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48話 運転

 レイルは御者席にて私たちの帰りを待っていた。

 ヴェラとリューネはキャビンで大宴会中だ。

 

「お待たせ。

 とりあえずガネットさんから情報を貰えたわ。

 このまま聖都アラムに向かって問題なさそうよ。」

 

 レイルに先ほど得た情報を伝えた。

 

「なるほど、そんな組織が・・・。

 で、そこに乗り込むのか?」

 

「乗り込むと言うか、話を着けには行くわね。

 手荒な事はしたくないけど、最後は実力行使になるかもしれないわね。」

 

 シャルを追いかけた事、理由を確認した上でしっかりと謝罪してもらう。

 向こうの出方次第では制圧する事も視野に入れておかなくてはならない。

 

 レイルはキャビンに入ってもらい、手綱を握ってアラムへと向かった。

 

 ザスタイルからアラムまでの道はある程度整備されており、馬車でゆっくり移動して2日の距離である。

 

 魔物の出現もあるが、徒歩での移動と違ってかなり楽だ。

 

「お姉ちゃん、馬車って快適だね!」

 

「そうね、思ったより振動が少なくてよかったわ。」

 

 流石は公爵家で用意してくれた馬車なだけあって、かなりいい作りをしている。

 

 車輪と車体を繋ぐ箇所にはサスペンションが取り付けられているようで、思った程の衝撃がない。

 

 道が整備されているのも揺れの少ない理由の一つではあるだろつが、普通の馬車なら間違いなくもっと細かい振動があるだろう。

 

 これならなんとかアラムまで乗り物酔いをせずに着きそうだ。

 

「それにしても、馬車の運転って思ったより簡単なのね。」

 

 街を抜けて、すんなり思った方へと走ってくれる。

 これなら交代でできそうだ。


「私もやってみたいなぁ!」

 

 シャルも少し興味を持ったようだ。

 

「いいわよ、歩くときはこう。

 ほら、速度がゆっくりになった。

 右へ行くときはこう。左はこうよ。

 あと、停まるときはこうね。」

 

 私は教えてもらった運転方法をシャルに伝えて手綱を交代した。

 

「みんな、歩いて〜。えい」

 

 シャルが私が教えたように手綱を引く。

 

「あれ?」

 

 何故か馬は動かない。

 

「えい!」

 

 もう一度試すが、馬が嫌がるように顔を払い、シャルの体が持っていかれそうになった。

 

「なんで〜?」

 

「どうしたのかしらね?」

 

 私はシャルから手綱を受け取り、再度馬を歩かせてみる。

 

「あれ?ちゃんと進んでくれてるわね。」

 

 馬達は私の指示通りに動いてくれた。

  

「なんでかな?

 お姉ちゃんがやっぱり凄いんだよ。」

 

 そうなんだろうか?

 ただ教えてもらったように手綱を握ってるだけなんだけど。

 

「まあ馬の機嫌もあるのかもね。

 また今度試してみましょう。」

 

 一人づつでも運転の仕方を覚えてもらって、交代で出来るようにしたい。

 

 今度レイルにも試してもらうとしよう。

 

「ミレリア、乗ってるだけで暇だから水晶を貸してくれないか?

 ステータスが少しでも変化してないか確認したいんだ。」

 

 レイルがキャビンから顔を出した。

 その横ではリューネとヴェラが楽しそうにお酒を飲み交わしている。

 

「いいわよ、それにそこにいるのも大変そうよね。

 なんなら一緒に飲んでてもいいわよ?」

 

 どうせ運転するのは私なのだし、少しくらい飲んでいても問題ない。

 となりにシャルもいるしね。

 

「いや、俺は荷台に移ってトレーニングしとくよ。

 あそこは広いから色々できそうだし。」

  

「確かにそう言う使い方もできそうね。」

 

 広々と荷台を使えるように、一旦馬車を停めて荷台にあったヴェラの荷物を魔法で収納した。

 

「これで広々と使えるわよ。」

 

「ありがとう!助かるよ。」

 

 レイルは私から水晶を受け取って荷台へと場所を移した。

 

 再び馬車を動かす。

 

「レイルのあの懸命さは素直に凄いと思うわ。」

 

 前を向きながらぼそりと呟く。

 

「レイル兄ちゃん頑張り屋さんだよね。」

 

 シャルもそれに同意する。

 

 馬車はゆっくりと歩みを進めてアラムへと向かっている。

 一時間程度毎に休憩を取りながら進む予定だ。

 

 馬ももちろん疲労するし、私だってずっと注意しながら手綱を握ってもいられない。

 適度な休憩は大切だ。

 

 最初の休憩の時に、私も久しぶりにステータスを確認してみようと思う。

 

 狩人の祭り(カーニバル)もあった事だし、ステータスも上がってるかもしれないし。

 

 そんな事を考えて、シャルと二人で景色を楽しみながら馬車を進めた。


 

 最初の休憩はお昼過ぎに取った。


「お姉ちゃん、お昼ご飯まだぁ?」


 休憩の切欠はシャルの一言だった。

 バタバタしていてお昼ご飯を食べていなかったのだ。

 慌てて馬車を停めて休憩することにした。

 

 シャルもレイルもお腹を空かせていたので、早く食べさせようと思い、一旦ザスタイルへ魔法で戻ってご飯を食べることにした。

 

 酒盛り中のリューネとヴェラはおつまみでお腹を膨らませていたので、馬車の見張りを頼んで三人で移動する。

 

 まぁ、酔っているとはいえリューネがいれば大丈夫なはずだ。

 

 私は二人を連れてザスタイルへ移動し食事をとった。

 

「レイル、水晶はもういいかしら?」

 

「あぁ、ありがとう。

 いつのまにかレベルが45まで上がってたよ。

 狩人の祭り(カーニバル)のお陰でかなり上がったんだな。」

 

 レイルは嬉しそうに水晶を返してくれた。

 折角だし、私も食後の休憩がてら自分のステータスを確認する。

 


―――――――――――――――――――――

(ミレリア=ファレノイア)

年齢:18歳

性別:女

クラス:SS

レベル:48

称号:運を呼ぶ者、精霊王

体力:2460

精神力:15,600

魔力:322,460

攻撃力:576

防御力:492

習得魔法:火(85,000)水(80,000)、木(80,000)、風(80,000)、地(80,000)、光(107,000)、闇(100,000)、時(120,000)

スキル:幸運(フォーチュン)(150,000)、不運(アンラッキー)(150,000)、運転(5,200)

潜在スキル:運呼(777,666)

総合:2,156,454

――――――――――――――――――――

  

 なんか久しぶりね、この感じ。

 

 

 なんでまたスキルが増えてんのよ!

 魔力も30万超えてるし!!

 レベルはわかるわよ?あれだけ魔物を倒したんだもの。

 レイルもびっくりな成長をしてるはずよ。


 体力や攻撃力などの伸びは魔力の比ではない。

 ステータスの値を見るに、基本的な数値によって上昇する数値が格段に違うようだ。

 

 火や時の魔法の数値が上がっているのは良く使用するからだろうか?

 

 でも、スキル【運転】て何さ・・・。

 

 運が付けばなんでもいいんですかぁぁぁああ!!?

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