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6、激動

メルにタイムリープの説明をした。

そんなメルはタイムリープの事。

いや違うか。

タイムリープした内容にショックを受けていた。

自殺した事を、裏切られた事を。


「二郎さん」

「なんだ?」

「キツイ中、話してくれてありがとうございました」

「...別にキツイとは思ってない。...だけどメルだからこそ話した」

「私だからですか?」

「お前なら信頼出来るって思ったからな」


その言葉にメルは赤くなる。

それから俯いた。

そしてメルは顔を上げて俺を見てくる。

俺はその姿に「メルだからこそだ」と柔和になる。


「優しいです。二郎さん」

「優しいかどうかは分からないが...そう思ってくれるだけありがたいな」


それから昼休みの終わりが近付く。

俺は立ち上がりメルの手を握ってから立ち上がらせる。

そしてメルの顔を見た。

メルは笑みを浮かべながら俺に向いていた。


「戻りましょうか」

「だな。そうするしかないと思う」

「ですね。アハハ」


そしてメルと一緒に屋上を後にする。

それからドアを閉めてから戻ると...エクトプラズムが抜けた様な幸春が居た。

廊下に居る奴らがドン引きしている。

何してんだコイツ。


「ワイの妹が...妹が...」

「お兄ちゃん。キモい...」


メルがドン引きしている。

俺はそんなメルを見てから幸春を立ち上がらせた。

それからメルと別れてから椅子に介護者の様に腰掛けさせる。

幸春は「大切な妹だからな」と呟いた。

俺は幸春を見る。


「だから頼むわ」

「幸春...」

「お前だけしか男性には懐いてないしな」


幸春は苦笑いを浮かべながら俺を見る。

俺は「分かってる」と返事をした。

それから幸春を見る。

幸春は俺の姿を見てから安心した様にエクトプラズムが抜けた。

戻って来いや。



それから俺は放課後を迎える。

俺はゆっくり立ち上がって帰ろうとした。

すると「あの」と声がした。

その声の主は名木山であった。

俺は眉を顰めつつ「なんだ?」と聞く。

名木山は控えめに俺を見る。


「あの」

「なんだよ?」

「話が、ある」

 

その言葉に俺は「?」を浮かべる。

名木山は幸春に「少しだけ彼を借りていい?」と聞く。

幸春は「あ、ああまあ良いけど」と返事をした。

なんで俺を借りる事になってんだ。


「名木山。俺は暇じゃない」

「今日話したい」

「何をだよ」

「...前世の事を」


まさかの言葉に俺は見開く。

それから彼女を見据えた。

彼女は俺を見つめる。

そして名木山は踵を返した。

俺は「...」となりながら不思議がるクラスメイトを置いてから別の教室。

誰も居ない空き教室にやって来た。

教室のドアを閉める名木山。


「何故お前は前世を知っている」

「何故かは分からないんだけど...知ってる」

「お前も死んだのか?」

「違う...と思いたい。...私は多分死んでない」

「...俺達の結婚した日は覚えているか」

「...6月12日」


その言葉に俺は頭を抱えた。

マジなんだな。

そう考えながらオレンジ色の夕日を見てから名木山を見る。

それから「すまないが俺はお前からされた事を考えるとお前とは縁を切りたい」と言う。

すると名木山は「だろうね」と話した。

そして俺を見つめる。


「私...は。...貴方を裏切った裏切り者だしね」

「ああ。俺はお前の裏切りを絶対に許さない」

「...私、裏切ったのには理由があるの」

「どっちみちにせよお前の話は...」


するといきなり教室のドアが開いた。

それから「こんにちは。名木山先輩」とメルが顔を出した。

俺は「メル!?」とメルを慌てて見る。

メルは俺を見てから「私に黙って彼を借りないでくれますか?彼は私の恋人です」と不愉快そうに名木山を見た。


「確かに彼は貴方の恋人ですね」

「...はい。私の恋人ですから。だから無断拝借は止めて下さい」

「無断拝借したつもりはありませんが...悪かったとは思います」

「...」


それからメルは警戒しながら名木山を見て俺を見る。

そして「行きましょう。二郎さん」と俺に縋る。

俺は「あ、ああ」と言う。

すると名木山が「まだ話は途中です」と言う。

足を止めるメル。


「貴方と話す事は何もないです」

「初めて会った割に冷たいね」

「貴方は...今聞き耳を立てていましたが。聞いた限り前世を覚えているらしいですね」

「...」


名木山は表情を変えずメルを見つめる。

メルは「なんでそんな二郎さんの家で浮気した挙句、他人の性器を舐める様な真似が出来るんですか?最低極まり無いですね。死んで下さいよ」と苛立つ様に言う。

直に話したその言葉を聞いた名木山は「...」となりながら静かに俺達を見つめる。

それからメルは「行きましょう先輩。この人とは話をしたくない」と言いながら名木山に対し舌を出してから歩き出す。


「...」


静かな教室に名木山は1人置かれた。

それから俺はその姿を見ながら教室を後にする。

そして俺はメルを見る。

メルは「帰りましょう。最低な奴は忘れて」と言う。

俺は笑みを浮かべているメルに「ああ。...助かったよ」と言う。

メルは「何がですか?当たり前の事をしたまでです。前世なんて笑い飛ばしたら良いんですよ♪」と笑顔を見せた。

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