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銀風高校恋物語  作者: 助三郎
シナリオ本編
4/19

1. 体育祭 奇瑠美ルート

(運動会らしいBGM。少し遠めで)


≪タカシ≫

「ふぅ、なんとか伽音(きゃおん)をまいたぞ。あいつ、種目でひっぱりだこだから抜けだすのもいつもより簡単だと思ったんだけどなー。オレが応援席にいないとすぐに探しにくるんだから。幼稚園の先生かっって」


奇瑠美(きるみ)≫「あー。タカシくん発見!」

≪タカシ≫

「奇瑠美先輩。あれ、さっきまで種目の実況をしていませんでしたか。」

≪奇瑠美≫

「あーあれね。飽きたから放送部にマイクを返してきた。」

≪タカシ≫

「マイクを勝手に取ってやっていたんですか」

≪奇瑠美≫

「実況のなんたるかを、用意された文面だけしか見ていない放送部に教えてきたのよ。そんなことより、タカシくんは何をしているの?種目はでるものあるの?」


≪タカシ≫

「オレはプログラムの後半にある二人三脚まで暇を持て余している感じです。」

≪奇瑠美≫

「よっし。ついてきなさい。先輩が面白い事を教えてあ、げ、る」

≪タカシ≫「なんか嫌な予感が…」


≪奇瑠美≫「さぁ、さぁ。よいではないか。」

≪タカシ≫「っ先輩、オレ、こんなの初めてでっ」

≪奇留美≫「恥ずかしいのは最初だけよ。ほら、脱いで」

≪タカシ≫「んぁ、どこ触っているんですかっ。くふっ」

≪奇留美≫「あらタカシくん。意外と良い体をしているじゃない」

≪タカシ≫「うぅ、先輩、オレ初めてでっ」


≪伽音≫

「さて―、何をしているのかしら。このアホ2人は」

≪タカシ≫

「伽音、たったすけてぇ。なんかいろいろと、ヤられる」

≪奇瑠美≫

「ちっ、邪魔者が来たか。あなた種目はどうしたのよ。」

≪伽音≫

「応援席にタカシの姿が見えないから、すぐに終わらせましたよ。まさか体育倉庫でこんなことになっているとは予想していませんでしたが。って、タカシなにその格好。」


≪奇瑠美≫「今はチアガールのタカ子ちゃんよ」

≪タカシ≫「伽音、見るなっ。見ないでくれ―。」

≪伽音≫「案外似合っているのが一層生々しいわー(棒読み)」

≪奇瑠美≫

「よっし、このポニーテールのかつらをかぶせれば、ほら、普通の可愛いチアガールの出来上がりよ。さぁ、私と一緒に、応援合戦という大舞台へ羽ばたきましょう。」


≪伽音・タカシ≫「応援合戦?」

≪奇瑠美≫

「そう。私達演劇部がメインで応援のパフォーマンスをすることになっていたんだけど、チアガール役の1人が日射病で倒れちゃって、代役を探していたのよ。そんな時にタカシくんと丁度逢って、しかも後半まで暇と言うから、これはチャンスと思ったわけよ」


≪伽音≫

「応援席で大人しくしてなかった罰ね」

≪奇瑠美≫

「改めてお願いするわ。ちょっと人助けと思って、手伝ってよ」

≪タカシ≫

「まぁ、用があるわけでもないですし、別にお手伝いしますよ。ただ、この格好はちょっと」

≪奇瑠美≫

「解ったわ。写真撮らせてもらったらすぐに着替えていいから」


ぴろぴろぴろーん(携帯シャメ音)


≪伽音≫「よし。良く撮れている。」

≪タカシ≫「伽音、おまえまで」



≪奇瑠美≫「以上が応援合戦でやる内容よ。覚えた?」

≪タカシ≫「はい、なんとかついていけそうです」

≪奇瑠美≫

「大丈夫。私たちがなんとかフォローするから、貴方は後ろの方で前列の人の動きをまねていればいいわ。これからが本番よ。みんな、間違ってもいいから笑顔のチアガールを演じましょう」



≪奇瑠美(心の声)≫

「想像するの。ここは私達のステージ。観客席は満員。拍手の嵐。オーケストラの演奏を聴きながら、軽くステップを踏むの。同じステージの相手役には、少し頼りない後輩の貴方。少しつたないステップだけど、必死で踊りきろうとする真剣な眼差しが眩しくて、その貴方の隣で私もスポットライトに照らされていたい。」



≪タカシ≫

「ふぅー。なんとか乗り切ったな。ギリギリまで奇瑠美先輩に詰め込まれたおかげで間違えていても、そんなに目立ってなかったぞ。」

≪奇瑠美≫

「お疲れ様、タカシくん。はいコレ、お礼ね」

≪タカシ≫

「お疲れ様です。ありがとうございます。丁度喉が渇いていたところだったんですよ。いただきます」

≪奇瑠美≫「付け焼き刃にしては、うまくできていたわね。上出来よ。」

≪タカシ≫

「奇瑠美先輩が付きっきりで教えてくれたからですよ。先輩の教え方は判り易かったです」

≪奇瑠美≫「えっ(赤面)そう、なの、かな。私、教え方上手なのかな」

≪タカシ≫「先輩?」

≪奇瑠美≫

「私ね、卒業したら、芸術大学に入って演技の勉強を積んで、舞台演出家になるのが夢なの。私が作品の監督になるの。そして、舞台を観に来てくれた観客に、笑顔になって帰っていってもらいたい。「愉しかった。次の作品も楽しみだよ」って言ってもらえるようになりたいんだ」


≪タカシ≫

「少し意外でしたね。奇瑠美先輩はいつも前線で活躍する主演女優を狙っているんだと思っていました」

≪奇瑠美≫「ははは、なんか似合わないかな」

≪タカシ≫

「いや、とても素敵な夢だと思います。今でも演劇部の演出をしているのは奇瑠美先輩ですよね。いつも先輩の舞台、面白いし、次もみたいなぁって思います。さっきの演技前だって、みんなに指示を出している姿の奇瑠美先輩、すっごく格好良かったですよ」


≪奇瑠美≫「うれしい事言ってくれるじゃないの」

≪タカシ≫「き…奇瑠美先輩?」

≪奇瑠美≫「ありがとね」


≪伽音≫

「あーーーーっ。ちょっとタカシ、離れなさいよ。って、あなたいつまでそのチアガールの格好しているのよ。」

≪タカシ≫

「きゃっ、きゃおん。な、なんか、からだがしびれてうごけないぃ」

≪伽音≫

「まさか、先輩。タカシに変なものを飲ませたりしてませんよねっ」

≪奇瑠美≫

「ほんと。あなたはお邪魔虫さんねぇー。いっつも良いところで入ってくるんだから。あともう少しで「タカ子ちゃんゲットだぜ!」ができるところだったのにぃ。ぷんぷんー。少しくらい先輩に譲りなさいよ。というか、先輩に献上する気でいなさい。」


≪伽音≫「絶対いやですー。いつだって邪魔してやりますー。」

≪奇瑠美≫「あ、タカシくんが青い顔して泡吹いている」

≪伽音≫「え。タカシ、タカシーーーっ」


≪体育祭 奇瑠美ルートおわり≫


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