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1話・ルキ異世界に誕生

前回の続きです。急いで文字を打ったのでもしかした誤字などがあるかもしれないですが温かくご覧になってください。

気がつくとそこは宮殿か何かの広間にいた。周りを見てみると壁には高そうな絵画と黒のローブを着た者たちが数人いた。そして、少し奥には堂々たる王座とそれに座る老人がいた。広間のど真ん中についさっき死んだはずの佐々木 晴斗が立っていた。別に外傷はない、さっき着ていたコートも傷ひとつない。

「お、御父様…成功です……成功です!」

元気よくそんな声を張り上げたのは花菜…?否、花菜によく似た顔立ちをしているが、髪の毛の色も黒ではなく茶色で、目もなんの曇りもない茶色よりの色だ。スタイルも若干こちらのほうがいいか?

「おぉ…4度めにしてようやくか……」

弱々しい声を発したあとにゴホゴホと咳き込む。

「御父様?や、やはりあまり体調がよろしくないのですか?」

「あぁ…どうやら儂ももう終わりのようだ……」

今度は血が混じった咳をする。

「シーナよ、あの者をしっかりと導きなさい、そして……」

老人は血を数回吐いたあと床に倒れる。それと同時に黒のローブを着た彼らも血を吐きながら床にバタバタと倒れていく。

「…シ、シーナ……ニーナとこの国を……救っ……てくれ……」

「御父様ぁぁぁ!」

どうやら老人は力尽きてしまったようだ。

シーナと呼ばれる彼女はこの宮殿隅々までに行き渡るような大声を出しながら泣き始めた。

この一連の出来事が起きても俺はなんの動揺もしなかった。ただ、おとなしく事のなりゆきを見ていた。

「佐々木家いかなるときも冷静に慎重に」

親からの言い伝えをしっかり守って沈黙をしながらなぜこのような事態になったのかを考えた。


疑問点1・なぜ現代とは思えない世界に来てしま

ったのか。

疑問点2・なぜ俺は死んだはずなのに生きている

のか。

疑問点3・今俺はどのような存在なのだろうか。


疑問点4を考えようとしたとき。

「あなたの名前は何というのですか?」

後ろから訊かれたので振り返ってみるとそこには

25歳くらいの女性が立ってい。

「相手に名を訊くときにはまず自分から…」

話し終わるまえに

「私の名はリサ、リサ・マジアです」

「俺の名は……」

ここでふと思った。ここはおそらく異世界だから、普通に名乗っても日本風の名前にはあまり馴染みないだろう。

数秒間考えた。よし、別に 佐々木 晴斗 という名を嫌ってはいないが異世界風にしてみようか。

「ルキ…ルキ・ズ・マーリボスです」

ルキは本名から、マーリボスはラテン語を俺なりにくずしてつけてみた。確か意味は冒険者だったかな。

「良い名前だと思います。とりあえず立ち話ではなく、しっかりとした部屋でお話ししませんか?」

そういえばまだシーナと呼ばれる彼女はまだ泣いているし、ここはどこかもわからないし、従うのが一番いいだろう。…大切な者を失うとああなるのかな……。少し、花菜のことが気になったが今は複雑な感情を抑えて

「はい、そうしましょう。俺にしっかりと1から説明してもらいますよ?」

リサさんはにっこりと微笑む。

俺らは王室と思われる場所から出ていこうとする。

まだ、彼女は泣いている…。

このまま去るのも冷たいかな…。

「少し待ってください」

リサさんはキョトンとした顔で首を傾げるがすぐにまた微笑む。

俺は泣いている彼女に近づき

「お察しします、俺もつい最近大切な人を失ってしまいました…今は亡きお父上様の分まで力強く生きていきましょう」

と慰めの言葉をかけた。

すると彼女は初めて俺に話しかけてくれた。目にはまだ涙があるが近くで見る彼女はとても美しかった。逆に涙がその美しさを引き立てているのかもしれない。

「父は…父とそこにいる魔導師の方々はあなたの召喚のために犠牲になりました。」

「…え?」

魔導師?召喚?色々訊きたいことはあったが黙っていた。

「この国のためにも尽くしなさい」

彼女は命令した。命令というより願望にも似たような感じだった。多分、犠牲になった人達の分のためにも期待を裏切らないように、もしくはそれ以上に俺に何かしてほしいのだろう。

「はい」

俺は彼女の手をとり、目をみて力強く言ってみせた。

すると彼女は少し驚いたように目を少し見開き

「意外です、召喚されたときに感じたのです。この人は冷たく、残酷な人だって」

いつのまにか彼女は泣き止んでいた。

「すみません、いきなり変なことを言って、……今はそっとしておいて欲しいです…」

俺は内心傷つきながらも

「わかりました」

と言ってリサさんのところに戻った。

「さぁ行きましょうか」

「はい、優しいのですね、ルキさんは」

「そうでしょうか?」

彼女と話せて少し気分が高揚したのか自然に微笑んだ。

俺らは今度こそゆっくり話し合いのできる部屋に向かった。





最後まで読んでくださってありがとうございます!

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