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Dヒーロー  作者: 春秋
4/5

第4話 覚醒

 .....ありえないわ...こんなこと。何が起こってるの!?

 1回目の薬の使用で、あの男は超人には覚醒しなかった。そして、今2回目の使用で超人へと覚醒した。.......ありえない。1回目で、彼は覚醒しなかった。その場合2回目の使用で普通は体が破裂するなどの副作用が必ずでるはずなのに。なぜ、あいつは平然と立っているの?....しかも体から溢れてるエネルギー、確実に超人へと覚醒してる。


「あ...あなた、何者なの?」


「あ?俺はただの諦めの悪い人間だ」


「こんなことっっっ普通、ありえないのよ!!」


「言っただろ?俺は命を賭けてやるって。賭けた結果、俺の執念の勝ちだっただけだ。.....俺は今から目の前の敵を倒す。よく見とけ、諦めない奴の強さを」


「お前、イカれてるなー?あの薬を2本も打つなんて。最高にイカれてる、そして.....最高に殺し甲斐があるなー!!」


 男は笑いながら気分が高揚し、エネルギー弾を太陽に向かって無数に放つ。


 太陽は右腕を大きく横に払う。すると、何もない空間でエネルギー弾が爆発する。


 ん!?.......な、なぜ爆発した。奴には当たってねーぞ.....何もない空間で、俺の技が炸裂した。あいつ、何をしやがった......


「今度は俺の番だ」


 男の視界に、一瞬で太陽の拳が写る。


 っっっっはやい!!!


 そのまま顔に拳がめり込み、太陽はそのまま殴り飛ばす。男は受け身を取ろうとするが、上手く体制を整えられず、そのまま地面を引きずりながら吹っ飛んでいく。


 な...なっ......なんてパワーしてやがる。それに加えて、あのスピード。おかしい...おかしいだろ?今覚醒したばかりの人間とは思えない。


「クソガキが!!!」


 男は叫びながら、エネルギー弾を太陽に無数に放つ。太陽は走りながら、腕を払う。その瞬間、またもさっき同様何もない空間でエネルギー弾が炸裂する。


 っっは!?また、何もないところで炸裂しやがった..な、なんでだよ!?何をしやがった、このガキ!?


 そうこうしてると、太陽は男の目の前まで近づき....


「ワン....」


 太陽は男を上空に強く蹴り上げる。そして蹴り上げた足とは反対の足で地面を強く蹴り、飛ぶ。そして....


「....ツーショット!!」


 太陽は地面めがけて、男を殴る。


「っっゔぇぇああ!!」


 男は地面に強く叩かれ、地面を引きづりながら、転び飛ぶ。


 あ、あ....ありえねぇ。おかしいだろ..おかしいだろーが!!?さっき超人になったばっかりの人間の動きじゃねぇ。まるで戦い慣れたヒーローと戦っているようだ。


 いや......そこらのヒーローよりも強い。俺の技を何もない空間で炸裂させたのも奴の仕業だ。よく見ると......奴は汗を結構かいてる。

 おそらく体内のエネルギーを全身へと巡らせることによって体温を上げている。

 体温を上げることでわざと汗をかきやすくしている。そして汗に、自分のエネルギーを含ませ、俺の技にぶつかることで俺の技を炸裂させた.......だから奴は、俺が技を打った瞬間に腕を払っていたんだ。腕を払うことによって汗を飛ばし、その汗によって俺の技を無効化した。


 いや待てよ、あくまで俺の想像だ.....だがもし、本当に俺の考えていた通りの事をしているとしたら、奴は化け物だ......戦いのセンスがずば抜けている。今覚醒したばかりの常人とは思えない。まるで、普段から戦っている?.....いやこいつ、普段から想像してるのか?......


 こいつぁは、こ...ここで殺しとかないと、いずれ俺たちの邪魔になる。殺すなら、覚醒したばっかの今!今殺す!!


 ◇



 恵は目の前の状況を理解できていなかった。さっきまで無力だった常人で覚醒したばかりの超人が、敵を圧倒してる姿に驚愕していた。


「..あ.....ありえないわ、こんなこと。まるで何年もヒーローをやってきたような戦い方。今覚醒したばかりの人の動きじゃないわ」


 それに、瞬時に相手の技を防いだ。おそらく汗を利用した応用技。あんなのが、瞬時にできとは思えない.....まるで能力を使いこなしてるベテランヒーローのような戦い方だった。



 私は今まで、いろんなヒーローを見てきた。ベテランヒーロー、新人のヒーローと見てきた。新人のヒーローは戦い方に迷いがあることが多い....しかし、目の前の彼は戦い慣れたヒーローのような動きをしている。なぜかしら?


 なぜ.....彼は、あんな動きを出来ているの!?まだ覚醒したばっかなのに。


 いや考えれば、彼はヒーローにすごい執着と憧れがあった。常人であるのにこの年になってまでも、まだすごい憧れを持っていた。おそらく彼は日々、ヒーローの事を見ていた。


 自分ならこうするとか、自分はこうしたいとか。そのような憧れから生まれる想像が、今、彼のあのような動きに繋がっているのかもしれない。


 これは私たち組織に欠かせない人材かもしれない........いや、ヒーロー界において欠かせない人材になるかもしれない。


 








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