複雑な思い
しかし、私は付き合うことを選択出来なかった。まずひとつの理由は彼と私の関係が「ネッ友」であること。ネッ友と付き合うのなんて親にも家族にも、友達にも反対されてしまうのではないか、そう思って安易に「はい」とは答えられなかった。そしてふたつ目は私が「年上」であるということ。彼は私の一つ年下で中二だった。私は家族の中でも長女、学校でも学級委員をしていて自分で言うのもなんだが人一倍責任感が強く、人に頼られる性格であった。だから付き合うなら同級生か年上の甘えられる人がいいなと思っていた。彼は年下だけど頼れる存在だって分かってはいる、でも年下で大丈夫かな、と正直不安があった。そしてみっつ目、これが一番の大きな理由で私に「人と付き合える覚悟」がない、ということだった。私は勝手に彼氏ができるのは高校とか大学に行ってからでなんなら私には一生彼氏なんてできない、そう思っていた。だからこそ急に告白されてびっくりした、でも曖昧な覚悟で付き合うということはしたくなかった。それで別れて元の仲のいい友達、という関係に戻れなかったら、と考えると最初から付き合わない方がいい、そう考えていた。だから振った、だなんていくらなんでも都合がよすぎる。私にはただ、彼と付き合えるほどの自信がなかったんだと思う。彼と会ってもし可愛くないって思われたら、付き合ってみて楽しくないって思われたら、そんなことばかりが頭をよぎる。私は自分勝手だ。この時からずっと。今もそう。彼と他の女の子が、いや男の子でさえ彼と仲良さげに話しているのを見ると嫉妬してしまう。