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銀風高校恋物語  作者: 助三郎
番外編
18/19

4.クリスマス 雅ルート

雅ルートは、「外出する」→「お茶を買う」→「家に帰る」で発生しますw

(ジングルベルの音楽と街のざわめき)

(コンビニの退店音)


≪タカシ≫


「ううぅ、外は寒っ。今日は一段と冷えるな。一応、独りでもクリスマス気分に浸ろうかとコンビニに出て来たけれど、失敗したなー。結局、お1人様ケーキをレジに持って行く勇気がなかったから、普通におにぎりとお茶を買ったし。広場に人が集まっているみたいだけど、寄り道もせず帰るか」


(おにぎりの袋を開ける)


≪タカシ≫

「今夜は星がキレイに見えるようになったなぁ。はむ。はぁー。なんだろうなー。おにぎりの安定のうまさ。やっぱりオレは日本人だわ。誰かの聖誕祭なんてしらねーわ」


(クラクションの音)


≪タカシ≫

「なんだなんだー。赤いスポーツカーが目の前に止まったぞ。オレにそんな車に乗る知り合いなんて、」


≪雅≫

「あら。タカシくん、こんばんは。お出掛けかしら」


≪タカシ≫

「雅先生だ。はい。家に何もなかったのでそこのコンビニで夕飯を」


≪雅≫

「夕飯っておにぎりだけなの?野菜は?お肉とか。他には」


≪タカシ≫

「ないですねー。男子校生の一人暮らしなんてこんな感じですよ。万年金欠ですから。そんな困った顔をしないでくださいよ。ははは。保険医の先生にバレちゃ叱られちゃいますね」


≪雅≫

「あらあら。もうバレちゃったわねー。駄目よ、真剣に食生活をちゃんと考えないと。そうだ。タカシくんこれから用はあるかしら」


≪タカシ≫

「いいえ。何も。これから帰って寝るまでグダグダするだけです」


≪雅≫

「よーし。タカシくん、さぁ乗って」


≪タカシ≫

「えっ、なんで」


≪雅≫

「先生命令よー。ほら、早く。他の車にも迷惑かけちゃうから、乗って乗って」


≪タカシ≫

「わかりました。お邪魔します」


(ドアを閉める音)


≪雅≫

「はい、ようこそいらっしゃいました。さぁて、出発進行ー」


(ラジオでは懐メロが流れている)


≪タカシ≫

「先生、これからどこに行くんですか」


≪雅≫

「うーん、ちょっとねぇ。タカシくんは1人暮らしは慣れたの。自炊もたまにはしているのかしら」


≪タカシ≫

「やろうと思えばですね。学校帰りにスーパー寄ってお肉とかを炒めるくらいなら。惣菜コーナーのおばちゃんがオレの顔を覚えてくれて、たまにおまけしてくれるんですよ」


≪雅≫

「洗濯とかもちゃんとしているの」


≪タカシ≫

「ワイシャツが無くなっちゃうんで。見よう見まねですけれどね」


≪雅≫

「偉い、偉い。1人で頑張っているわね。寂しくはならない?先生はこの歳でもたまに寂しくなる時があるのよ。そういう時はこうやって外に出て気ままにドライブしているの。街の様子とか眺めながらね」


≪タカシ≫

「もっと寂しくなったりしませんか」


≪雅≫

「ふふふ、心配してくれるの。優しいのね。今日は大丈夫。助手席にタカシくんがいるから寂しくないわ」


≪タカシ≫

「そうですか、それは良かったけど。って、いつの間にか高速道路走っていませんか。右側レーンを良いスピードで進んでいますけれど」


≪雅≫

「ふふふ。『あの高速道路のはしを駆け抜けて 君を連れたまま 2人のアカボシ 遠くへと連れ去ってしまおうか』ってね」


≪タカシ≫

「今ラジオで流れているこの曲ですか。まさにそのまま。どこに行くのっ」


(数十分後)


≪雅≫

「はい到着。あら、いつからか寝ちゃっていたのね。ふふふ。シートベルトをしっかり握って、これでも安全運転を心掛けているから心配ないのに。んもう、失礼しちゃうわ。悪い子にはデコピンよ。てぇい」


≪タカシ≫

「痛っ、あれ。先生。ここはどこですか」


≪雅≫

「先生が今日来たかったところよ。ちょっと寒いけれど、外に出ましよう」


≪タカシ≫

「ふぅー。寒い。あっ、凄い綺麗ですね。あれは街の灯りですか」


≪雅≫

「そう。高台の展望台に。ここからだと街が一望できるのよ。先生は寂しくなるといつもここに来るの。ここから街の明かりを見て、1人じゃないんだなって励まされている気持ちになれるの。タカシくんも元気でたかしら」


≪タカシ≫

「ありがとうございます。へへ、先生は何でもお見通しですね」


≪雅≫

「どういたしまして。何か飲み物でも買ってきましょうか」


≪タカシ≫

「あ、オレ。お茶持っています。まだ少し温かいですし、先生もオレので良ければ飲みますか」


≪雅≫

「いいの。なら、いただこうかしら。ふふふ。タカシくん、もっと近くにおいで。寒いでしょう。先生のストールの中に入って」


≪タカシ≫

「ええっ」


≪雅≫

「いいの。遠慮しないで。ほーら。捕まえた。・・・ずっとずっと言いたかったの。付き合ってくれて、ねぇ、ありがとう。ギューッ」


≪タカシ≫

「先生、ちょっとまって。めっちゃ恥ずかしいですって」


≪雅≫

「次はどこに行こうかしら。そうだわ、あったかいものを食べに行きましょう。さぁ、車に乗って。クリスマスはまだ終わらないわよ。まだまだ付き合ってちょうだいね。ふふふ、メリークリスマス」


☆参考音源☆

キンモクセイ『2人のアカボシ』

BOA『メリクリ』

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