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阪上くんと保田くん(新装版)  作者: 尾仲庵次
出会いと学生生活
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TRPG

 テーブルトークというゲームをご存じだろうか。


 昔……

 つまりボクが高校生の頃はあまり知られていない(マイナー)遊びだった。

 だけど最近では割と有名(メジャー)な遊びになっているらしい。


 知らない人のために簡単に説明したいと思う……


 この遊びは人の空想力を存分に使う。

 ゲームの中にはちゃんとしたルールがあり、プレイヤーとゲームマスターに分かれて楽しむ。

 ゲームマスターはゲーム内でのルールに従ってお話を作る。

 そのお話はプレイヤーには知らされない。

 プレイヤーはキャラクターシートに自分の分身とも言えるキャラクターを作り込む。

 能力値に関してはサイコロの目に従って決める。

 ゲーム内でのシステムに従ってゲームマスターが作ったシナリオをプレイヤーたちはキャラクターになり切って楽しむというのがこのゲームの醍醐味(だいごみ)である。


 キャラクターは自分に近いキャラクターでもいいし、まったく真逆でもかまわない。

 つまりプレイヤーは男でもキャラクターは女で、男が女を演じることもあるし、その逆もまた可能なのである。


 シナリオの中にはキャラクターがその能力に従って乗り越えなければならない問題が生じる。


 その問題を乗り越えられるか否かもサイコロの目によって決まる。

 サイコロの目がどの程度で成功するかの成否判定に関してはゲームマスターが決める。


 小説の中の世界をその登場人物(キャラクター)になり切って遊ぶ……と言えば分かりやすいだろうか。

 ゲームマスターは作家で、登場人物(キャラクター)をシナリオの方向に導いていくわけだ。

 登場人物(キャラクター)になり切っているプレイヤーはこれから始めるシナリオの展開にワクワクしながら自分の行動を決めていくのである。


 実はこれ。

 ゲームという形をとっているのがテーブルトークなのだが、相談援助技術の世界での研修でも用いられている。

 援助者が相談者の役を行い、相談に乗ってもらう人の気持ちを理解するというものである。


 さて……。

 そんなテーブルトークなのだけど……

 当時のボクにはその面白さがよく分からなかった。

 周りの友人たちもシュミレーションゲーム部の友人以外はテーブルトークなど、やっていなかったわけだから、入っては見たものの思っていたのと違う活動内容にボクは困惑した。


 キャラクターになり切るという行為が当時のボクにはあまり楽しいとは感じられなかったのだ。

 どんなになり切ったとしても自分は何も持っていない普通の男子高校生なのである。

 違うキャラクターを人前で演じるというのは恥ずかしいし、何とも言えない虚しさを感じることが多かった。


 結局、ボクがテーブルトークで演じたキャラクターは自分に近いキャラクターばかりで……それでも演じ切るのはできなかった。

 そんな中途半端な気持ちでやっていたからテーブルトークというものの面白さがいつまでも理解できなかったのである。


 なんだか分からないことに時間を費やすのは辛かった……。


 だからシュミレーションゲーム部を辞めるのにそんなに時間はかからなかった。

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