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13、名木山一家

それから俺達は本屋で本を購入してから館内を巡ってから。

生搾りジュースというものがあったので飲んだ。

メルはニコニコしながら俺をずっと見ていた。

俺はその姿に笑みを浮かべる。

そして時間はドンドン過ぎていった。


「そろそろ帰りますか」


メルがそう話した。

俺は「...お前は満足したか?」と聞く。

するとメルは「はい。満足。いえ堪能しました!」と笑顔になってから俺を見る。

俺は「そうか」と言いながらメルに笑みを浮かべた。


「じゃあ帰るか」

「そうですね」


それから帰宅の為に俺達は出口を出る。

そして歩き出した。

その際にメルが「あの。二郎さん」と言った。

俺は「?」を浮かべてからメルを見る。


「その。もし良かったらなんですがまたデートして下さい」

「ああ。それは構わないぞ。幾らでもしよう」

「ですね。ありがとうございます」


そして俺達は微笑みあいながら静かに見つめ合う。

するとメルは手を握ってきた。

俺もメルの手を握り返す。

それから俺達はニコッとした。



それから俺達は解散してから家に帰る。

メルも今日は家に帰宅した。

俺はそんなメルを見送ってから部屋を見渡す。

今日は楽しかったな。

そう考えながら俺は購入した本を見る。

購入した本は大切な記念になった。


「よし」


その様に意気込み俺は天井を見上げるのを止め。

メルとの距離が縮まった事に歓喜しつつ俺は勉強をする。

すると机に置いていたスマホが震えた。

スマホを持って確認すると...名木山からだった。

俺は「?」を浮かべてから眉を顰める。

そして開くと...そこに名木山から(ゴメン。忙しい時に)とメッセージが入っていた。

なんだってんだ。

そう考えながら俺は(何の用事だ)と打ち込む。


(名木山紫紋が私を探していて...)

(名木山紫紋...ああ。お前の妹か)

(...逃げてる)

(名木山紫紋がなんでお前を探しているんだ?)

(逃げた事の腹いせみたいだけど)


俺はその言葉に(成程な)と書く。

それから俺は(それで。俺にどうしてほしいんだ)と言う。

すると(...貴方の家にも行くかもしれないって話)と書いてきた。

その言葉に(なんで俺の自宅の住所を知っているんだ?)と打って送信する。


(奴は。紫紋は多分私達の過去を知っている)


そんな言葉に俺は見開く。

そのメッセージに俺は(なんでそれが言える?)と聞いた。

すると名木山は(ありとあらゆる行動、行為が私の邪魔をしているから)と書いてきた。

俺は(そうなんだな)と返事を書く。


(私は...奴は異常だと思ってる)

(まあな。お前の妹だし異常だろうな)

(ゴメン。そういう事だから)

(...分かった。気を付ける)


それから俺は(もう良いか)と書く。

すると(うん。ありがとう)と返事が来た。

そして名木山は(感謝してる)と書いてきた。


(お前今どこに居る?)

(私の居場所は教えられない)


そして名木山から返事は無くなった。

なんなんだコイツ。

しかし名木山紫紋か。

何を考えて動いているのか...。

そう思っていた矢先だった。

ピンポーンと音が聴こえてきた。

何だよ。


「?」


インターフォンを覗くとそこに見た事がある女子が居た。

まさにその通り名木山紫紋だった。

コイツ...マジに来るとは。

そう思いながら玄関のドアをゆっくり開く。

すると「こんにちは」と満面の笑みを浮かべた少女が居た。


「...」


ポニテにしている少女。

そして元気ハツラツした顔。

八重歯の生えた口元。

アイツとは正反対に近い性格の少女。

間違いなく名木山紫紋だった。


「...誰だ」

「初めまして。こんにちは!名木山紫紋...っていうかあの人から聞いてませんかね?」

「...お前、初めまして、じゃないだろ。初めましては初めて会う人が言う言葉だ。...俺達の間柄はそんなんじゃないだろうが」

「どういう意味ですか?」

「言葉通りの意味だが?」


その言葉に「アハハ。意味が分からないですね」とニコニコする名木山紫紋。

俺は「そうか。まあどっちでも構わないが。お前何しに来た」と名木山紫紋に聞く。

すると名木山紫紋は「おねーちゃんの行方知りません?」と聞いてきた。

俺は言葉に眉をピクッと動かしてから「知らない」と否定をしてから名木山紫紋を見る。

名木山紫紋は「うーん。そうですか?」と悩ましいという感じの顔をする。

その姿に眉をまた寄せる。


「第一先ず俺と名木山めぐみの仲の悪さを知っているだろう」

「そうですか?私にはそんな感じに見えませんでした」

「...そうか。なら教えてやる。俺は名木山めぐみとは関係性があまり良くない。だから行方は分からない」

「分かりました」


それから名木山紫紋は俺に笑顔を見せながら踵を返す。

俺はその姿に「...」となりながら名木山紫紋を見つめる。

名木山紫紋は頷いてからクルッと翻しながら「では分かりました。おねーちゃんを探しているのでこれにて失礼しますね」と言った。

俺は無言で睨む。


「あ、それから。名木山めぐみから色々言われても信じないであげて下さい。あの人、混乱していると思います。家族があの子を引き戻さないとです♪」

「...お前の事は最悪と認識している」

「最悪?やだな。私は最悪じゃないです」


ニコッと笑顔を浮かべる名木山紫紋。

俺は「...だったら良いがな。警察沙汰は止めとけよ」と釘を刺す。

すると名木山紫紋は「はい♪」と満面の笑みを浮かべた。

死の笑みに見えた。

死神が笑っているかの様な。

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