プロローグ
プロローグは短めにしてます
今現在ライトノベルでは『異世界系』が人気なのは言うまでもないだろう。
俺もそれらに憧れ何度か小説等で書いた事がある程だ。
そして今丁度、その『異世界系』を書くため机に向かって精をだしていた。
「頼むぞリストラ勇者」
「うぅ、その呼び方はやめなさいよ」
自信作のあだ名に文句を言いながらも赤髪碧眼は紙を受け取った。
何がそんなに気に入らないのか皆無だが、どうも受け付けないらしい。
「いいか元勇者、今日でもう締め切り一週間前だ。昔の事なんて忘れてこっちに集中しろ! 生活かかってんだ!」
「も、元もやめなさい! ……頑張るから元もやめなさい!!!」
「あぶねっ! おいペン投げんな! 居候勇者!」
「なんかさっきから自己紹介みたいになってるから! いい加減そのシリーズ終わりにしなさいよ!」
だんだん涙目になっている勇者は、渋々作業を再開した。
「あのケンさん、これどうすればいいのでしょう?」
「お、もう終わったのか! さすがポーラちゃん。チェックするからゆっくり休んでいてくれ」
「あ、はい! お、お願いします!」
「くっ! 魔王の娘如きにそんな優しい言葉いらないわよ。アタシの力が戻ったら退治してやるんだから」
「おい、やめろよへっぽこ勇者。こんな幼くて可愛い子を退治とか言うなよ」
「兄ちゃんまだ終わらへんの? はよしてや」
「仕方ないだろ。まとめるの難しいんだよ――小説って」