4.クリスマス 伽音ルート
伽音ルートは、「外出する」→「おでんを買う」→「広場に寄る」で発生します。なんてwww
(ジングルベルの音楽と街のざわめき)
(コンビニの退店音)
≪タカシ≫
「ううぅ、外は寒っ。今日は一段と冷えるな。一応、独りでもクリスマス気分に浸ろうかとコンビニに出て来たけれど、失敗したなー。結局、お1人様ケーキをレジに持って行く勇気がなかったから、買ったのはおでんとチキン1コだし。どこを歩いてもクリスマスの浮かれた音楽ばかりだし、すれ違うのは赤いサンタ帽子やトナカイの角をつけてはしゃぐカップルばかりだし。ホント、よく人前でできるよなぁ。いや、羨ましくなんてないけどさ」
(商店街の広場の中心で大きなクリスマスツリーが瞬いていた)
≪タカシ≫
「あ、クリスマスツリーだ。いつの間に飾ったんだろう。何回か通っていたけれど今まで気がつかなかったな。・・・ふふ、キラキラしていて、こういうのなんかアイツが好きそうだな。そう言えばクラスの女子達とイルミネーションを観に行くとか言っていたなぁ。アイツ、ロマンチックなの好きだから、きっと口を空けたまま間抜けな顔をして見ているんだろうな」
≪タカシ≫
「誘えば来たのかな。隣に居るのが当たり前すぎて、会えないと胸が痛い、ってどこかのクリスマスソングみたいじゃないか。これ以上馬鹿なこと考える前に帰ろ、帰ろ」
(携帯の着信音)
≪タカシ≫
「おっ、噂をすれば、もしもし。どうした、何か用か」
≪伽音≫
『何よ。用がないとかけちゃ駄目なわけー』
≪タカシ≫
「いや、別にそういうんじゃないけれど。そうだ、どうだった?イルミネーションを見に行ったんだろう」
≪伽音≫
『うん、すっごい綺麗だったよ。広間全体がイルミネーションで周りがキラキラと輝いてて星空の中に居るみたいだったし、最近流行りのプロジェクションマッピングで何もなかった建物の壁に雪の結晶やサンタさんが映って音楽に合わせて踊り出して、とてもおもしろかったわ』
≪タカシ≫
「うん、そう。良かったな」
≪伽音≫
『うん。良かった。良かったけれど・・・タカシもくればよかったのにって思った。隣に居るのがタカシじゃないんだなーって、しみじみ思った』
≪タカシ≫
『それって、』
≪伽音≫
「今日は風が吹いていて一段と寒いねー。凍えちゃいそうだよ。どうせタカシの事だから暖かい部屋の中でまったりテレビでも見て過ごしているんでしょう。いいわねー。いますぐ・・・いや、なんでもない。じゃぁまた電話するね。ばいばい」
(通話を切った音)
≪伽音≫
「このまま電話していると変な事を口に出しちゃいそうで。「今すぐ飛んで来て、暖めて欲しい」なんて言えるわけがないじゃない。・・・はぁ、そんなこと言ったってきっと君はこないんだから、さ」
≪タカシ≫
「居たっ!やっぱり居た!」
≪伽音≫
「嘘っ、何で居るの。ってか、何で私がここに居ると分かったのよ」
≪タカシ≫
「そこのコンビニの帰りで丁度ここに来ていて、電話の向こうで同じ音楽が流れていたから、もしかしてって思ってさ。でもこの人ごみの中で探すのに手間取っちまった」
≪伽音≫
「私を探してくれたの」
≪タカシ≫
「お前、こういうの好きだろう。このクリスマスツリーみたいなキラキラしたやつ。あ、でもさっきまで見ていたイルミネーションと比べちゃうとちょっと迫力がないかな。プロジェクションなんちゃらもないしな。って、どうした。泣いているのか」
≪伽音≫
「ううん、ツリーが綺麗だなって思ってさ。コンビニで何を買って来たの。あ、おでん。でも冷めちゃったわね。ねぇ、ここに座って食べちゃえば。外だからちょっと寒いけれど、クリスマスツリーと星空を眺めながらって、凄くロマンチックじゃない」
≪タカシ≫
「まさかここで伽音に会えるとは思っていなかったからな。チキンも2コ買えば良かったかな。そしたら一緒に食べられたのに」
≪伽音≫
「そうだ。これから一緒に買いに行こうよ。私もお腹すいちゃった」
≪タカシ≫
「「花より団子」なんて、伽音らしいや」
≪伽音≫
「「花より男子」なにより「タカシ」だよ」
≪タカシ≫
「うん?何か言ったか。クリスマスの音楽が賑やかで聞こえないや」
≪伽音≫
「ううん。なんでもない。ほら、行こう。ハッピー・メリークリスマス!」
☆参考音源☆
BackNumber『クリスマスソング』
lol『xmas kiss』