人は選ぶ
今回、スカウトしに行ったエードラント国は、全体的に枯れた土地だ。以前は軍事産業が盛んな所だったが、欲に掻いて魔族の土地を所望した。
自分達の力を見誤って、あろう事か魔族に手を出し、返り討ちにあったのだ。
自業自得だった。
自ら仕掛け、国を荒らすだけ荒らし、力量差に気付き魔王に同情され放置された国の末路
戦が終わった今も傷は深く、人口は減り貧富の差は広がった。街と言っても至る所が破壊されたまま放置されている。
貴族達は自らの財は守っていたのかそれとも民に守らせたのか、貴族区域だけは復興して居て、復興の際に取引した一部の富豪達だけはまともな暮らしをしている。
戦争に駆り出され先陣を切ったのは
平民から駆り出された即席の兵士だ。
足りなくなると少年や女性も駆り出された
貴族達は後ろで偉そうにしていて、
平民兵が居なくなると退避した。
エードラントは今、一部の富豪と役に立たない貴族だけで成り立っている。
立ち行かなくなるのも時間の問題だ。
戦争孤児も沢山居たが、皆貧困で小さな者から死んで行った。
争いは、結局弱い者達が犠牲になる。
魔王に焦土にされなかっただけマシだろう。
その様な土地だからこそ、優先的に望みある原石を探す。勿論全て救えるならそうしてやりたい気持ちもあるにはあるが
誰彼構わずだと、自国の民達が苦労をする事になる。それでは本末転倒だ。
自国を守るのが優先だ。
過酷な生活をしながら、盗みや犯罪に晒されて、病に苦しみ、他に罵倒されながらも
心が美しい者、希望を捨てず努力している者も居る。他者のために自らを犠牲にする者もいる。報われたっていいじゃ無いか。
だから選ぶ。スカウト達は皆優秀だ