綴ら織り詩
人は誰だって、哀しみに触れ、直面し、それでも祈りに変えて歩いて来たよね。
嫌なことだってあるさ。逃れ難いことにも苦しむさ。
けれど、あなたが来た真っ直ぐの純粋な路を、また光りで照らしながら前を見て歩いて。
あなたの背を照らす月光は見守ってくれている。
太陽に顔を向け輝けることを。
天の尊い者達が、光りの内にあるように。
[漣]
南風 愛の漣とその揺れる髪影が
夢カモメ 時の行く心から飛んだ刹那に
ああ 彩りの愛の眩むあの時
ねえ 海辺の馳せる思い
でも 取替えたあの記憶の砦
もう どこにもいない 探してみるの
北の海 愛の引き下がるあの季節から離れ
吹き抜ける 風の撫でる崖から見渡せれば
ああ から回る愛 夢流離いが
ねえ 曇りの空に揺れる
もう 溶け込んでく気持ちだけのこと
でも ここにある 信じているの
[Titan]
その恵を
その感情を
そのよろこびと
大地と空を形成する力を
その衝動を
その天地創造の真理を
誠の光を
海原のその遥かの
生命の雄叫びを
大きな地球の
ガイアの力を
その夜明けと夜と太陽と光
そして感情よ
触れる事の無いあの目を
その口を
血肉を
そして骨と
あの脳天を駈ける感情の爆破と
あの天を駈ける馬を
目覚める宇宙を
そして不変の宇宙の進みよ
宇宙と空を結ぶ馬よ
大地の草を踏みしめるあの音と
声と
艶やかな瞳が見詰める先の
青の海を
オリンポス山脈を駆け上がるときも
タイタンの者達の感情を
万物の一部ずつを任された宇宙と地球の上にいる神よ
冷静とよろこびと怒りと豊かと悲しみとそれらの
隠された無表情と笑顔を
[あなたの腕から]
あなたの顔から見えた
笑顔がうれしくて
あたしの腕から離れた
その体 今に消えるの?
どこからか流れる河
あなたへと向ってく
あなたの手の平こぼれた
水のきらめき受け止め
あたしの頬に落ちる光
あなただけに見えるもので
いつの間にか流れる河
二人だけ泳ぎ着く
さえぎるもの無く漂う
花弁みたいな桜の色
頬の染まる熱は真実で
木を見上げ先の空に
どこまでも羽ばたくのよ
桜の花踊り舞うのよ
朝焼けの桜色は
桜の花と静かに交わり
白い月は最後の星と光ってる
プラチナの光は
ダイヤモンドの光は…愛
[月と雲]
たなびくあの雲は飛んで行く飛行船を
それとなしに囲っていく
月を隠した雲は星を光らせて星座を描き
それらを柔らかな袂で覆っているみたいな
そのくもの姿の女神
星の瞳をめぐらせて飛行船を見守って
金のスコープ掲げる船員
雲の上に来て月光受けるそのスコープは
幻想的な夜の海
そして夜に更ける緑の島をうつして
まどろむ
薄い雲間からさらさらと
いずる
女神の腹部を流れる船は
月の小舟となって進む
地球という名の宙を
[花の香り]
月の姿が隠れている
そして白い花染まる夜の色
芳しい香りを放った月の光は
巡る季節の花添えて
もう小鳥は眠ったか
あの記憶を残して
さざめく風のきよらかさが
瞳を奪う
闇に浮く彼等の影は
闇に浮くあの時間を
留めることを知らせて
それで流れて行く
闇に浮ぶ月の丸は
どこからともなく流れて行く星を乗せて
それでさまよって
輪になって飛んで踊る
花の季節を待ちわびて
長い髪も翻し笑う
笑って香り楽しんで
[深夜]
深夜
ひっそりと
静かに
囁く
頭のなかの
声
静かに
氷みたいに透明な
その声
脳に浮び呼びかける声は
冷静で
うつせみの
