堅い爺さんの最期
六畳一間のこの部屋。
夢と希望に満ちていた頃を思い出しては、暗闇に身を投じる不安に駆られる。
何を焦って生きてたのか。
時間は残酷に過ぎてゆく。
そんなこと、分かってる。分かっているが、何故か止まれと懇願している。
そんな事ばかり考えている。
別にもう生きたくないのだが。
一日中、この部屋に閉じこもる。
何処にも行く予定もない。
虚しく無い訳ではないが、仕方ない。
私はこの人生、孤独でも構わない。駄目と言わないでくれるか。私はそれで良いのだから。
寂しい人生でもいい。
地味な奴でもいい。
これが私の道だから。
六畳一間のこの部屋。小さい窓から望む空は、何時も何時も灰色だ。
中々蒼い空は見えない。
私は蒼い空を望んではいない。
蒼くなくていい。
私の眼に映る空は灰色なのだから。
結局の処、私の人生観は馬鹿みたいなプライドに塗れて、アイロニーな考えだらけで成り立っているのだ。
私は捻くれ者なのかもしれない。
まぁ、これが私、という事か…
私の手、随分年をとったものだ…