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奇怪青春期  作者: 中村龍二
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序章

 最近街をぶらついている道すがら、こんな会話を耳にした。

「ちょっ、みんなアイス買う系? 俺も買ってくるわ」

 数人の高校生グループの一人が慌ててコンビニまでアイスを買いに戻ったのだ。アイスいいよね。暑いときのアイスはもちろん、冬に食べるアイスもなかなかいける。でも夏のお汁粉は駄目。何故なのか。

 正直、何とも滑稽だと思う。

 何故彼は周りに合わせるためにコンビニまで戻ったのか。何故わざわざ税込一〇八円という端数の気になる値段のアイスを買ったのか。何故。何故。何故――――

 無意識なのだろう。本能なのだろう。単に彼は恐れているのだ。独りになることを。だから合わせる。それを強いられる。いつしかそれが当たり前となり、当人では到底気づかないレベルに達してしまっている。

 前述の彼の行動にはまるで主体性がない。本人が動いたはずなのにそこには彼の意思が欠如している。彼には自分で考えて行動したのだと錯覚しているのだろうが。自分が操られていることにも気づかない、哀れなマリオネットだ。

空気の奴隷、とはよく言ったものである。

だから俺は『リア充』が嫌いだ。尊敬も尊重も尊厳もない。

自身の痛みを他人にまで押し付けようとする身勝手さが。友達だと宣いつつ、その実便利な使い捨て用品としか思っていないところが。

故に思う。

こんな世界、できるものなら作り替えてみたい、と。

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