神宮くんと悲しみ
俺が神宮くんに『嫌だ』と即答で【友達】を断ってから数時間と数分間が経った……。
授業中やその授業前の少しの休憩時間……。
横から凄い威圧感が漂う。
後ろからはクスクスと笑ってる菊地の声……。
【友達】を断るだけで、こんなにもショックなんて起こすなんて……
って、少し驚いた。
だって……所詮、友達。
卒業後にはどうせ、忘れ去られてしまう薄い関係なんだ。
なのに……何でだ?
そんな事を思いながら、授業を受けていると……
隣からスッと小さな紙を渡された。
俺は、それに警戒心を持ちつつも、
隣の神宮くんがチラチラと鬱陶しいくらいに見てくるので、仕方がなくそれを、先生にバレないようにスッと取った。
すると、そこにはメッセージが書かれていた。
"さっきはゴメンな"
"急に【友達】とか言われてびっくりしたよな"
"お前が何で、俺の誘いを断ったかは分からないが何時でも待ってやるぞ"
鏡『……』
神宮くんは、俺がメッセージを見たのを確認すると今か今かと、俺からメッセージの返信が来るのを待ちわびていた。
鏡『(面倒くさっ……)』
面倒くさがり屋な俺は、
神宮くんのご期待には添えず、
たったの平仮名三文字を書きいれて神宮くんに送り返した。
ワクワクしながら、それを見た神宮くんは、
俺からの返信を見た瞬間、
伏せてしまった……。
神宮くん『ボソッ……そんなにキツく言わなくても良いじゃないか……意地悪……』
鏡『……』
俺が神宮くんに送り返した返事……。
それは……
神宮『ボソッ……【だまれ】なんて酷い…………』
そう、【だまれ】の三文字だ。