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銀風高校恋物語  作者: 助三郎
シナリオ本編
3/19

1. 体育祭 伽音ルート

(運動会らしいBGM。なんか走る競技の真っ最中)


伽音(きゃおん)≫ はぁっはぁっはぁっ…(息を切らしながら)

(ゴールの音)


≪雅≫

伽音(きゃおん)ちゃん、早い!絶好調ね。パン食い競争の次は綱引きに、さっきは学年クラス別リレー。出場する種目すべてに1番を取っているわ。素晴らしいわね。」

≪伽音≫

「(息を切らしながら)雅先生、ありがとうございます。私、足が速い事だけしか取り得がなくて。クラスのみんなの期待を裏切らないように頑張らないと。」

≪タカシ≫

「伽音ってすごいな~。どこに連続して種目に出られるほどの体力があるんだ?」

≪伽音≫

「タカシが体力ないだけでしょ。昔から運動が苦手な貴方の分まで私が出ているのよ」

≪タカシ≫「面目ありません」

≪伽音≫

「あぁ、ねぇ、タカシ。あのね。このまま頑張って、優勝できたらね。あとで何かご褒美ちょうだいよ」

≪タカシ≫「ご褒美か…。うーん。考えておくよ。」

≪伽音≫

「やったぁ。じゃぁ、次の種目に行ってくるね。」

≪タカシ≫「おう。期待しているぞ」

≪伽音≫「うん、任せてよ」

(2人の間でハイタッチ)



≪伽音(心の中)≫

「応援してくれるみんなの為、ほめてくれる先生の為、期待して待っていてくれるタカシの為に私はこの種目を勝たなきゃ。負けられない。負けたくなんてないんだから。」


≪タカシ≫「あぶないっ―」ドサッツ(倒れる音)



≪雅≫ 

「伽音ちゃん、大丈夫?足首が腫れて熱を持っているわね。すぐに冷却をしましょう。」

≪伽音≫

「大丈夫です、雅先生。私、みんなのところに謝りに行かなきゃ。イタッー」

≪雅≫

「無理してはだめよ。転んだ後も起き上がって走り続けて、3位になったじゃないの。十分に素晴らしい結果だわ」

≪伽音≫

「それでも。―それでも、私、任せてって言っちゃったから。タカシが、期待してくれていたのに、それを果たす事ができなかった。これからも、いくつか種目、残っているのに、私、こんなのになっちゃって。走れないよ。痛いよ。先生、私、悔しいよー。」


≪雅≫ 「伽音ちゃん…」


≪タカシ≫

「おーい、伽音。大丈夫か。なんかものすごくこけてたな」

≪伽音≫「た…タカシ。こないでよっ。見ないで。」

≪タカシ≫

「伽音、お前、泣いているのか?…珍しい」

≪雅≫

「こら。タカシくん。女の子に向かって失礼よ」


≪タカシ≫

「いや、それはごめん。でも、伽音、聞いてくれ。お前がこれからでるハズだった種目はクラスのみんなで分担する事になった。みんなお前に頼り過ぎて無理をさせてしまった事に対して反省している。オレもだ。プレシャーかけすぎた。悪い。」


≪伽音≫

「私も、自分の体力も考えずに何でも受け入れちゃっていたから、迷惑をかけちゃったね。ごめん」

≪タカシ≫「これでお前はゆっくりと応援できるな」

≪伽音≫

「うん…、あっ、タカシ。後半のプログラムにあった二人三脚はどうなったの。」


≪タカシ≫

「あぁ、俺と伽音でペアを組むはずだった種目かー。伽音の代わりに他の女子がやってくれるのかなぁ。オレとしては相手が伽音じゃないならやりたくないなぁ。」

≪伽音≫

「タカシ。やろう。二人三脚。私、少し休めば大丈夫だから。私も他の女の子とタカシがやっているところ見たくない。」

≪タカシ≫「ん?ん―ん。まぁ、いいか。」


≪雅(心の声)≫

「うーん。伽音ちゃん、少し勘違いしているかもね。タカシくん、多分、監視役の伽音ちゃんが見てないからって他の人に頼んで、代わりに出てもらう気で言った言葉だと思うわ、あれ。」



≪伽音≫

「準備は良い?私と組むって事は、優勝を狙っていくんだからね」

≪タカシ≫

「おぉ。ついていけるように頑張るよ。お前も無理するなよ。痛かったら言え。」

≪伽音≫「うん。宜しくね」


バーン(スタートの音)


≪伽音(心の中)≫

「いっつー。まだ地面につくと足首が痛む。思ったよりスピードを出せない。でも、タカシと一緒だから頑張らなきゃ。しっかりしなさい、私。」

≪タカシ≫

「伽音、大丈夫か」

≪伽音≫

「ううん、あと2組。あと2組抜かせば勝てる。―きゃっ」

≪タカシ≫「おっとっととお」

≪伽音≫「タカシっ」

≪タカシ≫「キャッツチ!って、紐は外れていないよな…これはセーフ?」

≪伽音≫ 「なんだかわからないけど、いけー、タカシ」

≪タカシ≫「よーし、オレの本気をみろぅ」


(ゴールの音)


≪伽音≫

「って、なんで順位が下がって5位なのよ。2組に抜かされたじゃん。威勢が良かったのは最初だけじゃないっ」

≪タカシ≫

「お前、人が抱えて走ってやったのに、そこまで怒るか。思ったより伽音が重くて走れなかったんだよ」

≪伽音≫

「重かったですってー、ムキーっ」

≪雅≫

「そうねぇ。運動が苦手なタカシくんだから伽音ちゃんを抱えて走るなんて、一時はどうなるかと心配していたのだけれども、ちゃんと走れてよかったわね。先生、ほっとしたわ。

 二人三脚の点数が悪くても、プログラム前半の伽音ちゃんの出した得点と他の生徒の頑張りもあって優勝できたのだから、結果オーライなのかしらね。」


≪伽音≫

「よし、決めたっ。タカシ、約束通り私にご褒美ね。文句は言わせないわよ。今から私を背負って教室に帰りなさい」

≪タカシ≫「えぇっ」

≪伽音≫「ほらっ。来年の体育祭の為に体力づくりよ」


≪雅≫「あら、なら私もまぜてもらおうかしら。よいしょっと」

≪伽音≫「あー、雅先生~。」

≪雅≫

「ふふふ。いいじゃない。減るものではないわ。負荷なら増やした方が効果的よ。」

≪伽音≫

「うぅ。でもぉ、これは私だけのご褒美で、あっ、こらタカシ、逃げるなぁー」



≪体育祭 伽音ルートおわり≫


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