心を確固として見ている
白い花の純白さで
闇に咲く
そして
大河の流れへと
瞳を
瞼と睫に心を
耳を傾け目を閉ざす
いずれ鋭い牙を剥き
薄皮を爪で破り誕生する
白い花弁を積らせて舞わせ歩き
そして囁きを耳にする
素敵なその囁きに
微笑む
[静かな時間は]
星の瞬きさえ凍る
心の語りかけのままに
腕を上げて指し示す
瞳上げてあの星を
薔薇の色に佇む
陰の内に立っては
風がそよぐ
夜風が
角が突き刺すオリオンが
プレアデスの心臓見てる
薔薇星雲の先まで
その先まで
だから小舟に揺られて
傾ける
囁く頭のなかの声に
耳をそっと傾ける
静かで
ひっそりとした
心の語り掛けを
[追悼]
心の花を海に供え
心の花を天に捧げ
光の花を被災者の方々の魂にたむけ
多くの人々の祈りが魂を輝きに変えてくれることを祈ります
[蠍と薔薇]
泉の水面を艶やかになで
蒸せる緑の陰に焦げ茶の瞳光らせて微笑を
水の潤いは続く
水の潤いは永遠に続く
薔薇の舞
蠍のダンス
水の潤いは永遠
蠍のダンス
薔薇の舞
愛の雄叫び
情熱の鼓動
薔薇の声
扉は開かれた
誘いのオアシスへ
الرطوبة من الماء إلى الأبد
رقصة عقرب
الرقص من الورد
هدير الحب
نبض من العاطفة
ارتفعت الأصوات
الباب مفتوح
واحة للدعوة إلى
クレオパトラの宴に花開いた
薔薇の香りとオアシスを歩く蠍
月はどこかに落とした羅針盤
それと秤に乗せた心情
ちくたく
それとゆらめきながら動かす
هدير الحب
ほのかな蝋燭は灯っているか
心のうち 瞳の前
そっと当ててみる息吹
Hdyr ạlḥb
そっと手の平から滑らせるたたえた水
月の煌き
それと湖沼に映る満天の星
蠍は毒
薔薇が棘
コブラが牙
泉が潤い
君だけがいざよいを
Ạlrqṣ mn ạlạ̉fʿy̱ Ạlrqṣ mn ạlwrd
シンドバッドの瞳に青映した
海の彼方から吹く悠久の息吹
鳶色の瞳は言った
夜のランタンにも負けない心
エジプシャンマウの手から飛んだ
スカラベが命と太陽のたたえと共に
クレオパトラは足先を浸した
噴水は金の首飾り光らせ
その瞳はローマの記憶
Ạrtfʿt ạlạ̉ṣwạt
ارتفعت الأصوات
薔薇は舞い落ちる
蠍のダンス
薔薇が薫り咲く
مدوية العاطفة
毒のステップ
dwyẗ ạlʿạṭfẗ
猫は悪戯のケラケラ笑い
金の水瓶から流れたのは
Myzwnw ạlrṭwbẗ ạlạ̉bdyẗ
潤いはẠlrṭwbẗ ạlạ̉bdyẗ
ميزونو ال
....الرقص من الأفعى
.... الرقص من الورد
ميزونو الرطوبة الأبدية
رطوبة الأبدية
水の潤いは永遠に続き
水の潤いは永遠に続く
薔薇の舞
蠍のダンス
مدوية العاطفة
الرطوبة من الماء إلى الأبد
رقصة عقرب
الرقص من الورد
هدير الحب
نبض من العاطفة
ارتفعت الأصوات
الباب مفتوح
واحة للدعوة إلى
泉の水面を艶やかになで
蒸せる緑の陰に焦げ茶の瞳光らせて微笑を
水の潤いは続く
[水色の空]
青い恋を実らせるそのため
あたしずっと灰色を生きてた
閉じる心震わせて求める
