Scena 1 転入生
どーも、作者デス。作者DETH☆((殴
……えー、今回始めたこのお話。はい、そうです。
息抜きに書いてみたモノです。
更新も不定期になります。
それでも読んでくれるお優しい方はどうぞ。
季節外れの転入生とはよく言ったものである。もうすぐ終業式である二月半ばに彼、藍川和馬は俺のクラスに転入してきた。
「藍川和馬です。よろしくお願いします」
淡白な自己紹介の後、藍川は指定された席に着いた。繊細そうで背も高くモテそうな外見ではあるが、他人を寄せ付けない雰囲気がどことなく漂っている。多分、一人でいるのが好きなタイプだと思う。俺と同じように。
予想以上に藍川の人気は高く、女子の黄色い声が休み時間中聞こえてくる。
「ねぇ、藍川君!前はどこに住んでたの?」
「藍川君って何が好き?」
「藍川君、彼女は?」
同じクラスの女子はもちろん、他のクラスや先輩までもが藍川のもとに集まっている。男子はというと、ただきゃあきゃあと騒ぐ女子たちを遠巻きに見ながら「藍川……コノヤロウ」と闘志を燃やしているのである。ただ一人を除いては。
「くっそー、藍川の奴……転入早々モテモテじゃないか……なぁ、アキラ?」
「そうだな」
友人―――中川悟からの問いかけにも不愛想に答えた東堂晄は、無表情で眼鏡の位置を直す。そう、この眼鏡男子こそが俺である。
「……いつも思うがな、アキラよ。少し無愛想過ぎやしないかね?」
「そうだな」
「そうだなって、オイ……」
何を言っても無駄だと、悟も諦めて黙る。しかしその視線は藍川に向けられ、いかにも羨ましそうな顔で「あーあ…」と呟いていた。そんな悟及び周りの男子たちを見兼ねて俺は読んでいる本を閉じ、ため息を吐きながら言った。
「そのうち女子たちも諦めるだろ。藍川は彼女たちに興味はなさそうだからな」
「へ?何で分かんの?」
いかにも不思議そうな顔をする悟に俺は「まあ、見てれば分かるさ」と笑って見せた。ちなみにそれは、嘲笑と言われる類の物だ。
「ねぇ、いい加減にしてくれない?さっきからずっと質問されてこっちはいい迷惑なんだけど?」
一際大きな声が教室に響いた。もちろんそれは俺の予想通り藍川の口から出た言葉で、驚いた女子たちを含め教室中が凍りついた瞬間だった。
「ねぇ、この中で俺に校内を案内してくれる奴いないの?」
凍りついた教室の中で、彼に近づく者など誰もいなかった。というのも藍川が、般若のごとき形相で辺りを見回すからである。
「おい、誰か……」
「む、無理だろあれは……」
「あ、あなたが行ってきなさいよ」
「や、嫌よ…」
ひそひそと始まる会話は責任の押し付け合いである。無論他クラスの女子並びに先輩方はそそくさと退散していた。
俺はまたため息を吐き読みかけの本を持ちながら立ち上がった。面倒事に付き合うのは御免だった。
「おい、アキラ!俺たちを裏切るのか!?逃げるのか!?」
「東堂君っあなたなら出来るわ!だから……」
背にした教室から助けを求める声が聞こえるが、俺はそのまま教室を出た。去り際に一言「大丈夫。あなた達にも出来ますから」とさわやかに微笑んで。
目的の図書室に着いたとき既に授業が始まるチャイムが鳴っていたが、俺は構わず読みかけの『死ぬ前にやっておきたい100の事柄』を読んでいた。
まだまだ何も話が進んでいませんね。えぇ、話が分からないことでしょう。
これから少しずーつ展開させていくので、次回もよろしくデース☆((殴