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銀風高校恋物語  作者: 助三郎
シナリオ本編
7/19

2. 文化祭 伽音ルート

(メイド喫茶らしいかわいいBGM)


伽音(きゃおん)

「おかえりなさいませ、ご主人さま。お嬢さま。本日はカップケーキが用意しておりますが、いかがですか?かしこまりました。少々お待ちください。

ふぅ。4番テーブルにケーキ1つお願い。あー。なれない言葉を使うのって難しいわ。」


≪タカシ≫

「ほい、一丁。だろうな。でも案外、様になっているぞ。」

≪伽音≫

「ホント?そうかなー。なんか自信出てきたなぁ。あ、これを運べば当番の交替だから、約束通り一緒に他をまわろうね。」

≪タカシ≫「了解―。ほれ、行って来い、メイドさん」



≪伽音≫

「ごめん、お待たせ。交替してもらったんだけど、この服のまま周れって言われちゃった。って、あれ。タカシもどうしたの?執事服なんて着ていたっけ?」

≪タカシ≫

「いや、さっきまで普通にジャージだったんだけど、「外に出る時はついでに宣伝もして来い」だそうで。この服、背中に宣伝用の張り紙がついてるんだ。」

≪伽音≫

「ふふふ。そうなんだ。なんか似合っているよ。うん、カッコいい。え、嘘じゃないよ。ホントだって。じゃあ、行きますかー。

 あ、チョコバナナ売っているよ!あっちには焼きそば。あー。クレープも捨てがたい。どれにしようかな。全部食べたいな。うーん、悩むなぁ。」


≪タカシ≫「お前、食べてばっかりだと太っちゃうぞ。」

≪伽音≫

「太らないもん…きっと太らないもん。これからは食べても横じゃなくて縦に大きく伸びていく予定だから大丈夫なの。」

≪タカシ≫

「うん、そうか。難しいと思うけど、頑張れ。でも、全部は食べ切れないから、半分ずつにしようぜ。オレも食べたいし。あっ、これください。」


≪伽音≫

「え、タカシと半分。へへへ。うん。半分っこしよう。なんか小さい頃に戻った気分。相変わらず優しくて、全然変わらないんだね。なんだか嬉しいな。」


≪タカシ≫

「ほら、なににやにやしているんだよ。クレープのクリームが落ちるぞって、おっとっとっと。あむっつ(食いつく)」


≪伽音(心の声)≫

「んんっ―(声にならない照れと驚き)。か…かっ、間接キッス!」


≪タカシ≫

「そんなに無言でオレがかじったところを見ているなよ。悪かったって。ほら、代わりにこのチョコバナナあげるから。食べかけだけど…」

≪伽音≫

「えっ、じゃぁ、」

奇瑠美(きるみ)

「いっただっきまーす。あむ。うーん。チョコレートの甘い感じとタカシくんのビターな心がマッチングして、美味だわ。」


≪タカシ≫

「うわっ。びっくりしたなー。なんだ、奇瑠美(きるみ)先輩か。近くにいたら一声かけてくださいよ。危うく手まで噛まれるかと思ったじゃないですか。」

≪奇瑠美≫

「へっへー。なんかおいしそうな匂いがしたから、こっちに来たら執事のタカシくんがいるじゃない。これはおいしく召し上がらないと!なんて。」

≪タカシ≫

「おおっ…と、寒気が。あれ、伽音、どうした?なんかわなわな震えているぞ。」


≪伽音≫ 

「わなわなわなわな…ぷっちーん。もう怒ったぞー。

せっかくのタカシと半分っこデートなのに邪魔をしないでくれませんか。クレープも、タカシも、チョコバナナも、全部私のなんです。この焼きそばも、タコ焼きも、じゃがバタも、タカシも、ぜーんぶ私のなのっ!奇瑠美先輩はアゥェイなんですー。それでは、さよなら。ほら、タカシも行くよ。」


≪タカシ≫「って…伽音どうした。ちょっと待てって。」

≪奇瑠美≫

「一体全体どうしたっていうのさ。ぷっちーんしてタカシくんを引きずって行っちゃったわよ。

ははーん。いつものジェラシーと、チョコバナナを食べられたショックで大爆発しちゃったのね。食べ物の恨みって恐ろしいわ。」


≪タカシ≫

「ちょっと、ねぇ、伽音。ちょっと待てって。引っ張って前を歩いているだけじゃ、オレは伽音に対してどうすれば良いのか解らないよ。ちょっと止まって話そうぜ。

あれだろ。伽音は、『先輩にちょっと言い過ぎちゃったかも』って思っているんだろ。奇瑠美先輩ならそんなこと気にしてないと思うけどな。」


≪伽音≫「タカシはそう思う?」

≪タカシ≫

「うん。オレもチョコバナナ食べられた時はびっくりしたけど、おいしそうに食べていたから別にいいじゃんか。クレープもチョコバナナもまた新しいのを買えばいいよ。」

≪伽音≫「(小声で)タカシのばか。」


≪タカシ≫「あ、射的やっている。へぇ、ここの高校の文化祭っていろいろあるんだなー。伽音、どれが欲しい?取ってやるよ。」

≪伽音≫

「上から2段目の右から5番目。うさぎのぬいぐるみ。」

≪タカシ≫

「ってつまりド真ん中の、一番大きくて一番取るのが難しい景品ってことね。うーん。あれって取れる人がいるのかね。-てぇい。」

≪伽音≫

「壊滅的に当たりそうもないけど。って言うか、それ以前に鉄砲の持ち方も違っているし。タカシは射的をやった事あるの?」

≪タカシ≫

「ん、ない。っと、またはずれ。あと球一個かー」

≪伽音≫

「えっ、初めてだったの?なんか自信ありそうに聞こえたから、わざと難しいやつを選んだんだけど。

もう、何でもいいから。ほら、集中して。良く狙って。呼吸を置いて、いまよ。引き金を引くっ」


(当たった時に店員さんが振ってくれる鐘の音)


≪伽音≫

「きゃー。当たった。タカシ、どうなの。景品は何が当たったの?倒れたのが何だったか見えなかったのよね。」


≪タカシ≫

「んー。うん。あのぬいぐるみと違って小さいものになっちゃったなぁ、って。」

≪伽音≫「いいから見せて。」

≪タカシ≫

「じゃぁ、伽音。手を出して、目をつぶって。オレが良いよって言うまで絶対開けるなよ。」

≪伽音≫

「んっ。これで良い?え、なにこれ。ねぇ、目を開けて良い?って、ねぇ、タカシー。タカシそこにいる?ちょっと、全くもう。もう開けても良いわよねー。って、うぁー。ハート型のネックレス。え、これ私に?」


≪タカシ≫

「(遠くから)もう交替の時間だぞー。先に行くぞー」


≪伽音≫

「はーい。今行く―。ったく、ほんとに昔から変わらず恥ずかしがり屋なんだから。ふふふ。ありがとう。大切にするね。」


≪文化祭 伽音ルート おわり≫

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