表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奇怪青春期  作者: 中村龍二
5/6

奇怪①

 神を信じるか、否か。

 大抵の奴は信じている。口では「信じてねーし」とのたまう奴らも、結局はどこかで運頼みをしているのだから本質では信じているのだ。

 俺は、信じない。

 物事を理解させるための言葉でしかない。そこらの子供には「神様が言っている」とでも信じるであろう便利な単語。人間の妄執を具現化させる存在。

 運命なんて後付けの事実だし、人の前世が見えるとか言う奴なんて憎らしい。世の中には分かりもしない前世のせいで、カーストの最下層にいる人々だっているというのに。それを『視える』などと言う奴らも、それを鵜呑みにするお気楽な現代人も、皆嫌いだ。

 神を信じないという人々は「神様がいれば不幸な人なんて生まれない」と語るが、神がいるとすれば敢えてそういう人を造っているのだろう。

 最下層の人間を位置付けて、上位の人間に優越感を生ませるために。少数を犠牲に多数の心の平穏を保つために。それが今の社会だ。

 何もそれが絶対悪いとは断言しきれない。だから現在があるわけで、先人達が築いてきた統治体制を全否定なんてできるわけがない。できる奴は歴史の価値も分からない馬鹿か、もしくは偉そうな批評家ぐらいである。

 現代人に必要なことは否定することではなく妥協することだ。野心や反発心が過去の反乱を招いてきたのだから。俺も含めて、国家を変革しようという気概を持つ奴など、そうそういるものではないが。




 あと十日ちょっとで期末テスト。そしたら夏休みはすぐそこで。

 例年のように夏休みを迎えて、誰と遊ぶわけでもなくダラダラと過ごして、そして二学期に突入すると信じて疑わなかった。当然である。ニュータイプでもなければ察知などできるはずがないのだから。

 『あり得ない』。これが今回の物語。

 奇怪な青春を綴った、それだけのお話である。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