隣の神宮くん~始~
僕の隣はいつも騒がしい…
僕なんて空気扱いで
何時・何処でも彼の声が聞こえる。
『(うるさい……#)』
彼の存在の性で僕がどんなに迷惑している事やら……。
元:不登校児 だった僕は
勿論、人と接する事が大の苦手。
怖くて話す事もままならない。
友達とか親友とか……
何で必要なのか…
そこらの人達の気持ちが理解し難い。
どうせ、たったの3年間だけじゃないか。
高校の3年間一緒の空間で生活する、
それだけの話。
卒業後には……
皆がみんなお互いを忘れ去ってしまうに決まってる。
それに……
友達とか親友とかは口だけの事で、
良いように使われて
捨てられてしまうのが落ちだ。
なのに……
この隣の奴は
何でこんなに人を寄せ付け平然としてられるのだろうか。
『(変な奴……)』
僕の隣は神宮くんと言って学年……いや、学校中で人気者の彼がいる。
神宮くんは何処か人を寄せ付けるものを持っている。
だから、沢山の女子達は彼でメロメロ。
勉強・運動 共にダントツ良い。
男子からも信頼度が厚い。
そんな神宮くんの事が僕は大嫌いだ。
僕の世界を日に日に崩して行くから……。
僕の楽しい1人という幸せな日常を……。
何の邪魔も入らない、
何からも妨害されない幸せな時間を……。
だから、僕は彼の事を
1人、こう呼んでいる。
【大魔王】と……。