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24話 最強の魔物使いへ

今日、ちょっと時間の関係で先にアップします!

 そして、いよいよ決勝戦の時間が来た。

 観客全員が会場に目を向ける。

 といっても、ある程度、結末は予想しているだろう。

 この巨大なドラゴンを倒せる者などいないし、ましてキャタピラーでは無理だろうと考えてる、そりゃ、そうだ。


 おそらく、フィーナと俺だけが自分たちが勝つ気でいた。


 試合開始。

「ジョージア、行け!」

 相手の魔物使いが命令する。

 ジョージアと呼ばれたドラゴンが突っ込んでくる。


 炎を吐くまでもないと思ったのかな。

 キャタピラーだしひっくり返して、そこを攻撃でもすればすぐに敵は降伏するだろう――そんなことを考えてるんだろう。

 それにさっきの試合で強引に空を飛ばしたのを見てもいるだろうし、不測の事態になるのを避けたかったのかもしれない。


 だが、そいつが近づいた途端――

 俺は糸を全力で吐く。

 ついでに溶解液も。


 それは尻しか出ない。

 だから、俺は尻を向けていたのだ。

 目みたいに見えるものを尻の側に埋め込ませて。


 キャタピラーの顔をはっきり見てなければ前後を一時的にごまかすぐらいはできる。


 あるいはばれていても、どっちみちドラゴンが突っ込んでくる可能性だってあった。


 とにかく、俺は賭けに勝った。

 でも、まだ試合に勝ったわけじゃない。

 もちろん試合でも勝ちに行く。


 すぐにUターンして糸まみれのドラゴンにぶつかる。

 毒ガスは体がデカすぎるから効き始めるまでに時間がかかるだろう。

 悠長なことはしていられない。


 しかし、ドラゴンは早くも糸を破る。


 いや、糸はひっついたままなのだが、粘着力を無視して体を動かしているのだ。


 マジかよ……。こっちの常識が通用しないにもほどがある。

 そして、途端にピンチになった。

 ドラゴンは両手で俺をつかんでくる。

 そのまま抱えられる。


「グレゴール! 逃げ出しなさい!」

 逃げられるわけないだろ!

 抵抗しようにもこっちは足を動かすぐらいしかできない。


 もう、これでこちらの勝つ見込みはなくなっただろうか……。


 しかも、敵の魔物使いは無慈悲な命令を出してきた。

「ジョージア、そいつに喰らいつけ!」


 なんてことを命令するんだろう……。そんなことされたら回復できずに死んでしまうかもしれんじゃないか……。


「グレゴール、もう無理ですよね……。ここは私たちの負け――」


「まだだ!」


 俺は人間の言葉で叫んだ。


「まだ、可能性はある! 一つ、妙案を思いついた!」


 会場の一部がキャタピラーがしゃべった? と変な空気になる。

 そうだよ、俺は唯一無二の存在だ。


「気にするな、ジョージア! そのままやれ!」

 ドラゴンは俺をがぶっと口に入れる。


 うわ、べとべとして気持ち悪い……。

 だけど、まで俺は生きてる。策もある。

 俺はできるだけ体を口の中に入れる。


 さあ、やれ。

 がぶりとドラゴンが俺に噛みつく。

 ほとばしる死の恐怖!


 そして、噴出する毒ガス!!!!!


 そう、毒ガスを口の中で放てば、どうなるだろうか?


 俺の体が揺れる。つまり、ドラゴンが暴れているのだ。


 よし、毒ガスをもっと吸え! 肺に入れろ!


 ドラゴンがむせる。

 よし! 効いてる!

 このまま倒れろ!


 ドラゴンが口を開く。

 俺を吐き出すつもりだろう!

 俺はどうにか口の中に残ろうとする!

 くそ! ここでしのがれたら、もうこっちも手はないんだ!


 そこで最高のアドバイスが来た。


「グレゴール! 糸を吐きなさい!」


 本当だ。

 俺は全力で糸を出す。


 ドラゴンの口の中に。


 ノドを詰まらせたドラゴンが窒息して倒れた。


 その瞬間、俺とフィーナの優勝が決まった。


 これで俺たちが世界一の魔物使いだ!

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