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辺境のあざとい魔導士は禁忌の術式で死を欺く ―最強の盾と歩む理外の成り上がり譚―  作者: ゆっきー
第1章:始まりの王都

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第11話:「深まる迷宮と不意の咆哮」

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

規格外のステータスを持つ二人の背中を追いながら、エレンの思考は加速します。

しかし、その思考の海に沈んでいた彼女が顔を上げたとき、そこはすでに元の場所ではなく……。



 エドとレノアの背中を追いながら、エレンの頭の中はかつてないほどの熱を帯びて回転していた。


(レベル70……。もし、この人たちに取り入ることができれば、私のランクアップへの道は一気に開ける。あざとく、健気に、守ってあげたいって思わせることができれば……!)


 エレンはちらりと二人の横顔を盗み見る 。

 自分より4つも年下の、まだあどけなさが残る少年と少女。

 だが、その足取りには一切の迷いがなく、ただ歩いているだけで周囲の空気を支配しているかのような威圧感があった。


 あまりに二人の歩調が自然で、かつその背中が頼もしすぎたせいだろうか。

 エレンは、自分たちがいつの間にか緩やかな傾斜を下り、階層を跨いでいることにすら気づいていなかった。


「――グオオオオオオオオッ!!」


 突如として通路の先から響き渡った、空気を震わせるほどの巨大な咆哮。

 その重低音の衝撃に、エレンは弾かれたように我に返った。


(な、なに……今の声……)


 周囲を見渡したエレンは、血の気が引くのを感じた。

 壁の岩肌の色はより深く、漂う空気の重さは先ほどまでの2階層の比ではない。

 1階層や2階層にいる魔物とは明らかに格が違う、底知れないプレッシャーが肌を刺す。


「あ、あの! エドさん、レノアさん!」


 エレンは慌てて二人の背中に向けて声を張り上げた。


「ここ、どこですか……!? もしかして、2階層じゃないんじゃ……」


「あー、気づいちゃった? エドがまた道を間違えて、どんどん下に降りちゃってるんだよねー!」


 レノアが楽しそうに声を弾ませる一方で、エドはバツが悪そうに頬を掻いた。


「悪い、話し込んでて気づかなかった。ここ、たぶん4階層か5階層あたりだな。中層の入り口ってとこだ」


「なっ……!?」


 エレンは絶句した。レベルが3しかない自分にとって、ここは一歩歩くごとに死と隣り合わせの地獄だ。

 その時、曲がり角の先から巨大な姿が現した。3本の角を持ち、全身が鋼のような筋肉に覆われた巨大な魔獣だった。



最後までお読みいただき、ありがとうございます!

自身の思考に溺れ、気づけば引き返せない深さまで降りてしまったエレン。

中層の魔獣を前に、勇者たちはどのような戦いを見せるのでしょうか。

次回もぜひお楽しみに!面白かったら、ブックマークや評価での応援をよろしくお願いいたします!

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