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銀風高校恋物語  作者: 助三郎
シナリオ本編
5/19

1. 体育祭 雅ルート

(体育祭っぽく運動会のBGM。遠めで)


≪タカシ≫

「こんな日差しが熱い日に、好き好んで体を動かすなんて考えられないね。クラスのみんなには悪いけど、俺は日陰で先生とゆっくりティータイムと行きますかねー」


(引き戸が開く音)


≪タカシ≫「こんにちは~。雅先生いますか~」

≪雅≫「すぅすぅ…」

≪タカシ≫

「ってなんだよ。先生はお昼寝中か。外では可愛い生徒達が転んで怪我しているかもしれないっていうのに、本当に先生なのかよ。相変わらずマイペースだなぁ。」

≪雅≫

「うーん。むにゃむにゃ。そこよー。がんばれぃ~」

≪タカシ≫

「ははは。夢の中で応援しているよ。っしかし、まぁ、目上の女性の寝顔をじっくり見てしまうのも悪いけど、雅先生って睫毛長いな。」

≪雅≫「うん。うーん。ふぁぁ。あれ、タカシくん」


≪タカシ(心の声)≫

「やべっ。起きちゃった。しかもなんだ、この覗きこんだままの体制は。顔近っ」


≪雅≫ 「あら、だめよー。タカシくん。いくら盛んのお年頃でも、先生の唇は、お・あ・ず・け。」

≪タカシ≫「寝起きの言葉がキケンだっ!」

≪雅≫「さぁ、続き、イってみる?」

≪タカシ≫「どんな夢みていたのさ。このキケンな保健医はっ!」


≪雅≫

「うーん。日差しがぽかぽかだから、ついうとうとして、すぅすぅ寝ちゃったわ。体育祭は順調に進んでいるようね。保健医が暇なのが、一番平和なのよー。」


≪タカシ≫「先生の夢の方がキケンな気がしますよ。」

≪雅≫

「んー。何?タカシくん何か言ったかしら。はぃ、冷たい麦茶がいいわよね。どうぞ。」

≪タカシ≫「何も。ありがとうございます。」

≪雅≫

「お菓子もどうぞー。今日のクッキーには1つだけハズレがあるのよ。」

≪タカシ≫

「へぇー。面白いですね。ハズレと言うと、1つだけ辛いのが入っているロシアンルーレットみたいなやつですか。形も凝っている。これ、全部人型ですよね」

≪雅≫

「そう。良くわかったわね。タカシくん。中にはちょっぴり辛いハバネロが入っているわよ。」

≪タカシ≫「人型クッキーに、中身はハバネロの赤…」

≪雅≫

「もちろん。ハズレはハバネロなしの普通のやつよー。さぁ、気をつけてー。パリン。あー残念。先生がハズレを引いちゃった。てへっ☆」

≪タカシ≫「先生の中身は真っ黒ですか」



奇瑠美(きるみ)

「雅先生―。いるー?あれ、なんだ。タカシくんもいたの。」

≪雅≫「あらあら。奇瑠美さん、どうしたの」

≪奇瑠美≫

「うちの部員の子が日差しにやられちゃって、少し休ませてあげてもいいかな」

≪雅≫

「あら、いいわよ。そこのベッドを使いましょう。ほら、こっちで休んで」


≪奇瑠美≫

「あらー。もしかして、甘いティータイムの邪魔をしちゃったかしら。あら、雅先生が作ったクッキーね。おいしそう。いただきますー。パリッ。うわっ、辛いっ!飲み物…って麦茶じゃ辛さが収まらないじゃん。苦い、辛い。」


≪タカシ≫「まさに、その状態になる寸前でした。先に体現してくれた奇瑠美先輩に感謝。」

≪奇瑠美≫

「ごくごくごく。ぷはー。雅先生っておっとりしているようで、お腹の中で全く別のものを飼っているからね。あーやって、保健医の仕事をしている時は凄い頼りがいのあるお姉さんなんだけど。働く女性って感じで綺麗だし、憧れちゃうなー」


≪雅≫

「奇留美さん、もう彼女は大丈夫よ。炎天下はなるべく避けて、こまめに水分を取るように気をつけていてね。もちろん奇留美さんも。」


≪奇瑠美≫

「はーぃ。先生ありがとう。タカシくん、じゃぁ、私は戻るね。あ、なんだっけ、いつも保護者みたいに貴方について回っている、ちっちゃい女の子。あの子が探していたわよ。」

≪タカシ≫

伽音(きゃおん)が俺を?あ、そうか。もうすぐ俺の出る種目か。面倒くさいなぁ。よいしょっと…あれ」

≪雅≫「タカシくん、どうしたの。」

≪タカシ≫「いや、ちょっと…立ちくらみが」

≪雅≫「え、ちょっと見せて…きやっ」



≪タカシ≫

「あいてててて。頭打った。って、ちょっと、雅先生どこ乗って…」

≪雅≫

「うーん。貧血の方は大丈夫そうね。熱も、これなら平常値だわ。よかった。急に立ち上がったから立ちくらみをしちゃっただけね。ホッとしたわ。」

≪タカシ≫

「冷静に診察していないで、早く下りてくださいよ。生徒の上で馬乗りなんて、誰かが見たら誤解しちゃうじゃないですか」

≪雅≫「はいはーいー。どーどー。」

≪タカシ≫

「だから、俺は馬じゃないし、体操着も捲らないっ」

≪雅≫

「あら大変。タカシくん、顔が赤くなってきたわ。熱が出てきたのかしらー。ほら、聞こえる?心拍数だって、だんだん早くなってきているわよ。うふふふふ。何でかしらね。先生が教えてあげましょうか。」


≪奇瑠美≫

「はいはいー。ちょっと待ったー。ストーップ」

≪タカシ≫

「奇瑠美先輩。良く戻ってきてくれました。」

≪奇瑠美≫

「いやー。外が暑かったんで、もう一杯麦茶をもらおうかなーと戻ってみたら、面白そうなことになってるじゃない。私も参加させてもらおうかしら。」


≪雅≫

「あらあら。もうこんな時間。早くしないと集合時間に遅れるわよ。

もし転んだりして怪我をしたら、すぐに先生のところに来なさい。もっと優しく、さっきの続きをしてア・ゲ・ル。」

≪タカシ≫「間に合ってます!」


(ドアを勢いよく閉める音、ドタバタ廊下を走る音が次第に消えていく)


≪雅≫

「ふふふ。元気いっぱいがなによりね。あんなにヨタヨタ走っちゃって。可愛い。」


≪体育祭 雅ルートおわり≫


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