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《 実感 》



私は “生きている事” を実感するので御座います。



いつも褥での旦那様は 穏やかで緩やかな愛し方をして下さいますが、稀に荒々しく雄々しくなる時があって…。



暁に 先にお目覚めになった旦那様が、まだ眠りの中に居る私の顎を 片手で掴みご自分のお顔に向けさせて、いきなり口づけてくるのです。



それは いつものような、ふわりと唇を合わせ お互いの舌を舐め合い絡めるようなものではなく、私の首の後ろに手を添えて 強引に引き寄せ 舌を捩じ込むような、そんな口づけ方をします。



そのような時の旦那様の舌は、まるで私の口を犯すように 歯列に沿って歯茎をなぞり そのまま上下の歯茎を舌で擦り続けてから、私の舌を痛い程に吸うのです。



口づけながら 私の両の乳房を強く揉みしだき 乳首を捻るように弄びながら、ご自分の硬く大きくなったところに 私の手首を掴んで引っ張るように持っていき、激しく手で愛撫するように促されます。



旦那様の そこの先の孔からは透明な液が滴り、それは後から後から出続けて、私が ぎゅっと握り 親指の腹で裏側を撫でたり 括れたところを擦ったりしながら扱くと、透明な液は少しずつ白っぽくなり泡立って 私の掌の中で湿った音を立てるのです。



そして旦那様は 仰臥した私の腰を掴み 脚を乱暴に開かせて、いつもでしたら 私が一番快く感じてしまうところの襞を 舌でそっと割り開きながら ゆっくり舐め上げて下さるのに、敏感な小さい突起を唇で覆うように 全部を口に含み、じゅるじゅると音を立てながら とても速く舌先を動かし 押し潰すように舐めるから、直ぐ果ててしまいそうになります。



けれど旦那様は、未だ駄目だと云いながら 容赦なく舐め続けて…。



荒ぶった旦那様に舐められながら、私は全身の肌に粟を生じてしまうくらい 昂ってしまうのです。



選り強い生殖力を持つ番いを求める、生き物としての本能でしょうか…。



私の両の手首を 旦那様の両の手で手枷のように拘束されて、果てそうなのを我慢している私のそこは、私自身の愛液と旦那様の唾液で 褥がぐっしょり濡れて 染みを作る程に潤みきって、旦那様ご自身も 透明な液が滴り続けている屹立したものを、一気に挿し入れられます。



あまりにも強い快感に 背中が反ってしまい、大きな声で啼いてしまう私を見ながら、旦那様は息を荒げて腰を振り始め、私の中の浅いところや深いところを 括れた部分で擦り上げるように腰を突き動かして、突いて 突いて 突き続け…。

私は、突き揺られ 突き揺られ 突き揺らされ続けて…。



腰を振りながら乳首を舐められ 吸われ 噛まれて、私の乳房の上で旦那様の舌は 何か別の生き物のようにのたくり、また私が果てそうになると 駄目だと制しながら、旦那様は更に腰を振るのです。



くちゅくちゅという水音と 肌と肌が当たる乾いた音に、私の啼き声と 旦那様の息づかいが混ざって響いて…。



振り続けていた腰を急に引き、抜いて出したぬらぬらと濡れて 血管が浮いている旦那様のものを 私の顔に近づけながら、しっかり目を開いて 見ているようにと云われます。



旦那様は 引き抜いたものの代わりに 私の中に中指と薬指を挿し込んで潤々と掻き回し、私の名を呼びながら、屹立して 皮膚が張り 艶やかになっているその先端から精を放つのです。



指先を少し曲げた激しい動きのその指で 掻き回されたり出し入れされて、私も旦那様の名を呼んで、幾度かに分けて迸る精の液を見つめながら、やっと許されて共に果てて…。



その刹那、私は “生きている” と実感するので御座います。



旦那様への 深い愛の情と、生きている実感に涙が溢れそうになりながら…。



荒々しく愛して下さった旦那様は お互いの息が静まってくると、いつも以上に柔和な瞳で私を見つめ 頬を撫でて下さるので御座います。



そのようにして旦那様は、愛を深めながら 私に生きる実感と悦びを与えて下さいます。緩やかな時も荒々しい時も、常に変わらぬ温かな優しい眼差しで…。



今 屋敷の外から、小鳥達の軽やかな鳴き声が聴こえてきます。



障子越しの朝陽を浴びる褥の上、旦那様と素肌で抱擁し合い、小鳥達の歌声に耳を澄まし 心和んでいるので御座います。


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