プロローグ
この小説はおそらくたくさんの○○戦記や他の異世界小説に似たり寄ったりの物語になってしまうかもしれませんがどうか温かくご覧になってください。
俺は順風満帆な人生を送っていた。学校の成績はトップで、運動能力も抜群だ。そして、つい最近には彼女ができたのだ。
「ねぇ晴斗?クリスマスどうする?」
彼女の花菜がそんなことを突然訊いてくる。そうか、もう12月の中旬でクリスマスまであとわずかなのか。彼女訊いてこなかったら気づくのにもう少しかかっただろう。
「そうだなー…スキーなんてどうだ?」
「えー私スキーできないよ」
ここは駅のホーム、そこら辺のカップルがたわいない会話をしていると、通りすがりの人にはそう見えるだろうが憎悪に満ちた同じ学校の男子生徒は違った。
「でねー?あのとき盛大に転んじゃってさー」
「ははは」
チラリと腕時計を見る。もうすぐ電車が来る時間だ。少し遠くで電車の音がきこえるのと同時に後ろで荒い走る音がきこえた。振り返るとそこにはこの間、花菜に告白してフラレた男子生徒がいた。
「俺がこんなに君を愛しているのに…君というやつは…君というやつは……っ!」
鼻息が荒い、今にでも暴れだしそうだ。
「ちょ、君、落ち着いて…」
あわてて制止に入るがもう遅かった。
男子生徒が花菜に向かってタックルし、ホームから突き落とそうとしたのだ。
俺は間一髪で花菜の手をとり、ホームに引っ張り戻したがその反動で今度は俺がホームから投げ出された。
「ーあ」
情けない声を漏らしてしまう。
もうすぐ近くまで電車がきているのに…まだ少ししか生きていないのに…まだ、花菜と一緒にいたかったのに…。
走馬灯か何かが頭を通りすぎていく。
痛みは感じなかった。かすかに花菜やホームにいた人の悲鳴が聞こえたのがこの世界での人生だった。
読んでくださってありがとうございます!
次回からも気合いを入れていきます!