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No.5 私は生物破壊兵器か何かなのだろうか?


No.5 私は生物破壊兵器か何かなのだろうか?





湖に落ちた私はブクブクと水面から遠ざかって行く。


目を開けたまま、輝く水面を水底から眺める。

ショートした頭も全身水に浸れば、流石に冷静になって来た。


ちょっと陸に上がって状況の整理をしよう。



湖に落ちた事で、図らずも汚れの落ちたスーツを脱ぎ、その辺の枝に掛ける。

下着とキャミソールも当然濡れているが、流石に脱ぐのは我慢だ。



「それで、だ」



私が生きている理由と照らし合わせて、状況を整理しよう。


「あの鹿は、何故私を吹き飛ばす事に失敗して、死んだ?」



普通に考えれば、勢いを付けすぎて、手前で脚が滑り、転んでそのまま反動で地面に体を打ちつけて死んだ。


「でも転んだだけで、宙を舞って落ちるかなぁー?」


しかもコケたくらいで、衝撃で死ぬとか・・・野生動物としても悲し過ぎる話だ。



それに一応、私に角が当たる感触はあった。

そんなに強くは無かったけど、私が鈍いだけで、直ぐに恐ろしい衝撃が来ると思っていたから。



「・・・まさか、私が、当たり勝ちした・・・?なんて・・・」



壁にボールを投げて跳ね返るアレ・・・鹿がボールで私が壁・・・みたいな・・・?

大きさも体格も、明らかに鹿の方が上の状況で私が当たり勝ち?



「はははーまっさかー!!」



あり得ない想像でひとしきり笑った後に、そもそも私がここを目指したのは、身体に付く体液を落とす為で、そもそもこの体液は何で付いたのかを振り返った。



「そう言えば、ここに来る過程でたくさんの生き物を蚊の様に叩き落として来たけど、そもそも、蚊くらいに小さい物なら分かるけど、犬くらいの大きな虫とか、普通叩いたくらいで、死なないよね・・・・・・」



「え、あれ・・・?」



恐ろしい事に気が付いてしまった・・・

やはり、この世の生物達は大きさに関わらず、とても脆く、それは、私みたいな人間が触れるだけで、壊れてしまう程に・・・



「私・・・か弱い生物達に、なんて事をしてしまったの・・・・・・ただ、生物の正しい営みを、草原で生きていただけの存在を私が邪魔だと思って、振り払ったせいで・・・」



この世に置いて、私と言う人間は、生物大量破壊兵器なのかもしれない。




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