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51話 シャルロッテの冒険者登録

 温泉ではしゃぎすぎた私達は汗をスッキリと流すことができたが、なんだか疲れが溜まった。

 

 今日はゆっくりして、明日から行動を開始しようと思う。

 ウルフィ種のいる組織、ダルフ。

 これを探し出してシャルとの因縁にケリをつけるのだ。

 

 少し遅めの昼食をとり、アラムの街中をレイルとシャルを連れて散策する。

 外は暑いが、宿でずっとダラダラする気にもならなかった。

 

 街は暑さを物ともせず、賑わいを見せていた。

 至る所で土産屋が露店を広げ、様々な種類の店が立ち並んでいる。

  

 マッサージやエステ、ネイルのお店なんかもあるわね、あとで時間があれば行ってみようかしら。

 

 どんなお店があるのかブラブラと歩き回っていると、目の前に聖都アラムの協会本部が見えてきた。

 

「聖都の協会ともなると大きいわねー。」


 クリュート村の協会が駐在所クラスなら、本部はまさしく本庁の様な大きさだった。

 

「そういえば、シャルは登録してないんだっけ?」

 

 18才未満の登録には保護者の同意が必要である。

 シャルは協会に登録はしていないはずだ。

 この聖都アラムへ入る時にも身分証明が必要だったが、登録証のお陰ですんなりと入ることができた。

 持っていれば何かと便利なのだ。

 

「うん、私はしてないよ。」


「なんなら今から登録しとく?」

 

 せっかく本部が目の前にあるのだし、登録しておくのも悪くないだろう。


「それもいいな。

 シャルロッテ、登録しとけば便利だぞ?」


 先ほど露店で買った饅頭を頬張りながらレイルが後押しする。

 

「お姉ちゃん付いてきてくれる?」

 

 不安そうな顔で私を見上げる。

 

「勿論よ。」

 

 シャルの手を取って答える。

 こんな可愛い子を一人にするわけないじゃない。

 それに、保護者がいないと出来ないしね。


「じゃあ行ってみようかな。」

 

 一人ではない事に安心したのか、シャルはにっこり微笑んで言った。

 私達はそのまま協会へと入った。

 

 中に入ると、ザスタイルの案内所の様に係りの人が入り口に立っていた。

 

「いらっしゃいませ。

 今日はどう言ったご用件でしょう?」

 

「この子の登録をしに来ました。」

 

 要件を伝えると、受付の場所をおしえてくれた。

 登録受付は二階にある様だった。

 階段を上って受付を目指す。

 

 入ってから他の協会員や冒険者を目にしたが、ちらほら亜人を見かけた。

 シャルの種族フォクシズは数が少ないというだけあって見当たらなかった。

 背の低い猫の様な耳を付けた者や、ウサギ耳の女性。

 中にはツノの生えた種族もいた。

 

「亜人の人いっぱいいるね。」

 

 小声でシャルに話しかける。

 

「うん、ザスタイルではあんまり見なかったけどここは多いね。」

 

 シャルも小声で返す。

 確かにザスタイルでもあまり見かけなかった。

 まぁあまり長く滞在していないし、行った場所も限られているから一概には言えないのだけど。

 

「あ、受付ってあそこかな?」

 

 階段を上って廊下を進んでいると、ひらけた場所にそれらしい場所があった。

 数人の人がいるがそんなに多くはない。

 

 部屋の隅に重厚な鎧を纏った男性が、依頼書の束を睨んでいる。

 あとは登録待ちの様で、皆イスに腰掛けていた。

 

「すいません、この子の登録をお願いしたいのですが。」

 

 受付嬢に用件を伝えると、ステータス確認をお願いされた。

 それに加えて保護者の身分確認と、ステータス確認の付き添いを行うそうだ。

 未成年の場合は協会側も一緒なステータスを確認する様だ。

 偽りのステータスを記載されて、クラスに合わせた依頼で本人が死亡した場合に保護者からの訴えを防止するためだそうだ。

 

