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ソージュ

エードラントと魔族との戦は終わり、

あれから更に2年が経過した。


長期に渡り借り受けていたエストラゴンの小隊が国に帰る事になった。

なんだかんだと仕事を作り引き留めていたが

ヴァルド国から次の仕事を取り継がれ、

本人もそれに応える事となり帰国する


私の末の息子は7歳になっていた。

最近早すぎる反抗期なのか、私やハーレムの住人に構われると困った表情をする様になってしまった。


私には今のところ息子が5人居るが

末の息子は美しさでは1番かも知れない。

余りの可愛さに皆、容赦なく可愛がり溺れる程の愛を注いでいた。


何をしても褒め称え、何でも手を貸して、

希望は全て叶った。


その一方で、エストラゴンは約束通り息子を鍛えると3歳過ぎから色々付きっきりで教え鍛えた。


剣術、体術、棒術、魔術、乗馬、弓、投擲、何でも教えた。毎日傷だらけになる息子にハーレムの住人達は悲鳴をあげ見ていて可哀想だと何とかならないかと私に嘆願してきた。


エストラゴンが厳しいと言っていたから、

それなりに無茶な稽古もしているだろう

しかし、本人の気持ちはどうだろうか?と

息子に尋ねてみた。


「ソージュ、エストラゴンは厳しいか?最近怪我までしているようだ。辛い様ならペースを落としてもいいのだよ?自分で言えないなら私からエストラゴンにつたえようか?」


これが不味かったかも知れない。

良かれと思ったんだ。毎日ぼろぼろになって

綺麗な顔が汚れや痣や擦り傷に塗れて

可哀想だと思ってしまったんだ。


「お父様は余計な事しないでください。

僕は、エストラゴンみたいに強くなりたいんです。ハーレムでは強くなれません」

エストラゴンよ、息子を脳筋にしたのか?


それ以降、小さな息子は早すぎる反抗期なのか、エストラゴンと兵士達の居る宿舎に入り浸りになってしまい

私に会うとちょっと冷たい目をする様になってしまった。


困った私はエストラゴンに助けを求めたら

「ソージュは皆に構われすぎたんだ。あの子はかなり強くなる素質があるぞ?頑張り屋だしな。自分で何でもやりたがるし、集中力も凄い。頭も良いしな。それ故大人の自分が気持ちよくなる為の可愛がりに気付いてる。都合の良いオモチャの様に扱われる事を好んでいない。ソージュの事を思うならそっとしてやれ、あまり構いすぎるな」


そうなのか?構いすぎたのか?

「なぜ、嫌なら嫌だと我々に言ってくれなかったのだろうか?」

言ってくれたなら辞めたのに


「ソージュは優しい子だからな。自分としては不満だが、周りが愛してくれてる事はわかっていたんだろう。だからされるがまま我慢していたんだろうな?自分より人の気持ちを大切にできる子だよ」

聞いていて情けなくなってきた。


「エストラゴンの方が父親みたいじゃないか?俺は今までソージュの何を見てきたんだろうな」

何が父親だ。


「それは国の在り方的に仕方がないのではないか?ここは自由恋愛の国だろ?王様の愛は沢山与えるし与えられる。多分ソージュには沢山の愛は必要無いんだよ。考え方の違いだ

ほら、初代ハーレム王ってたった1人を愛したかったんだろ?

たった1人を守る為に全て妻にするとかどれだけ重たい愛の持ち主だ?ソージュはたった1人が必要なタイプだ先祖返りみたいな者じゃ無いか?」

それなら仕方がないのかも知れないな


「ソージュは今は7歳だよな?10歳になったらゴルドファブレンの学園に留学するのか?

留学するなら引き続き鍛える事は可能だ。

最近は平和だから次の任務は近隣の魔物の討伐と学園の騎士団見習い達を鍛えるのが仕事だ。学園に来るなら見守るぞ」

エストラゴンはニヤリと笑う


「ソージュ本人は、行きたがるだろうな

一度話をしてみるよ」

息子を幸せにしてやらなきゃな。


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