愛の全てあなたに捧げるの
甘いその予感
素敵な花みたいで
鳥は飛んだ 太陽を受け止め
青い花で灰色など消すの
きよい水色の
空に吸い込まれる愛
ただここに居る その事がしあわせ
物足りなくなったりなどしないわ
だから抱き締めて
胸の高鳴るままに
[花刺繍 冬と春]
紅椿(Camellia)
愛暮れた
雪の上の情熱は
今にも絶えた首みたく
死して尚美麗なあの女の
紅色した唇に
よく似て思えて目を綴じる
愛恐れ
黒い髪をば引っつかみ
彼等も熱を限らせて
死して尚も薄暗き
心持ったあの雪が
女の体を隠してゆくなら
愛暮れて
愛を求めて尽きた俺
匕首当てた首筋に
人の世の憐れをここに
夜空に舞った俺の血は
お前の着物と雪染めて
二人で雪に埋もれ行く
人とはいかに死に行くもの
枝垂桜(Weeping cherry tree)
あなたの背がこうやって
しなっているから美しくて
頬は染まるのよ
唇は香り
そしてほんのり唇寄せる
雛罌粟(Poppy)
雛罌粟だから春に揺れ
禁断の白じゃ無しに良い
風に温かく結果して
風に嬲られ花びら揺らす
あの花はわりとお強くて
どこにでも咲きますのよ
路の横で「今日は」こうべ垂れ
「お天気良くございます」
「ええ。だからあたし嬉しくって」
これで時季へと眠れますわ
蒴果は実となり甘くなる
花刺繍(Flower embroidery)
あの花は 美しく肌を飾ってた
あの花は 甘やかに香り漂わせ
その色で 可憐な蝶を引き寄せた
彼女 花の詩集を 詠いながら
そしてあの骸 囲う花を
季節の花を微笑み見ては
花は死臭を秘密に隠す
腐食の肌を縫うみたいな花びらは
刺繍の態で艶やかなれば
死は生命の始まりになるサイクルで
骸のそら美しきこと
[花刺繍 初夏と秋]
菖蒲(Iris)
あの池に映る僕らの幻想
想い出に
紫の花がよく映えたっけ
君は縞の着物 僕は消し炭
皐月の時期には緑は眩しく
二人の愛も輝いて
輝いて そっと瞬いて
夜には蒼の空見上げては
共に金の星数えてた
菖蒲の影が夜の池に
カエルと共に鳴いて恋う
白梅(Plum)
着物の袂を引き寄せて
日本舞踊を踊ります
扇子は凛と構えては
微笑む目じりが芳しい
梅の花が舞う季節
目白や鶯啼いて停まるは
愛のためか 賞賛のため
紫式部(Murasaki-sikibu)
あの目をご覧よ
ほら 可愛らしい顔をして見てる
花瓶に昨日ね 紫式部をお庭から
手を引き連れていけたのよ
今宵はそれだから寂しかないでしょ
今宵はそれだから可愛くさせてよ
あの色ご覧よ
あなたのどこにも似合う実をして
あたしがいるより似合うかしら
紫式部 花になり それでも惑わす魅力あり
金木犀(Fragrant Orange-colord Olive)
惑わされて引き込まれ
微笑むあなたが金木犀の力を借りて
指をそっと触れ合わす
黄色い花のその先に瞳を交わしあい……
夕暮の色に染まってゆく
そして香りが際立って
木にも垂れ座り握る手は
袂に宵の風入れて
冷えた身震いは微笑みよと言って
甘い香りの先に夜の星
金木犀の香りが近づけた
あなたと私のその頬を
[~FLOWER EMBROIDERY~花刺繍]
薔薇(Roses)
君の唇薔薇の色
それはとても甘いだろう
だからいつでも見つめては
つい顎を取らずいられない
ほら
あちらから聴こえる
ハープの音色
ほら
こちらから鳴らす
クリスタルの音
ね?
