No.3 道なき道
No.3 道なき道
おかしい・・・これは絶対おかしい・・・
今現在私は、当て所なく歩き進んでいる。
果てしなく思えた草原は、数時間歩いた所で土がメインの2メートル幅の小道が現れた。
私以外の何かしらが歩いた事により、草が踏まれて必然的に小道になった所を見ると、割と往来があるのかもしれない。
もしかしたら、この先に自分と同じ様な人が居るのかもしれない。
小道は生きていた頃みたいに舗装がされているはずも無く、剥き出しのデコボコ道を踏み締めている訳だが・・・
よく、この悪路を仕事用パンプスで歩いて来られたな・・・と思う。
────が、そんな事は良いのだ。
問題は、私が全身に浴びているこの大量の液体だ。色とりどり、粘度抜群、臭いもそれなりだ。
数時間前かけた道のりは、この液体の説明無しでは伝えられない。
順を追って丁寧に説明したい気持ちもあるが、もう簡潔に説明する。
ここに来るまでにあのプルプルの様に、多種多様な生物に襲われかけ、逃げたり振り払ったりしていたけど、走れば体に当たった虫型の生物がベチャベチャと飛び散り、噛みつこうと飛び出してきた生物を手で振り払うと破裂し、体液が私に降り掛かって来た。
初めこそ、気持ち悪かったり怖かったりもしたが、1時間も経てば、慣れに近い諦めの感情しか湧いて来ず、残りの2時間とちょっとは、出くわす生物を地面にはたき落として進んだ。
もしかすると、初めのプルプルも手で叩いた時、同じ様に潰れて死んでしまったのかもしれない・・・以上!
「まさか、この世界に来て真っ先に訳分からない液体を全身に浴びるとは・・・」
鏡が無いから分からないが、今の私の姿は、人に見えるだろうか・・・?
スーツも体液か何かで、溶けたり焼けたりして、ボロボロだ。
「どこか・・・洗い流せる所とか・・・」
見渡す限り小道と草原、遥か向こうに木が生い茂る森のような物。
人工物はおろか、水辺すら目視出来ない。
「はーーー・・・結構な新生活じゃない?」
しかし、私はもう進むしか無いのだ。
この先に何が訪れようとも。
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