び出してそれぞれ紹介してくれた。
火の精霊は、物静かそうな女の子のフレイア。
水の精霊は、無口な男の子のミズキ。
木の精霊は、緑神の知的な女の子のリーフ。
風の精霊は、うとうとと眠たそうな女の子のシルフィー。
地の精霊は、金髪の木の弱そうな男の子のアース。
光の精霊は、凄く真面目そうな女の子のレム。
闇の精霊は、喋りだしたら止まらなそうな元気な女の子のダグリー。
全員を紹介してもらった後、改めてよろしくねと伝えた。
「精霊もちゃんと、それぞれに呼び名があるのね。」
しかも覚えやすい。
『そうでもないよ。僕らは精霊の中でも完全に自我が芽生えた存在だからね。そこらに沢山いる精霊達とは少し違うのさ。』
クロノアが答えると。
『各々の属する精霊を統べることのできる存在といえます。』
リーフが補足してくれた。
つまりは、上位の精霊達か。ステータスの大幅な上昇も納得できる。
幸運様々ね。
『そういうこと。自己紹介も終わったところで、僕らは君の中で過ごす方が快適だから一旦帰るね。
呼んでくれたらいつでも応えるから。』
クロノアがそう言うと、精霊達は私の胸のあたりに入っていくように消えていった。
やっぱり不思議な感覚は残っているけど。
友達八人増えました。
一人の時も寂しくない!
心強く思う。
奇想天外な事もここまでくると、本当にそろそろ良くないことが起こりそうな気がして凄く怖い。
だめね、こんなこと考えてちゃフラグが立ってしまう。
いらぬ妄想をブンブンと頭を振うことで取り除く。
そろそろあのスキルの新しい名前でも考えようかなぁ。
そう思いながらその場から歩き始めた。
その時、最初の事件が起こった。
シュッという風切り音が聞こえたかと思うと、身体が何かに締め付けられてそのまま宙へと浮き上がったのだ。
「っつ!・・・」
強力な力で締め付けられて、振りほどこうとしても全く動くことができない。
身体を見ると大きな黒い物が、肩からしたを覆い隠していた。
まるで巨大な手のようにも見える。
いらぬ想像を思い浮かべて上を見上げると、そこには巨大な竜の身体があった。
「いやぁぁぁ!!!!!!!!」
言葉にならない絶叫を上げて、頭の片隅で⦅チーン⦆という効果音が鳴ったのを確認した。
フラグ回収完了しました。