表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3 year  作者: MIKI ITO
4/6

不安と安心

心臓がバクバクと音をたてて動く。

いつものように平常心ではいられない。

もし、家族があの事故に巻き込まれていたらと思うとクリスマスイブどころではなくなった。

体の血の気が引いていくように感じた。

気が付くと幼馴染みの親友に電話をかけていた。


(プップップッ…プルルル…プルッ)

「はい、もしもし。どした?こんな夜に電話なんて珍しい。」

『いや…別になんもないんだ。』

「は?何もないのに電話してくんなよな。」

『ごめん…そういうつもりじゃ…。』

「なんかあったんだろ?声が暗すぎ。周り静かだしお前一人なの?」

『うん…。』

「そっかー、クリスマスイブに一人とは。寂しくて電話かけてきたんだな。」

『違う…いや、そうだけど。家族が…。』

「家族がどうしたんだよ?」

『家族が帰ってこないんだ。』

「え?なんで?」

『わからない。』

「連絡はしたの?電話とかメールとか…。」

『した。父親にも母親にも弟にも…電話した。何度かけても繋がらないんだよ…。』

「………。そんなに落ち込むなよ…。死んだわけでもあるまいし。」

『………っ。』

「どうしたんだよ、悠樹。ハッキリしろって!」

『テレビ…観た?』

「テレビ?何のテレビだよ。」

『ニュースだよ…街で死傷が起こったって…。』

「あぁ。あれか、さっき観ててビックリしたんだよ、あれ地元じゃん?」

『そう、あれの落下して下敷きなってる車、家のとソックリなんだよ。』

「えぇ、それ本当にいってんの?いくらなんでも冗談でしょ?」

『冗談に聞こえるか?』

「いや…冗談には聞こえない。けど、早とちりじゃないか。」

『………。僕もそうだって信じたいよ!!!!!でも、死亡が3人なんだよ…大人と子供合わせて3人!!!』

「マジかよ…。なんだか嫌な感じはするな。」

『もし、そうだったら僕は…独りになるんだろうな。』

「そんなこと言うなよ!幼馴染みの親友に頼れって!悠樹も心細いのは分かったから。とりあえず、今日は寝て明日俺がお前ん家に行くから!その間に家族が帰って来るかもしれないし。それまで指くわえて待っとけ!」

『なんかわかんないけど、少しホッとした…。龍介、ありがとう。』

「おーよ!また明日な。」


少しだけ気持ちが和らいだ気がした。

僕はそのままソファーに寝そべる。

頭のなかを色々な事がぐるぐると駆け巡るが、今日はもう考えるのはよそう。

寝ていれば家族は帰ってくるかもしれない。


そう思い目を瞑る…気が付くと朝になっていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