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31話 狩人の祭り

 昨晩は寝るまでに一つ確認をしておいた。

 シャルの習得魔法のステータスにあった【魔】の項目についてだ。

 シャルに核石をもう一つ渡して取り込んでもらったのだが、再びステータスを確認をすると【魔(3)】から【魔(6)】に変化していた。

 更に魔力と体力の端数が上昇している事も確認できた。

 どうやら取り込んだ量はステータスで確認できるようだ。

 それに、取り込む事で他のステータスが上昇することも把握できた。

 

 シャルは精霊との契約によりかなりの量の核石を取り込める様になったが、余裕を持って取り込む様に念を押した。

 ある程度所持おいて、換金もしたいしね。

 

 今日も空は快晴!

 最近雨が降っていないが、冒険をするには打って付けである。

 再び地図を持ってザスタイルを目指す。

 魔物と遭遇する以外には特に変わったこともなく、ただ只管に前進した。

 

「ホント穏やかね〜。」

 

 思わず呟いた。

 たまに見かける魔物以外、人っ子一人見当たらないのだ。

 まあテグナムやクリュートへ向かう者なんて殆どいないだろうが、いつまでたっても同じような景色に少し飽き飽きしていた。

 

「まぁ大変よりもいいじゃないか。シャルロッテだって居るんだし、穏やかな方がいいよ。」

 

 前を歩くレイルが答える。

 それもそうか、刺激は少ないがこんな日も無くては心も落ち着かない。

 結局、その日は何も無いまま一日が終わった。

 シャルの為休憩を長めに入れたりと気を使いながら進んだが、思ったよりも順調に目的地へと近づいているようだ。

 シャル自身も然程疲れた様子も見せず、"まだ歩けるよ!"と意気込んで見せた。

 明日はもう少し休憩を短くとっても大丈夫そうだ。

 

 そして翌日、出発をしてすぐにそれは起こった。

 視界の右端から大きな土煙が近づいてきたのだ。

 私が不思議そうに見ていると、リューネが口を開く。


「なるほど、クロノアが言っていたのはこの事だったのね。」

 

 リューネは一人納得した様に頷いた。

 

「リューネお姉ちゃん、クロノアが言ってた面白い事がわかったの?」

 

 振り向いてシャルがリューネに聞いた。

 

「えぇ、あそこに見えてるのがそうよ。

 あれは魔物の大行進。

 理由はわからないけど、稀に一定量の魔物が集まって大移動をする事があるの。

 そしてそれは、冒険者たちにこう呼ばれてるわ。」

 

 少し溜めを作って、リューネは右手で土煙の方を指して宣言する。


狩人の祭り(カーニバル)!!!!!」

 

 

 

 千を超えるであろう魔物の群れが、こちらへ向かって突き進んでいた。

 


「ちょ・・・ちょっと、あれ全部魔物!?

 狩人の祭り(カーニバル)って、全然楽しそうな雰囲気しないんですけど!!」

 

 私は驚嘆の声を上げてリューネを見る。

 

「確かに実力の無い冒険者にとってはただの地獄絵図ね。

 でも貴方達ならあの程度のレベルの魔物、なんて事ないと思うわよ?

 よく考えてみて、経験値と核石、言わば宝の山が向こうから向かってきてくれてるの。

 まさしく狩人の祭り(カーニバル)じゃない!」

 

 少しずつ魔物の陰が見え始める。

 土煙は横に百メートルは続いており、これ以上近づかれれば間違いないく逃げる事は出来ない。

 早急な判断を迫られる。

 ちらりとレイルとシャルに目をやると、なんと二人とも戦闘する態勢に入っている。

 レイルは兎も角として・・・。


「シャル、貴方大丈夫なの!?」


「うん!お姉ちゃんと一緒なら大丈夫!

 私も頑張るよ!」


 なんか私より逞しいわね。

 確かにシャルは強い。

 最上位精霊と契約したことにより、クラスはCまで上がっている。

 この子がやる気を見せているのだから仕方がない、私も覚悟を決めるしかないわね。

 

「あ〜、わかったわよ。稼ぎ時、稼ぎ時なのよね。

 どうせやるなら全部倒すわよ!私は中途半端は嫌いなの。

 サポートするけど、シャルもレイルも無理はしないでね!」

 

 自らを鼓舞して、シャルとレイルを見る。

 私も短剣を取り出して構える。

 

 魔物の群れが少しずつその姿を顕にし、ハッキリと捉えることが出来るまでに近づいてきた。

 広大な草原を踏みならしながら、様々な種類の魔物が移動している。

 シャルもまた、短剣を取り出して構えている。

 

 

「さて・・・それじゃあ狩人の祭り(カーニバル)の始まりよ!」

 

 

 魔物の群れが五十メートル程の所まで迫ってきた事を確認して、私は広範囲の魔法を発現する。

 

【重力結界・極】(グラビティフィールド)

 

 千を超える魔物に重力の波が襲いかかる。

 【大地ノ咆哮】(グラビティプレス)程の力はないが、範囲に捉えた全ての魔物の動きを拘束する。

 魔物たちは倍以上に膨れ上がった自らの質量をその身に受けて、ヨロヨロと動きを鈍らせた。


 殲滅よりもまずは足止めね。

 倒し損ねた魔物からの危険を減らす事にも繋がるし、何より全員で経験値を稼げる。

 

「レイルは左からシャルは右からお願い。私が真ん中から攻めるわ!

 リューネは二人のフォローをお願い!

 もし危なくなったら一旦下がって立て直すわよ!」

 

「了解!」

「わかった!」

「わかったわ。」

 

 そしてそれぞれが散っていった。

 レイルは真っ直ぐに左に広がる魔物の群れに向かい斬りかかる。

 レイルが剣を振るうと、魔物が燃え上がる様に消えていった。

 

「よし!これならイケる!」

 

 レイルは次々に魔物を斬り伏せていく。

 確か魔力を使いすぎるからと、剣に炎を纏わせる事はやめていたはずだ。

 しかし、魔物は核石となって消えている。

 何か新しい魔法を編み出した様だ。

 これなら一先ず安心しできる。成り行きを見守ろう。

 

 シャルに目を向けると、こちらも魔法を使って魔物を倒し始めた。

 

「いくよー!【植物召喚(サモンプラント )草槍】(ランス)!!」

 

 シャルが魔法を発現すると、地面から広範囲にわたって鋭く尖った巨大な草が突き出した。

 出現した草に貫かれて、魔物は生き絶えて消滅する。

 

「恐ろしいわね・・・。」

 

 今の一撃で四、五十匹は仕留めたんじゃないだろうか?

 人の魔法を見るとよくわかるが、魔法ってすごい。

 

 シャルは魔物の群れの中を駆け抜けて、次々に魔物を倒していく。

 

 すごいけど、魔力がどれほど持つかわからないためレイル同様にしっかりと見守るとしよう。

 まぁ、危なくなればリューネがフォローしてくれるはずだ。

 次は私の番ね。

 

 【重力結界・極】(グラビティフィールド)は割と低コストだが、長時間使用し過ぎると流石に魔力を大きく使いすぎる。

 少しでも早く片をつけたい。

 

【閃光ノ雨】(ライトニングスコール)!」

 

 私の頭上に無数の光の玉が出現し、それぞれが光の放ち、その光が軌跡を描いて魔物の群れに放たれる。

 光は目の前の魔物達を貫き一掃していった。

 

 これで百匹くらいは仕留めたわね、せっかくだし色々と試してみよう。

 

 そして、私たちは魔物の群れに向かって進んでいった。

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