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3 year  作者: MIKI ITO
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始まりはここから


僕には家族が居た。友人も居た。

そして、大切な子も。

今思えばとても大事なことを僕は忘れていた…。

知らなかったじゃ済まされない…。

その事に気が付いたのはこれよりもっと後だった。






12月24日。

世間はクリスマスイブ。

街には華やかな飾りが施されクリスマスの優雅な音楽が周りのスピーカーから流れ、賑わいをみせている。

辺りは恋人、家族と楽しいひとときを過ごそうとしている人ばかりであろう。

僕は一人で街中を歩いていることを思い返し少し複雑な気持ちで家族から頼まれた特注のケーキを取りに向かっていた。


今日は父親の仕事が休みということもあり家族で盛大にクリスマスパーティーをやるつもりだ。

母親は車で弟の習い事が終わる頃に迎えに行く予定と聞いていたがそろそろ連絡が着てもおかしくない時間なのに…。

時計を見ると午後7時を過ぎている。

父親も、もしかしたら同じ車に乗って今晩の買い物をしているのかもしれないと思い、なぜ僕は一人徒歩でケーキを取りに向かっているんだろうと少しムッとした。






そんなときそれは起こった。──────






『キィイイイイイイイイイイッ!!!!』

「ガシャーーーーーーーーーン。」


とてつもない破壊音が響き渡り、それまではクリスマス一色だった街が赤黒く染まった。

誰が見ても助からないと判断出来るほど車は大破している。

前後左右の車も衝撃で玉突きを起こしているようだ。

上を見上げるとビルの屋上で作業している様子が伺えるので間違えなく上から物が落下して下の車に直撃したのか…。

とても災難だったろうにとしか他人から見ればそんなもんだろう…。

僕はただクリスマスイブに事故を目撃した事が不快でしょうがなかった。

何だか家の車と同じ色だったことに胸騒ぎがした。


でも、不謹慎ではあるが家族にこの話を一刻も早く話したかった。


僕はケーキを受け取り急ぎ足で家に帰った。


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