5、前世の存在の告白
名木山は俺に複雑な顔をしてから...椅子に腰かけた。
俺はその姿を見てから幸春と別れ授業を受け始めてから体育をし。
小テストをしで忙しい中。
4時間目になった。
昼休みになって俺は立ち上がって幸春と一緒に食堂に行こうとした。
すると。
「さっきぶりです♡」
「メル?」
「はい。メルちゃんです。二郎さん」
「二郎って!!!!?」
幸春がまた顎を落とした。
それからその顎を拾ってから「お前マジにふざけんな...」とシスコンっぷりを見せる。
俺は胸ぐらを掴んで目を燃やす幸春にドン引きしているメルを見る。
メルは恥ずかしそうに「はい。お弁当です」と手渡してくる。
「お弁当!!!!?」
「お兄ちゃん。死んで。煩い。ってかそのセリフは二郎さんがするの!」
「ぐぁあああ!マイシスター!!!!!」
「煩いって言ってんでしょうが!」
幸春は思いっきり殴られた。
俺はその姿を見つつ苦笑いでメルに「ありがとうな」と言う。
すると気絶している幸春を床に落としながらメルは「はい♪」と笑顔になる。
そして「その。お願いなんですけど」とメルは俺を見てきた。
「ああ。どうした」
「一緒にご飯食べませんか」
「...え?...あ、ああ」
「良いよね?お兄ちゃん」
「もう勝手にしろ。勝手にしろ。童貞は爆発。自爆する」
いじけながら幸春は足早にその場から泣きつつ食堂方面に走って行った。
俺はドン引きしながらその背中を見送りつつ。
メルと一緒に移動する。
そして屋上のドアを開けてみた。
☆
「はい。二郎さん」
「...これは?」
「これは一口大にカットしたお野菜です。トマト好きなんですよね?」
「あ、ああ。好きだが...」
「はい。あーん」
「うぇ!?ちょ。メル幾ら何でも...」
「良いですか?私達は将来が確約された夫婦なんですから。青春は今現在しかないんです。イチャイチャしないと駄目です」
俺は少し恥ずかしいがメルは全く動揺しないまトマトをお箸で掴んで俺の口に入れる。
間接キスだな。
とは言ってももう俺達は確かに恋人だしな。
そう考えながらメルを見る。
メルは口を開けた。
え。
「口に入れて下さい」
「メル。違う言葉に聞こえるから」
「じゃあそれ以外にどう表現したら良いんですか?」
「はぁ...」
溜息交じりに俺はメルの口にトマトを入れる。
そうしてからイチャイチャしているとメルが「そういえば今気が付いたんですけどご飯粒付いてますよね」と俺の顔をまじまじ見る。
俺は「え?あ、そうか」と取ろうとする。
すると「待った」と制止された。
「私が取りますんで」
「え」
そう思った時。
既にメルは至近距離に居た。
それから俺の顔を掴む。
そしてあろう事か顔を思いっきり俺に近付けた。
顔に付いているご飯を直に食べる。
「お弁当ですね」
「アホか?!」
「えへ。美味しいです」
それから俺は恥じらうメルを見る。
メルは「ねえ。パイセン」と顔を上げる。
そして俺の顔をじっと見る。
メルは水筒を持つ。
それから水を飲んでから俺をジッとまた見てきた。
「お、おう」
「私と誓いのキスしましょう」
「あ!?しかし俺はうがいしてないぞ!?」
「そんなの気にしません」
「...お前は気にするのに?」
「それはまあ。私は仮にも女の子です。ニンニク臭いとかあったら困るでしょ?」
「そうだな...」
メルは目を閉じた。
俺は赤くなりながらメルの頬に片手を添える。
それからメルと唇を合わせてキスをした。
するとメルは「ありがとうございます」と泣きそうな顔をした。
風が吹く。
「私、幸せだなぁ」
「...どういう意味だ?」
「それは二郎さんと一緒だからです」
「...」
俺はメルにハンカチを渡す。
メルは涙を拭った。
そして「えへへ」と俺を見上げてくる。
俺はその姿を見ながら苦笑する。
するとメルは俺の頬に触れた。
それから俺に近付いてから今度はメルからキスをしてきた。
「幸せです。愛してます」
「メル...」
「私ですね。お兄ちゃんが出会った頃から実は二郎さんを好いていました」
「え?」
「...出逢った頃から惹かれてた。...二郎さんは覚えてないかもですけど」
そしてメルは俺の手を握る。
それから「私、幼稚園の時に貴方に会っています」と俺を見る。
は?は?!
「野犬に襲われましたよね」
「あ、ああ。野犬に襲われた事はある。女の子を守ってな。...あれがメルだったか!?」
「はい。少し小太りでしたけどメルです」
「あの頃と印象が違う」
「それはそうです。先輩になった貴方を見つけた時。この学校に行くって決めたので」
「まさかそれで学校を決めたのか?」
「はい。お兄ちゃんから特徴を聞いて...直ぐに確認して」
メルは俺に寄り添う。
それから胸の中に顔を押し付けてくる。
愛おしいという感じで。
俺もメルが愛おしく感じてきた。
「私、幸せ者ですね」
「...もしかして告白を断っていたのは...」
「当然、二郎さんとお付き合いする為です」
「孤独で居たのも?」
「そうですね。全て二郎さんの為です」
メルは「私は一途な女ですから」と笑顔になる。
俺は「...そこまで俺を好きになってくれてありがたいな」と言う。
メルは「はい。...私は浮気しません。そして...私は死ぬまで貴方の傍に居ます」と永遠を誓った。
その事に胸の筋肉から激痛がした。
「...」
「...?」
俺はメルに説明しようと思った。
そして俺は顔を上げる。
「メル。聞いてほしい。...お前は前世というものを、タイムリープを信じるか?」と尋ねる。
するとメルは「タイムリープですか?...はい。二郎さんと一緒の大正時代でも明治でも過去ならどんと来いです」と冗談めかして言う。
俺はそんなメルに「実は...」と説明する。
メルは...浮気の事に、前世に絶句していた。
本気で信じている様な顔をしていた。




