4/11

1-4: 練習試合の準備と過去の因縁

サッカー部は、他校との練習試合を控えていた。亮はライバルの小林翔太と再会することを知り、気持ちが高ぶっていた。

「翔太は中学時代からのライバルだ。彼には負けたくない。」

中学時代、亮と翔太は何度も対戦し、互いに認め合うライバル関係だった。亮はサッカー部のエースとして活躍し、翔太は別の学校で同じくエースとして君臨していた。二人は地域の大会で何度も対戦し、そのたびに激しい戦いを繰り広げた。

特に記憶に残っているのは、地域大会の決勝戦だった。試合は延長戦に突入し、最後の瞬間まで決着がつかなかった。亮が決勝ゴールを決め、チームを優勝に導いたが、翔太のプレーもまた素晴らしかった。

「俺たちは互いに高め合う存在だと思っていた。でも、あの日の悔しさを、翔太は今でも忘れていないんだ。」

美咲は亮の話を聞きながら、冷静にアドバイスを送った。「亮、焦らず自分のプレーを信じて。私はいつでも君をサポートしているから。」

亮は美咲の言葉に励まされ、心を落ち着けた。「ありがとう、美咲。君がいれば、俺はどんな相手にも負けない。」

美咲は冷静に見えるが、心の中では亮への想いが揺れ動いていた。彼女は亮に対する特別な感情を抱きながらも、それを隠し続けていた。

「亮が頑張る姿を見ると、私も勇気が湧いてくる。でも、この気持ちをどう伝えればいいんだろう。」

美咲は自分の気持ちを抑えながら、亮をサポートし続けることを決意した。