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第16話 双子の事は不明だが、使い魔の秘密は判明

 


 セーン達はニキの館に急いで帰ると、異変を悟ったチーラが出迎えた。

「チーラ。チーセンラーセンは獣化したらしい。セピアに居るときに。俺は分からなかったけど」

「あたしだってよ、どうしてこの子達は気を失っているの」

「今日帰ってこないから、ヤコとココモが探していて、魔の国にさらわれていたのが分かった。魔法使いにさらわれて眠らせられていた。あいつら、ベルメリちゃんをさらった仲間の様だった。何か研究していてどういうつもりか分からない。チーラは何か心当たりがあるか」

「まったく見当もつかないの、ミーラに聞いてみるわ」

「そうだった、この二つの人攫いはどちらもレンの元カノのヴァンパイアが絡んでいる。レンとミーラを呼んでくれよ、何か知っているかもしれない」

「良いけど、セーンはパパと仲が悪いの?」

「そう言う訳でもないけど、あいつとコンタクトしたらこの間、後が全然コンタクトが切れなくなった。またそうなるのは嫌だから」

「そういうのって、仲が悪い人が言う台詞ね」


 ヤモとヤーモは居間のソファに二人を寝かし、レンとミーラが来るのを待った。

 彼らは直ぐにやって来て、

「おいおい、これは何の真似だ、セーンこいつ等芯から伸びている。くたばらなかったのは運が良いんじゃないか・・・魔法使いか。そいつは何処に」

「燃えちまった、俺が夢中で燃やした。芯からのびているって?」

「燃やしたか、それなら術が消えたろうな。まだ寝ているが。じゃ、俺が魔法使いをつれてくる」

「本人でなくって良いの」

「同じ系統の奴らは、同じ術を使うからな」

 二人でそういう話をしていると、ヤモがセーンのポケットから首を出し、

「あのヴァンパイアがレンの指輪を持っている、そいつでこの館を自由に出入りしているよ。探すけどいつもあいつ隠している、取り上げないと・・・」

「おや、そうかい。俺に探せと?」

 じろっとヤモを見るレン。

「そうだよ、お前の元カノだから、皆始末して良いかどうか迷っているんだ。指輪見つけて、後、始末しろよ」

「ふん、そういう了見なんだ、お前ってやつは」

「そうだよ、俺、なんか変な事言っているかな」

 そんな二人を見て、ミーラは、

「あんたたち、前の主人と使い魔にしては、拗れた感じね。見た所、何だか別れた二人って言う感じで・・・」

 チーラは慌てて、

「ミーラったら、セーンの前で変な事言わないで」

 ミーラはチーラをじっと見ると、

「チーラだって、セーンとヤモは間に入れない絆があるって思っているのね。この方達って、ノス家の人に言わせると本当の所は、古のドラゴンなんですって。今じゃ壁の上一家と言う使い魔を名乗っていても(セーンが名付けたんだけど・・・)、血筋と言うか血統は上位クラスだという事が、魔の国の文献にあるそうよ」

 セーンは疑問点を聞いてみる、

「ミーラさんは、ベルメリちゃんのパパを知っているんですか」

「私の母親の実家は獣人でも学者肌で、他の国の歴史も調べていて、魔の国のノス家、ベルメリさんのお爺様達の家ね。そことは、研究仲間でお付き合いがあったそうなの。亡命する時は、そういう資料まで亡命先に持って行こうとして、無理と分かって、母親の実家に預けたそうなの。亡命後に落ち着いてきたら、ベルメリさんのパパも伯父様の家に来られたこともあったそうなのよ。世の中広いようで狭いわよね。こんな話聞くと。そして今朝よ。ノスさんがまた資料を見に実家に来られたの。気になる子が居るから資料を見直したいって言われたそうなの。信じられないけど古のドラゴンの様だって。だからあたしがこんなにすらすら話せるの」

 そして、ヤモを見ながら、

「血筋はグルード家に負けず劣らずの古からの家柄じゃないのかしら。種が違うから本当のカップルにはなれないけれど、上下関係とかは存在しないんじゃないかしら。対等でしょうね」

 レンは、

「はっ、そりゃ御見それしやした。さっそくあいつの始末をしてきましょう。指輪は取り上げますからご心配なく」

 そう言ってまた出かけて行ったレン。

 それを見てセーンは一言、言っておく、

「レン、何だか拗れてるね。ヤモの事、ミーラさんの前で言うのもなんだけど、きっと引きずっているな」

 ヤモ、『黙れ』とコンタクトして、ポケットに入った。今度はヤーモが顔を出し、

「セーン、図星だったようだね。こりゃ当分出て来ないな」

 と言い出す。

 そんなこんなの中でチーラは、

「結局、レンさんは魔法使いを呼びに行く件は、やってくれるんでしょうよね」

 と確かめるので、セーンは、

「まだ、忘れるほどボケちゃいないと思うが・・・」

 と考えを言うが、ヤーモはまた顔を出し、

「こりゃ、確かめた方が良いな。セーン。コンタクト、レンにしてみたら?念のためだ。また繋がったままになるかもな」

 と言って引っ込む。

「ヤーモ、面白がっている。くそっ根性悪が、誰に似たんだ」

『親のコピーですから-』

 騒いでいたからか、チーセンラーセンが目覚めた。

「あれっ、俺らニールに居るぞ、ラー」

「どういう事?」

「呑気だねー、お前ら、魔の国の魔法使いに捕まっていたの、忘れたのか」

「あ、思い出した」

「パパが助けに来たの」

「うん、ヤコとココモが調べてくれたからね。帰ったらお礼言っとけよ。それはそうと、お前ら獣化したそうだな。何時の事だ」

「えーなにそれ、知らないよ」

「獣化って?」

「ココモ達がドラゴンになるみたいに、お前たちも獣になったって事だ。何の獣だったかな。チーラ」

「黒狼だけど二人とも髪の毛はパパ似でしょ。黒い毛になるのかしらって思うの」

 ラーセンは、

「じゃ、金狼と違うか」

「変わって見ろよ」

 セーンが言ってみても、2人とも、

「どーやってー」

「けってみるかー」

「けったくらいじゃ変わらないよな。多分」

「ていうか俺ら何時変わったかなー」

 チーセンとラーセンが騒いでいると、レンが戻って来て、

「ほーら、指輪取り返してきたぞ・・・あ、」

 双子が起き上がっているのを見て言った言葉で、皆は『レン、忘れちまっていたか』と思ったのだった。だが、

「レン、魔法使いは連れて来なかったんだね」

「チー、ラーが目が覚めるからって思った?」

 皆の質問にあわあわして答えられないレンだった。


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