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ある魔導師の大学ノート 於・フィールドワーク

『瑠璃の一葉、赤の金』において指摘された修正点を踏まえて中編程度の長さで完結させることを目指して書きます。序盤から中盤の展開は『瑠璃の一葉、赤の金』と大いに似通っています。

 こっくりさんについて。


 本項について――日本各地に伝承されている故に『ローカルルール』とおぼしき物も多数存在した、それについては別項で扱う。此所ではまず、個人的なフィールドワークの結果、多くの地域で共通してみられた術式の作法について記す。

 道具について――五十音と肯定否定を表す単語、鳥居の記号が書かれた紙、余り新しくない十円玉、四角い机、開放系でない空間。

 方法について――

 1、開放系でない空間において四角い机の上に、五十音の書かれた紙を置き、更にその上に十円玉を置く。術者は机の四方に立つ。術者全てが十円玉に触れながら主術者、或いは術者全員でローカルルールに基づく『呪文』を唱える。

 2、この時、『呪文』に呼応して『場』の空気が変わった場合次の手順に移る。『場』の空気に変化が起こらなかった場合は儀式は失敗とされる。これについての表現は対象不在を表す単語を用いる場合が多かった(例:留守、通話中等)。

 3、変容した『場』では術者の意図と無関係に十円玉が動く。この時、術者のいずれかが『場』に質問を投げかけると、十円玉の挙動と紙に書かれた記号を利用して『回答』が提示される。

 4、全ての質問の終了後は『場』を壊す過程となる。ローカルルールに基づく『呪文』によって『場』の構築要因を帰す事を祈念する。鳥居の記号に十円玉が動いたとき『構築要因が帰った』と解釈する。帰還したものの干渉を防ぐために紙を細かく破き、十円玉は単体で使用しなければならない。


――以上、宇野怜『風説覚書』より抜粋。



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