 私の登録証を提示した時の受付嬢の反応は予想通りだった。

 もう慣れたが、周りに他の冒険者がいる時に大きな声で反応するのはやめてほしかった。

 

「驚いても、大きな声を出さないでくださいね?」

 

 と、事前にお願いした。

 しかし、えっ!?と声を出した受付嬢に周りの者は一斉に振り返った。

 受付嬢は慌てて咳払いをして

 

「あぁ〜、え〜と・・・確認致しますので、しばらくお待ちください。」

 

 と微妙な誤魔化しを見せた。

 幸い周りの視線は直ぐに外れた様だった。

 

「ミレリア=ファレノイアさま、確認が完了致しました。

 それでは、お連れさまの登録を行いますので、こちらへどうぞ。」

 

 受付嬢に案内されて、レイルを一人残して受付横の部屋へと入る。

 そこは小さな部屋で、ステータス確認用の鏡が据えられていた。

 

 受付嬢が扉に鍵をかけ、情報の漏洩を防止する。

 

「それでは、シャルロッテさんはそちらの鏡の前に立って、ステータスの表示をお願いします。

 本人の許可がなければステータスは我々に確認できませんので、我々にも確認できる様念じてみてください。」

 

 受付嬢の丁寧な案内で、無事ステータスの確認を終えた。

 私達は受付の部屋へと戻り、登録証の発行を待った。


 しばらくして、名前を呼ばれて登録証を受け取った。

 受け取ったカードにクラスや現在のレベルが記載されている。



―――――――――――――――――――――

(シャルロッテ=ロズウェルド)

年齢:11歳

性別:女

クラス:C

レベル:35


―――――――――――――――――――――


 シャルも随分レベルが上がったわね。

 そう言えば、私もレベルが上がったけどカードの更新した方がいいかな?

 でもこれ以上時間も取られたくはないし、しなくても問題ないだろう。

 

「あ、よく見るとシャルのカードは私と色が違うわね。」

 

 普段あまり見ることはないが、先ほど受付嬢に渡した私のカードは確か白だったはず。

 

 シャルのカードは橙色だ。

 

「クラスによって色分けされております。

 こちらが一覧です。」

 

 受付嬢がパンフレットを渡してくれた。

 クラスSSから順に、白、黒、赤、青、橙と続き、DEが黄、FGが緑、HIが茶となっていた。


 私がイル姉からカードを受け持った時には説明してくれなかったはずだ。

 

 イル姉ちゃんと教えてよ。

 

 裏返すと裏面は協会のマークが入っており、色は私の物と同じだった。

 しかし、シャルのカードには保護者の名前が書かれており、私の名前とクラスが小さく書かれている。

 

 確認のために必要なのかもしれないが、あまり公開されたくはないわね。

 

 用件を終えて、私達は受付を出た。

 

「ちょっと待ってくれ。」

 

 誰かに呼び止められて振り返ると、先ほど依頼書を眺めていた男性が立っていた。

 

「君、ミレリア=ファレノイアで間違いないかい?」

 

 誰だか全く見覚えがないが、向こうはこちらを知っている様だ。

 少し身構えて返答する。


「そうですが、何か?」

 

 男性は私の方へ少し歩み寄り、右手を伸ばして握手を求めてきた。

 

「俺はマリウス。クラスSの協会員だ。

 聖都の守護を生業にしている。

 協会では君の噂で持ちきりだよ。

 世界唯一のクラスSS実力保持者ってね。」

 

「どうも、ミレリアです。よろしく。」

 

 クロイツ支部長に口止めしたが、上層部へは難しいと言っていた。

 クラスSで聖都の守護者と言うことは立場もかなり上の人なんだろう。

 知ってても不思議じゃないわね。

 協会の人で友好的な感じだし、警戒は解いても大丈夫かしら?

 

「俺と一戦戦ってくれないか!?」

 

「はぁ!?」

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