39話 武器への思い
「」 換金を終えて大金貨101枚分の思わぬ大金を手に入れた。
今後の事も考えて、使いやすい様に白金貨5枚、大金貨31枚、金貨200枚に両替してもい、それぞれ【時空収納・箱】に収納した。
この上ない厳重なセキュリティのお財布だ。
私は浮かれ気分でレイルとリューネの元へと戻った。
シャルも見たことのない大金に目を輝かせていた。
「おまたせ!核石を確認してもらうのに結構時間がかかっちゃったわ。
でも、大金を手に入れたわよ!」
私はニヤリとレイルを見つめる。
意識しなくとも口元が緩んでしまう。
「ほんと、凄いんだよ!」
シャルも補足する。
これで装備品も余裕で揃えられるわね。
「幾らで換金できたんだ?」
レイルが早く教えて欲しいとばかりにソワソワしている。
「大金貨101枚分よ。」
「本当か!すごい大金じゃないか!?」
それを聞いてレイルは飛び上がって喜んだ。
そうね、お金の管理は【時空収納・箱】を使える私がするとして、魔物を倒した本人たちにもお小遣いをあげないとね。
レイルは確か150匹くらいで、シャルは350匹くらい。
そのままの単価だと渡しすぎよね?
特にシャルはまだ子供だ、あまり大金を持たせるわけにはいかない。
「ということで、お小遣いを進呈します!
レイルにとりあえず大金貨2枚!
シャルには金貨1枚!
なくなったらまた補充するわ。
これだけでも大金だから、使い方には気をつけるのよ!」
子供に約1万円を持たせるって裕福な家庭くらいだと思うけど、まぁこれくらいは上げとかないとね。
「レイルお兄ちゃんより大分少ないよー!
私の方が魔物いっぱい倒したのにー!」
やはり駄々をこねるのね。
でもそんな所すら可愛いわ!
レイルはレイルで、シャルに言われて少し傷ついている様だ。
「シャルはまだ子供でしょ?
ちゃんと無くなったらまたあげるから、大切に使いなさい?
まずはお金の使い方を覚えるの。
あまり無駄遣いしないようにね。」
シャルを諭して宥める。
「ミレリアちゃん、お姉さんは?」
リューネが横から口を出す。
いや、貴方は魔物倒してないから。
「リューネは魔物倒してないでしょ。」
「でも、ちゃんと二人をフォローしてたわよ?それに、そう言う指示だったじゃない。」
くっ、どうせ指示しなくても同じだっただろうに、リューネが戦いに参加してもシャルやレイルの為にならないし、私もレベルを上げたかったからなんとも言えない・・・。
「わかったわよ、じゃあリューネも大金貨2枚ね。
無駄遣いしないでよ!」
「はぁ〜い!」
絶対お酒とおつまみしか買わないんでしょうけどね。
私がリューネの今後の扱いに悩んでいると、ガネットが近づいてくる。
「もうこちらでの御用はお済みでしょうか?」
私を急かすことの無いようにゆっくりとした口調で話しかける。
「はい、お陰様で良い取引が出来ました。ありがとうございます。」
私は両手を重ねてお辞儀をした。
「ご満足いただけたのなら光栄です。
では続いて装備品のご購入ですが、武器、防具、装飾品とありますがどちらへ向かいましょうか?」
そうか、一括りに装備品と言っても色々あるのか。
一変に揃えられる方がいいのだが、品の質が変わるのだろうか?
「一度に揃えられる場所ってありますか?」
とりあえず聞いてみる。
「はい、少し離れますがご案内できます。
それでは今一度馬車にご乗車ください。」
ガネットが扉を開け、私たちは馬車へと乗り込んだ。
馬車は再び軽快に走り出す。
「みんなの防具は一通り整えたいわね。
あとレイルの武器。その剣も結構昔から使ってる物だし、そろそろ自分に合うものを新調した方がいいと思うの。
折角お金も入ったんだし、私やシャルも短剣じゃなくて何か自分に合う別の武器が見つかるといいわね。」
手に入れたお金に夢も膨らむ。
「確かに古い剣だけど、余計に愛着があるからなぁ。
手放すのも忍びない。」
レイルは鞘を握る。
「そうかもしれないけど、少しでも戦闘が楽になった方が私も安心できるのよ。」
「まぁ、ミレリアを心配させたくはないんだけどな。
そう考えると、こいつともお別れか。」
名残惜しそうに剣の柄を撫でる。
何だか物凄い罪悪感だ。
私は武器に対してそれほど愛着を持っていない。
勿論父に貰ったこの短剣は大切だけど、武器として大切にしているわけではない。
言わば思い出の品だ。
あるとすればこのポーチくらいか、私もこのポーチを手放すのは忍びないかも。
「兎も角物を見てから考えましょうか。」
レイルの気持ちを少しばかり感じ取り、先程とは違って無理に新品の武器を買うのはやめようと思った。
「お姉ちゃん、私も武器を買うの?」
シャルが少し戸惑った様に聞いてくる。
「シャルも自分が使いやすそうな物が見つかれば買うといいわ。
短剣もあるから無理にとは言わないけど、扱いやすい物があればその方がいいでしょ?」
こんな子供に武器を持たせるのはどうかと思うが、この世界では別に変わった事ではない。
私も村では鍛錬を行なっていたし、身を守る術を早くから教えなくてはならないのだ。
「わかった。」
私の話をしっかりと聞いて納得してくれたシャルの頭を撫でる。
私は買いたい武器を決めてるのよね。
でも、お店に置いてあるかしら?
馬車は速度を落とさず走っている。
少し離れているというだけあって、既に20分程度は経った。
そろそろ着かないかしら?
それから更に10分ほど走って装備屋へと到着した。
今度のお店は見た目も装備屋その物だ。
店の入り口には左右に鎧と剣のオブジェクトが飾られている。
良い装備があるといいな。




