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Dヒーロー  作者: 春秋
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第1話 ヒーローに憧れて

この世界に生まれたのなら、誰もがヒーローという職業に憧れるだろう。

 この世界には、常人では持っていない超能力を持つ超人がヒーローとして活動している。また、悪意を持った超人は「(ヴィラン)」として存在している。


 そして17歳の青年であり常人の伊藤太陽はヒーローに憧れていた。


 俺はヒーローになりたい。その夢は17歳になった今も変わらない。しかし、俺は超能力を持っていないただの常人だ。ヒーローは選ばれた人間しかなれないと言われている。


 ヒーローという職業に誰もが一度は憧れたことがあるだろう。ただ、利口な人間は気づく。

 超人に生まれてない自分はヒーローにはなれないと。


 しかし俺は、どうやらバカな人間のようだ。物心ついた頃にはヒーローに憧れ、それと同時に自分は普通の人間だと気づく。そこで普通の人なら諦める決心がつくのだろう。


 でも俺は諦められなかった……いや諦めたくなかった。


 俺は少しでもヒーローに近づきたくて、筋トレなどの身体強化に力を入れた。しかし、結果は多少筋肉がついてて身体能力が、他の人より少し優れているただの常人だった。


 俺はヒーローに会うたびに聞いてみる。

「自分は常人だけどヒーローになれるか?」と問う。

 ヒーローは皆こう言う。


「君には、君にしか出来ないことがある。その道を突き進めばいい」と言う。


 要するに、(常人の君にはヒーローになれない)そう言われている気がした。


 ただ、1人のヒーローだけは違った。そのヒーローの名前は[シャドウ]。


 シャドウはこう言ってくれた。


「ヒーローになれるか、なれないかは分からない。けどヒーローになりたいという気持ちが今も続いているなら君はヒーローの素質があると思う」


 俺はシャドウにそう言われた時、嬉しさと悔しさなどのいろんな感情で溢れていた。


 数年前にそう言われ、その日からまだ俺はヒーローを諦めてない。しかし、シャドウはその後すぐにヒーロー活動をやめてしまった。詳しい理由は分からない。

 ただ、噂によると、とある(ヴィラン)との戦いが原因と聞いた。


 いつかヒーローになれたら、シャドウに感謝の言葉を伝えたい。そしてシャドウと一緒にヒーロー活動がしたい。


 

 そうこう考えていると、学校に着き教室へ向かう。教室の扉を開けて、一番後ろの窓際の自分の席へ向かう。そして席へ着く。すると、隣の茶色な短髪で眼鏡をかけた男が声をかけてくる。


「おはよ太陽!昨日のヒーローニュース見たか?最高だったよな!」


 そう声をかけてきたのは、俺と同じでヒーローが大好きな近藤歩。


「あぁ、最高だったよな。やっぱり最近はレオンがすごい活躍してるよな」


 レオンとは最近、ヒーローランキングに選ばれた人気上昇中のヒーローである。


「俺レオンに会ったことあるけど、まじでファンサ良かった。レオンは戦い方が良いよな!あのパワー系のの能力でゴリ押す脳筋スタイル。かといって頭を使えない訳でもない。俺は来年辺りにはランキング30に入ると思うだよなー」


 歩はご覧の通り、ヒーローオタクだ。俺と一緒だ。だけど俺と違うのはヒーローになりたいという気持ちは無いこと。小さい頃はもちろんヒーローに憧れていたそうだが、今は推しのヒーローを見つけて応援することが幸せだと言っている。


「レオンは良いけど、やっぱ俺はシャドウだな!」


「お前、本当好きだなシャドウの事。でもここ数年は表舞台に姿を見せないからな。今、何してるんだろうな」


「まぁ、俺は何年でも待つさ。またシャドウがヒーローとして活動してくれれば応援する……そういえば今日帰りどっか寄るか?」


「わりぃ太陽、今日新しいのヒーロー雑誌の発売日なんだよ。だから本屋寄りたいから今日は先に帰るわ」


「分かった!また感想教えてくれよ」


 毎朝恒例のヒーロー雑談をしていると、朝のチャイムが鳴り授業が始まる。


 あぁー、ヒーローなりてぇーな。


 ◇


 学校が終わり、歩と別れて学校を後にする。


 俺がもし、超人に生まれてたら炎を操る能力とか使ってみたかったなー。そう考えながら太陽は帰り道を歩く。


 だって………かっけーーじゃん!!ヒーローランキング7位のヒーロー【ホムラ】は炎を操る能力を持つヒーローだ。ほむらは、ものすごく熱いヒーローだ。ここ数年は常にヒーローランキング10位以内には選ばれている。


 ホムラって戦い方が面白いんだよなー。ただ炎を使った攻撃ではなく、技が多彩なんだよな。炎を凝縮して一気に敵に放つ【フレアパニッシャー】。炎を細長い網状に変形させて敵の動きを封じ込める【フレアストッパー】。炎を薄い膜状に広く展開する【フレアシールド】。他にも多彩な技を使う。


 あぁ、かっけー。やばい興奮してきた。やっぱ諦められねーな。俺も憧れてるだけではなく色んな技を考えている。


 もし炎を使えるなら、炎を拳に纏い、敵に当たると同時に纏った炎を放出する【フレアブローパニッシャー】とか。これは自分的には結構出来のいい技だと思う。相手はただの打撃系の攻撃かと思うが、実は放出系の攻撃でもあるという。


 あぁ、妄想ばっか捗る。昂る気持ちと、自分には再現できないという事実で劣等感が襲いかかる。


 あーてか、俺も歩と一緒に本屋行けば良かったな。

 新しいヒーローの情報を知りたかった。てか帰り道に本屋あるし寄ってみるか。



 近くの本屋に入ると、すぐさまヒーローに関する本の棚へ向かう。あれ、この本初めて見るな。


 太陽の目に入ったのは、これからのヒーロー業界を担う期待の新人ヒーローを特集する雑誌だった。


 ちょっと立ち読みするか。立ち読みはあんま良くないけど、どうせ買うし。許してくれ。


 なになにとペラペラ雑誌をめくりながら読み進めてく。新人ヒーロー【ノビー】。体を自由自在に伸縮する能力か。


「色んな戦い方が出来そうだな」


 太陽は、自分では気づかないうちに雑誌を読みながらブツブツと独り言を放っていた。


 自由に伸縮できるって事は相手を拘束したり、建物を利用しながら素早く移動したり出来そうだな。サポート系のヒーローに適してそうだな。


 太陽は、この後1時間ほど雑誌を読みながらブツブツと独り言を呟いていた。店の中にいる人からは少し冷たい目線で見られていた。しかし本人はそんな事に気が付かずヒーロー雑誌を読み続けるのであった。


 Dヒーローを読んでいただきありがとうございます。少しでも良いと思っていただけたら、ブックマークの登録お願いします。

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