記録.18見つけた
「アシルさん!」
俺の部屋に慌てて飛び込んで来たのはとある調査を頼んでいたものだった。
「どうした?」
俺は落ち着きを保ったままその青年に尋ねた。
「ついに見つけました!頼まれていた方がいたんです!」
どうやらようやく見つかったらしい。
約束したのだからすぐに会えると思っていたのに会えなかった彼女にようやく会える日が来たのだ。
「それで、彼女は今どこにいるんだ?」
一瞬間が空いた。
「オルデゥーク領内の領主の館にいるとのことです」
彼の言葉からは少し暗い雰囲気が漏れていた。
「そのオルデゥークとは?」
彼の話によるとオルデゥークとは代々オルデゥーク家が治めている領地のことで、その家にはあまりいい噂はないのだとか。
「そうか、助け出すとなると戦う羽目になりそうだな」
「ええ、彼らはどんなことも厭わずやると聞きますし」
この状況どう考えても俺の運の悪さ故だろう。
あまり酷くないと思っていたが、ここで大きいのがくるとは想像もしていなかった。
「わかった。少々作戦会議をしたい下がってくれ」
はい、と返事をして彼はこの場を立ち去った。
その後、部隊長とアレクを交えて今回のことを伝えた。
「うむ、オルデゥーク領となると厳しいですな」
重装歩兵部隊の隊長のであるライドウがそう言った。
「しかし、少人数ならばなんとかなるかもしれないぞ」
アレクがそう言う。少人数と言えどどうすればいいのか見当もつかない。
「奴隷という立場を利用して、売りに来た程にでもするなんてのはどうでしょうか?」
弓部隊のヤライが提案した。
「でも俺なんかのためにそんなことしていいのか?」
そう、これは俺の遊びじゃない。最優先目的は他にあるのだから。
「いやいや、あんただからだよ。あんたのおかげで俺たちは奴隷から脱することができるチャンスができたんだ。あんたの大切な人ぐらい取り返してやりたいんだよ」
偵察部隊長のダガンがそう言う。
「だけど、最優先は……」
「恩返しさせてくださいよ」
ライドウが俺の言葉に被せるように言ってきた。
この場にいる全員に目を向けると納得してくれているようだ。
「すまない。俺のために力を貸してくれ」
「やってやりますか」
ヤライが
「ですな」
ライドウが
「取り返すしかないんだよな」
ダガンが
そしてアレクも深く頷いている。
「ありがとうみんな。俺は君たちに出会えてよかったよ」
「なら早速何人で行くのか決めないとですな」
ライドウがそう言い部隊から志願者2名を出してくれるという。
そして、ヤライとダガンのところからは3人づつ出すとのことだ。
それに俺を加え9名での行動となることが決まった。
これでようやくリコルに会うことができると思うと胸の高ぶりを感じた。
「待っていてくれ、リコル」
取り戻せるのかなー




