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鳴上から教祖へ

住人Aから鳴上護へとランクアップしたが急に別な役に変わったがどう立ち振る舞えばいいのかなんてわかるはずがない。

環境の変化に対応できない人間はただ動けなくなるだけだ。

やっぱりモブキャラのままが良かったな・・・・

 住人Aは悩んでいた。

 学校に行こうか行かないか。

 決して風邪というわけではない。

 怪我でもない。

 悩んでいる要因は目の前にあるスマホである。

 かと言って魔改造されてるわけでなく、中のデータが問題なのである。

 そう、たった一つのメールである。

 差出人は「ジュリエット」こと高城三咲である。

 このメールを見られた暁には平穏な学校生活を送ることは叶わぬ願いだろう。

 そして、男子から数多くのバッシングを受けるだろう。

 そんなことは避けたい。

 だから今日は休っ!

「入るわよ!」

 部屋の扉が勢い良く開いた。

 まさか、そんなわけないよな?

「まだ寝てんのかよ。早く行こうぜ」

 そこにいたのは住人Bの千尋であった。

 時計を見ると8時を指していた。

「先行ってるから早く来いよ」

 急いで身支度を終えて追いかけた。

 道中はいつも通り、他愛もない話をして駆け足で学校に向かった。

 学校に着くと謎の視線を多く感じた。

 恐る恐る下駄箱の前に行くと大量の手紙があった。

 驚愕しながらも一つ手に取り読んでみると、そこには脅迫文ではなく、僕のことを教祖としているようにも読み取れる内容だった。

 めっちゃ怖いよ。誰これ?まさか全部こんな感じなの?

 逃げるように教室に行き、静かに扉を開けた。

 物音させずに開けたつもりが一斉にこちらを向いてきた。

 こんなに注目を受けたのは小学生の時の演劇以来だ。

 セリフ一つだったけど。

「なんだか人気者になったな、住人Aさん」

「ちょ、やめてくれよ。死にたくないから」

 周りを見るとぞろぞろと男子たちが寄ってきている。

 一歩、また一歩と後ろに下がっているといつの間にか壁にぶつかっていた。

 殺される。そう心を決めていたら、

「我らの教祖様!お勤めご苦労様です!」

 全員が腰を90度に折り曲げた。

「まさかあの『ジュリエット』をものにするなんて尊敬に値します!」

 昨日まで認識すらされてなかったはずなのに一変して謎の宗教すらできてしまったいた。

 しかもそのトップとか、なにがあったのか。

 人気ものっってこんな気分なんだね。羨ましい。

「と、とにかくいったん離れてよ、ね?」

 そこに追い打ちをかけるように核ミサイルが飛んできた。

「ちょっといいかな?」

 扉を開いたのはジュリエット様だった。

「えーっと、鳴上君だったっけ?ちょっと付き合いなさい!」

 そう言うと強引に腕を引っ張りそのままどこかへと連れていかれてしまった。

「さすが教祖様…期待通りに尻に敷かれている…」

 なんだかあらぬ誤解をされてる気がするな

 ってかその前に全校生徒に悪目立ちしてるな・・・

 住人Aなのに。

「何呟いてるの?もっとしっかり歩いてほしいのだけれど?」

 ジュリエットの上目使いって強力すぎるだろ

「どこに連れてくんですか?」

 ジュリエットは止まり、こちらを振り向き一言、

「もちろん、デートに決まってるでしょ?」

 やっぱり今日、学校に来るべきじゃなかったんだな

 皆勤賞、取りたかったな

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