23話 控え室での話
今回、ちょっと短いです、すいません。
決勝までまた少しばかりの休憩をもらえた。
「さて、ドラゴンとはどう戦ったらいいだろう」
「一番困るのは炎ですね。遠距離で焼かれてしまうとどうしようもないです」
「だな。何か対策はあるか?」
ずっとドラゴンのことを考えていたフィーナだから何かあるだろう。
「ないです」
「へ?」
「ドラゴンに勝つ方法なんて全然思いついてないです。いやあ、当たりたくないと思ってたけど、そうもいきませんでしたね~。てへへ」
「てへへじゃねえよ! ここまで来て負けるなんて悔しくてたまらないだろ!」
「そんなこと言われても……敵のドラゴンはLv43という化け物だそうですし……」
「マジかよ、俺たちのLv36より上か……」
「だから優勝候補なんです……。おそらく、世界の魔物使いでも最強なんじゃないかと……」
それは普通にきついな。
「ちなみに世界ナンバー2がおそらく私たちです!」
いや、威張れることではあるけど、今、威張るなよ。
こんな時、キャタピラーならどうしたらいいのか。
自然界なら擬態をしたりするんだけど、トーナメントで擬態もクソもないしな。
絶対に獲物だとして狙われる。
いや。
擬態の方法、あるかもしれん。
それで勝てるかはわからないし、すぐにばれるかもしれん。でも、やれなくはない
「フィーナ、紙と書くものはあるか」
「はぁ? そりゃ、かばんには入ってますけど、まったくいらないでしょ、そんなの」
「あいつらがキャタピラーなんて気にも留めてないなら勝機はある」