表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境のあざとい魔導士は禁忌の術式で死を欺く ―最強の盾と歩む理外の成り上がり譚―  作者: ゆっきー
第1章:始まりの王都

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/25

第2話:「愛嬌と鉄則」

いつもお読みいただきありがとうございます!

いよいよエレンが冒険者ギルドに足を踏み入れます。純朴な田舎娘を演じる彼女の計算高さにご注目ください。

 王都の中央にそびえ立つ、巨大な石造りの塔。冒険者ギルド協会。

 重厚な観音開きの扉を押し開けると、むせ返るような酒と汗の匂い、そして荒くれ者たちの喧騒がエレンを包み込んだ。


(……うわ、見事にむさ苦しい男の人ばっかり。でも、これだけ人がいれば『使える』人も多そうね)


 無数の鋭い視線が、入り口に立つ華奢な少女へと突き刺さる。

 エレンはわざとらしくビクッと肩を震わせ、おどおどと身を縮こまらせた。小動物のように怯える姿を見せれば、大抵の男は毒気を抜かれるか、見下して興味を失う。無駄な絡まれ方を防ぐための、彼女なりの処世術だ。


 視線を伏せたまま、受付カウンターへと小走りで向かう。


「あの……すみません。冒険者の登録をお願いしたいんですけれど……」


 上目遣いで、消え入りそうな声を出して受付嬢に話しかける。

 ベテランらしき女性受付嬢は、エレンの小柄な姿を見て少しだけ眉を下げた。


「登録だね。いらっしゃい。……でもお嬢ちゃん、ここは遊び場じゃないよ? 怪我じゃ済まないこともあるけど、覚悟はあるのかい?」


「はい……っ。辺境のアルンから、立派な冒険者になるために来ました。お父さんたちみたいに、強くなりたいんです!」


 エレンは両手でギュッと拳を握り、真っ直ぐな瞳で熱弁した。

 健気で一生懸命な少女の姿に、受付嬢は小さく息を吐き、微笑みを浮かべた。


「そうかい。それなら止めないよ。この用紙に名前と年齢を書いて。まずは一番下の『Fランク』からのスタートになるよ」


(ちょろい。愛想よくしておけば、ギルドの職員は絶対に見方になってくれる。これも計算通りね)


 エレンはにっこりと笑い、流れるように手続きを済ませた。

 渡されたのは、粗末な銅製のギルドカード。これが、彼女が冒険者になった証だ。

 レベル1、HP20、MP10。魔法は初期の火炎球ファイアーボールと、剣の基本スキルであるスラッシュしか使えない。


「ありがとうございます! あの、王都のダンジョンって、初心者でも安全な場所はありますか?」


「1階層の入り口付近なら、スライムや弱いゴブリンしか出ないから安全だよ。でも、奥には絶対に行かないこと」


「はいっ! 気をつけて行ってきます!」


 受付嬢に元気よくお辞儀をして、エレンはギルドを後にした。

 足取り軽く、王都の地下に広がるダンジョンへと向かう。


(1階層の入り口付近なら安全、ね。……でも、それじゃあ効率が悪い)


 薄暗いダンジョンの入り口を前に、エレンは冷めた目で周囲を観察する。

 これから自分に必要なのは、前衛で壁になってくれる都合のいい『仲間』だ。


(誰か、お人好しで、適度に強くて、私の言うことを聞いてくれそうな人……いないかな)


 ショートソードの柄に手をかけながら、あざとい少女はダンジョンの暗がりへと足を踏み入れた。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

無事にFランク冒険者になれたエレンですが、ソロで地道に戦う気は毛頭ないようです。

次回、いよいよダンジョン探索開始です。彼女がどんな「カモ」を見つけるのかお楽しみに!

面白かったらブックマークや評価など、応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