僕は黄金の君の髪をば手に
優しく撫でて 微笑んで
百合(Lilly)
あの優雅な河を背にする君は
涼んだ窓辺で微笑んだ
白百合の花を細い手に持ち
茎ほど細いその指は
百合ほど白いその頬は
僕の心を香りの様に追いかけず
芳しさを風に乗せ
僕こそは君を追う蝶になる
金木犀(Fragrant orange colored olive)
誰をも引き寄せ
彼をも惑わす
あなたが微笑み
僕らは近づく
金木犀の力を借りて
黄色い花の先で指先
触れ合わせれば幸せで
ジャスミン(Jasmine)
神秘の愛が夜紡ぎ
駱駝の背中
蛇の目と
あなたが華麗に踊るから
私はこの花香らせて
サシャの向うに透ける月
それらに照らされ舞うのです
紅けし(Poppy)
誰だい毒をお混ぜになったのは
私は誰そを及ばずに一人でやってのけたのかい
悪魔の目に似たその芥子は
充血した目で見てきてる
だた一本の純白の芥子がこちらを見ているわ
清純の態をして引き寄せてあなたは狂乱して惑う
紅の野で花揺れて蛇が伝ってゆくけれど
私の足許すり抜けて あなたの方へ進んでく
幽玄の先のあなたへと 白い微笑みをしていて
染まる私の心はすでに あなたの毒牙に掛けられて
蛇が言付けしたんだって あなたに私が引っ掛かるため
葡萄(Grape)
疑惑無く訪れる
夕陽に染まる君と僕
葡萄の色が心解き
仄かに香る指先に
「無の心を」
暮れてゆく
私の心
それと過去
愛の行方も定まらぬまま
哀の何とすいかりさえ
紛れてく
ふららと揺れる
あれらの詩
唄の嘆きも溺れ行くさま
いつの日にかは笑顔さえ
取り戻す
取り戻したら
日が昇る
また、美しい悦びを愛でていいのだ
淡い爽やかな香りに飛び思い出し
感情のままに心を 緑を 素晴らしさを
[ロクサーヌ]
ロクサーヌはいさよいの感情持て余して惑った。
窓辺で銀の月光に照らされ頬を寄せる白い腕には涙が流れた。
風に触れて冷たくなる髪を、これ以上冷えてどうするのかとカーテンがさらりと撫でた。
「ほら。星が落ち着かないと瞬いている。君が落ち込んでいては適わないよ」
壁這うツタは言っているみたいだ。
蝶の羽根の様にロクサーヌは瞼をとざし、涙が途切れた。
「例えば別れが待つとして、誰が愛を始めるだろう。
例えば終わりがあるとして、誰が生まれを受けるだろう。
私は知らずに生き愛し、終ることで死んで来たのかもしれない。
心が。精神が。感情が。魂を置き去りにして……ねえお星様。
いつか再び始まる時、心が鋼になってますといいのに」
水色の瞳が月を映すほど潤んでいる。
たゆたう心が秘められた悲しみを今は露にされて。
[あなたを好きでいられて]
幻想的な世界の中で
あなたのこと想うたび
胸焦がれるの
あなたのこと見つめるたび
幸せになる
あなたの姿確認すると
笑顔が溢れる
手も 視線も 髪も 頬も 瞳も
胸が高鳴る
あなたを見つけたから
体熱くなる
あなたがいてくれるから
幸せになる
あなたを好きでいられて
声は 歌は 感情は 普段は あなたは
綺麗な風景の中で
[クリスタル]
水の流れる空間は
澄んだ音が鳴り響き
ピアノの旋律響いては
あなたの指が象るは
愛の煌き 世の美麗
硝子の壁先緑揺れ
白樺林が宵の中
ハープも重ね響かせて
私の瞳見つめるは
歌う貴女の その姿
私の心は躍りながら
今にも青の鳥になり
天へと飛んでいくだろう
水の様なソプラノで
愛らしく歌う子供達
背に羽根をつけ舞っている
そこはかとない優しさを
受けて育む 純粋さ
聖域の様なこの世界
銀高杯のその葡萄
彼女へ差し出し微笑んだ
私の心も紫に
彩られては 世の幸福
胸の奥から思うのは
もしもこの愛終わらずに
いるなら私は何になる
[薔薇の世界]
白の世界を教えましょう
それは馨しき純真の薫り
悪戯な赤の薔薇ならば
秘められた先へ妖精が行く
朝露の降りる蒼い空の下は
たとえば秘密の憩う場所
白の世界はるゆやかに
花開いては云うのでしょう
愛らしいピンクの薔薇には
あの妖精が隠れてる
[色観]
緩やかに歩き出す
その季節は心も軽やかにステップして
私達は 自己を薫らせながら生き
花は 魅惑の微笑を香らせ春を往く
心は 雰囲気の風を感じて目を見張り
そして和やかに笑う
白は何に染まることもありえて咲き美しく
夜は宵色にしんみりと
朝は曙の優しさに包まれ
昼は純白を楚々と染み入らせ
夕べは紅の中に居る
人はなんともいちどに多くに染まるだろう
恋に 愛に 情熱に
この日の空は何に想って染め上げよう?
