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第18話 パパがベルメリに話した内緒話

今日は一つエピソードが書けました。

作者としては、この小説の題をじっと見まして、この題目の件、すでに書き終わっている感じがします。

またエピソードが浮かんでくる場合は。違う題の方が内容にふさわしいのではないでしょうか。まだはっきり次のエピソードの行方は定まっていないので、一応この題名の小説は、ここで終わります。

何だか思いついてのような完結ぶりですが、シリーズですので、違う題名で又投稿をするつもりです。お読み下さりありがとうございました。

 

 今日のハイスクール行きはつまらなかった・・・ベルメリの結論である。


 ショウカとリリは医務室に行ってみると、校医バルンさんが居なくなってベッドの有る医務室は締められ鍵がかかっていた、ついていない。他校と掛け持ちのパートの看護師さんは、今日はこの高校の担当ではなかった。憮然として医務室前に立っている二人に気付いた校長、

「おや、お二人さん、気分が悪くてベッドで横になりたかったんだんねぇ。仕方ないから、保健体育の教師の居る保健室に行くかな?設備は体温計ぐらいだけどね。嫌そうだね、早引けする?それじゃ、荷物まとめて又ここにおいで、タクシーぐらいなら呼ぶよ。代金は持っているかな。無ければ私が立て替えよう。今度学校へ来るときは、立て替えておいたのは返してね。儂、婿入りで、小遣いは少なくてね、タクシーのメーターよく見て領収書は貰ってね」

「校長しけてるー」

 リリに言われて照れる校長。ここは照れる場面ではないのだが。ショウカは、

「先生にご迷惑はかけられないわ、家に電話して迎えに来てもらいます」

 ときっぱり言うと、教室に戻る事にした。戻る途中、しくしく涙を流しだすショウカを見て、リリは、

「そんなに悲しいの。どの辺が涙なしで居られない訳」

 ドライなリリに聞かれ、ショウカは、

「早引けとなると、演技も必要になるの」

「なるほど、『彼を逃しそうでー』なんて、ベルメリには言えないからね、お口にチャックで、帰るべきよね」

 誰かに突っかかりたい気分のショウカは、

「あたしばっかり落胆しているの?そういうリリはどうなのよ」

「あたしは彼を作るなら、普通の人にするわ。きっとパパが反対するもの。いくらセーンの息子といっても、所詮、獣人とのハーフだものお里が知れているわ」

 と言う事情で、ショウカとリリは早引けだった。

 廊下で話している二人の言葉を聞いてしまったベルメリ。『あたしって、耳が良くなったのよ。ヤッヤモ君。あの二人に、チーセンとラーセンはあんたらにはもったいないわと言いたかったけれど、あたしって喧嘩とかはしないの』

『そうだね、ベルメリちゃんは喧嘩とか、似合わないね』

 そんな軽い会話で一日を過ごすが、ベルメリは夕食の時、パパと有意義なコンタクトをし合う。ご飯中はしゃべらずもくもくと食べるのが、ノス家の流儀だったので、ママが居ても不自然にならない。

