第一章飛び入り訪問編2
「え、何で君がここにいるんだ、それにその荷物どうしたんだ?」
不思議に思って颯太が質問すると予想外の言葉が返って来たのでした。
「何でって、ちょっと事情があってここに住まわせてもらおうかと思って来ました」
「な、何言ってるんだそんなの駄目に決まってるだろ!」
「そんなことを言われても私、ここ以外に行くところないのでここが駄目なら
どこに行けばいいんですか、外で過ごせと?」
唯はそう返してきたのでした。
「そう言ったってなあ、俺一人しか住んでないし、そうだ!
ホテルとかあるだろそこにいけばいいじゃないか」
そう提案したのですが返ってきた言葉は意外なものでした。
「嫌です、ホテルなんか行ったらお金が幾らかかると思ってるんですか
もったいないです。それとも私を泊められない理由が何かあるんですか?」
「う・・・え、えっとそ、それは・・・」
颯太が言葉に詰まると唯は何かに気がついたように少し後ろに下がりました。
「ま、まさか店長、私に何かするつもりなんですか」
「そんなわけないだろ!そもそも君に興味なんかないよ!」
颯太がそう否定すると唯はさっきと変わって強引に部屋に上がったのでした。
「それじゃあ大丈夫ですね、おじゃまします~」
「あ!ちょっと待てって」
そして廊下を通過してリビングへと唯は向かったのです。
「へ~ある程度は、掃除はしているんですね。本当にある程度ですけどね・・」
「だから言ったのに・・・」
颯太は頭を抱えながら後ろから追いかけていったのでした。
リビングについて唯は荷物を下ろしてソファに座って、
キッチンで料理ができているのに気がついてこう言いました。
「私、おなかがすきました。店長夕飯できてるんですよね
味見をして上げますから持って来て下さい」
「なんでそうなるんだよ!これは俺が自分のために作ったんだ。
食べさせないぞ!」
「いいじゃないですか、減るものじゃないんですから~」
「いやいや、減るだろ!はぁ、わかった食べさせてあげるから
その後事情を話せよ」
「わかりました~」
二人は颯太が作った夕飯を食べて落ち着いてから話を始めたのでした。