温かな陽射しに凛とした木立は
どこまでも澄んだ空に手を伸ばし
どこまでも繊細な枝を受け止めて……
飲み込まれるのだろう 遥かな時に
悲しげな風だろうか
いいえ 護りの風
そして町を包んでは戻って来る
葉を乗せた風 花びらを乗せた風
自然の恵みがもたらす美
夕陽は優しいヴェールを伸ばす
染井吉野の咲き乱れた空は
[百花繚乱の美]
咲き乱れる花の季節から
雫の落ちる季節でございます
潤う地球のこの時季は
夏への紡ぎにあればこそ
[純白の花]
鎮まって あなた達よ
温かく 魂を
恐怖を拭い去って
輝いて 命よ……
温まって魂よ
光に その中に
安らいで頂けたなら
幾億もの涙に変えて
手を合わせて想う
多くの命が遺された人々の中に
どうか鎮まるように
[花のよろこび]
清らかな純白
蒼に染まり
神秘の群青
夜の鳥が 美しく啼く……
輝きの 青の星
静に夜空に煌いて
想う 想う 大切なことを
ひとたび想う
[貴方の影]
「貴方にだけ見詰めて」
貴方にだけ見詰めて
貴方にだけ愛して
貴方にだけ心開いて抱きしめる
貴方にだけ見つけて 愛し合うの
*
「貴方の瞳 見上げて」
あなたの瞳が 鳶色に輝いて
貴方の声が 緑の風をかすめて
雲の彼方から太陽の光が
差し込むように笑ってる
*
「貴方と歩く」
前だけを見て歩いて
貴方と手を繋いで 進んで 行くのだろう
その手を伸ばして
鳥のごとく心飛ぶの
*
「見上げれば銀の波」
空の彼方から 星が流れて来る
銀色の波に乗る月光の先よ
心の故郷は何処にあるというのか
透明に潤い輝く 水の様に
清らかに貴方は
星の輝きとともに瞬いて
[夜の月に雲の錦]
昨夜、月を見上げていたのですけれど
薄くたなびく雲の先、光る黄金色が美しくございました。
なので、眠りへ入る前に思い浮かんだ言葉をこちらに。
灰色の夜、優美な曲線を描く橋から、月光が差し込み鮮明に光る河、両翼の静かな町
それがこの詩を読んでいる時に浮かんだ情景です。
その上には、まるで錦のような雲が月光に光っているという情景。
優雅にながるる時 さやか
夢かうつつの間際がゆれて
風吹くわが身はまぼろしか
重なりますは一見の妖
艶美なる白 純粋の
惑わしたるはあなたの気持ち
されど越えねばならぬ光は
偶さかの月のもとに広がる
扇のごとく銀波金波の百景かな
いずる星影 雲ちぎれひかる
あたかも錦か 天ゆく金箔
[静寂の時]
眠る小鳥を照らすのは星
葉陰に隠れておやすみなさいね
夜風もそっと吹くでしょう
星座も移動しますでしょう
木の下の花もこうべを垂れて
静かに眠って夢のうち
梟と蜘蛛は獲物を捕らえて
蛇はとぐろを巻き眠る
声が聴こえる? 小夜鳥の
恋しくて闇に響く囁き
静かな閨で 窓の深みで それでも明り降り
私の内側
おやすみなさいね
希望を捨てないで。
心を失わないで純粋なままで。
四季が巡り続ける美しい地球とともに微笑んで。
笑顔になれたら、歩きましょう。
あなたの信じる人と。私の信じるべき人と。