『何だか今日は元気ないじゃないか、ベルメリ』

『そう見える?だったら、そうなのね。今日、留学生は皆、来なかったの』 

『ほう、チーセン、ラーセンは無事なんだし、来ないという事なら、退学させるのかもしれないね』 

『どうしてそうなるの』

『ヤッヤモと話していただろう』

『うん。でも詳しく』

『パパ達は内戦で負けて亡命したんだが。その戦いの相手と言うのが。チーセン君やラーセン君が酷い怪我を負ったこの前の喧嘩相手の一族でね』

『へー、世間は狭いのね』

『ははは、そういう事だな。奴らは他の魔人よりも見かけは体格が筋肉質ではなく、他の奴と並べば華奢に見える。だが、これはどんな奴にでも当てはまる事だが、魔人の能力は見かけとは違うんだ。それを良く知らなかったチーセン、ラーセン君はいかにもひょろついてみえて弱そうな男と思って、必死で痛めつけていると、急に体制が変わっただろうな。戦況は逆転した。ものすごい反撃が来て驚いて、獣化したんだろう。そいつは強いだけじゃなく、戦いに慣れていた。恐らく双子の正体は戦う前から承知していたはずだ。魔人という者は、自国の隣の国々に住む敵となって襲って来るかも知れない相手の能力を、間者を入国させて調べつくしている。戦いが全ての奴らだ。獣人国の獣人の生態なんぞ、呑気な所の有る獣人達よりも、よっぽど分かっているのかもしれないな。だから、獣化した場合の対処も既にしていた。まだ子供と言って良い相手どうしとしてもだ。獣化すると性格も獣で、襲い掛かって来ようと思えば、加減なんかする事は無い。喧嘩相手には全く向かない恐ろしい気性だが、そうなったときのためにああいう戦い慣れた魔人は、あらかじめ結界を作っておき、興奮した時を見計らって、結界の中に誘い込む。そこでは喧嘩相手の能力が発揮できなくなる。しかし、自分の力は存分に発揮できる。形勢は魔人の一方的勝ちでお終い。若い奴だから、喧嘩にしてはやりすぎていた。あの双子の体力と、セーンの並外れた癒し能力で事も無く元通りになったが。普通なら死亡だ。殺人事件になるはずだった。そこがあの魔の国の奴らは理解できていない。子供同士の喧嘩が殺人事件になったらセピアの国際組織が動く。あの魔人の子は殺人事件の犯人として監獄行き、親は責任を取らされるだろう。子供と同罪、罰金額は個人で払える額ではなかろうな。何せ殺し方が半端じゃないからな。国同士の成人した大人の戦い並じゃないか。戦争か?と言った所だ。俺は目立つ訳にはいかないから黙っているが、国際組織に訴えても良い案件だな。だからセーンには隠しているが、内心申し訳なくてな』

『セーンは知らないのに、パパはどうして知っているの』

『パパは戦いのあった場所に行くと、どんな事が有ったか分かるんだ。パワーの残存があるから、それを見極めることができる。そういう能力のある魔人の一族だ。親父や爺さんそれよりももっと以前から、セピアやニールの主だった支配階級の間では承知の一族でね。礼金なんぞ貰って国際間の事件の真相を教えたりしていたそうだ。あの、セーンのお爺さん、ニキ・グルードさんはご存じかも知れないな。彼はかなり口が堅そうだな。めったなことをしゃべらない感じだ。そういう人は恐ろしい。能力を隠し持っているぞ。儂なんかあの館には行かなくて良ければ行くつもりはない。きっと双子の大怪我の顛末を黙っているのを知られる』

『知られたら、パパ、あのお爺さんにしかられちゃうとか?』

『しかるような親しい者じゃないからな。恨まれるという事だろうな』

『恨まれる?嫌われちゃうこと?』

『ベルメリは良い子だから、恨まれる状況とか知らないよな。今の話は取り消しだ。無しだよ。忘れてね』

『忘れちゃったことにして-、話元に戻してー、チーセンラーセンが学校辞めちゃうのはどうして?』

『セーンさんは、息子たちが獣化するタイミングが把握できなくて、ハイスクールに戻すつもりは無いな。獣化すれば本能のままに動き、特に獣化の始めの時期は自覚なく獣化することもある、コントロールが出来無いと、危険な野獣を内に秘めている事になって、とてもじゃないが世間に出せる状態じゃないな。大人になってある程度獣化をコントロールできるようにならないと他所には行けない。獣になったら他人を襲う可能性が有るからね』

『わぁ、やっぱりもうハイスクールには来ないんだ-』

『残念だね』

『うん、じゃーね、じゃーね、パパ。あたし、一生のお願いがあるの、聞いてくれる』

『ええっ、またお願い。パパ困ったな。ママと相談しないと返事は出来無いよ。この話の流れ、ママは知らないから、今日は止めてくれ。また別の日にしようね』

『今日が良いの』

『また、そう言う。困った子だ』

 パパは眉を下げて困惑している。『ごめんねパパ』と言ってから、夕飯を食べ終わったベルメリ。ママを見ると、丁度ママも食べ終わった感じだ。

「ママ、あたしお願いがあるの、一生のお願いよ」

「嫌だー、また?ママ困るのよねー、ベルメリが居ないとパパ、ご機嫌がすごく悪くなるのよ。もし、またニールに行く気なら、パパを連れて行ってくれないかしら」

「いやいや、儂はニールなんかに行く気は無いからな」

 パパはさっきの話の件で大慌てで嫌がる。可哀そうなパパだが、この言い方ならパパ同伴なら、OKと言う意味に聞こえたベルメリだ。パパ哀れ、娘に連れられてニキ爺さんち行きか?


 おしまい


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