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第2話 夢 (2)

 おっと、少し仮眠をしてしまったようだ。時計に目をやると午後6時半。

まさか1時半まで眠っていたのか。何も今日は普通に学校に行っただけで、疲れたことは何もしてないのに。

 私は自室をあとにしリビングの確認をこころみた。こうい小説っぽいセリフを頭の中で考えるあたり、小説のミステリー系をよみすぎたなあと実感する。

 「りょう兄、お風呂に入ってないでしょう?晩御飯にする前に、お風呂に入ってきてよ」

 まったく、どこの若妻だ。こうして、妹が独り立ちするのが惜しいとたまに思う。

 「ああ」

 でも、これも当たり前だったので、特に言うことはなかった。


 リンに言われたとおり、お風呂に入り、夕飯を済ませた。こういう、何事もない日常はつまらないけど、

何事もないからこそ大切なんじゃないか今更ながら哲学的にかんがえてしまう。これもミステリー系の影響か、と片付ける。自室に入ると、課題は図書委員の仕事ついでに、時間の合間に追われたので得に部屋でやることはない。部屋にある本棚の全小説はすでに読み終えたし、繰り返し読んだ。パソコンでも特に調べることはないので寝てしまおう。私はベットで自分の身を放り込み、意識がだんだんと沈んでいった。


 ううん。私は意識が混沌している寝言を発し、目をこすった。

 「ん?」

 「ここはどこだ?」

 私が最初に発したのはそのことだった。

 周りを見渡すと何事もなく、闇に埋もれていた。あたりを見渡しても、自分さえ見えず混乱していた。

 「意識があるはずなのに、動けない?これは金縛りの類か?」

 「でも金縛りなら、部屋一面が見えるはず?」

 そう疑問を巡らせながら、影の向こうに密かに声が聞こえた気がした。

 私は警戒心を一層強くし、その影の向こうを凝視しつつも話しかけようと考えた。

 「そこに誰かいるのか?」

 自分でもわかっていた。声が震えていたことを。だって、それは仕方ないことだ。

 こんなあたり一面、何も見えないのに怖がるなと言った方が無理だ。

 「こ、答えてくれ。ここ、どこだ?」

 やはり返事がなかった。私は次にかける言葉を考えていくと、突然、黒い何かが目の前に現れたような気がした。いや、現れたのだ。

 私はそのことに、先程考えてたことを真っ白にするぐらいのインパクトを与えられた。

 「すまないな、少年。多少このような強引な手段を取らせてしまった。非礼を詫びる」

 そこには透き通った声色が聞こえた。どうやら謝罪しているようだが、私はつい口ごもってします。だって、突然現れた上に顔や体すら見えず、まるで影におわれているような様子だったのだ。声が若干ぼやけているがモデル級のようなすたいるからして女性のような気がした。私は喉に引っかかったものを取り除くように声を振り絞って、

 「ここは何処ですか?そして、一体あなたは?」

 まず、一番整理したかったのはそこだった。しかし、時間が経過していくとミステリー系で鍛えられた探偵農も次第に理解がクリアになっていく。おそらく、ここは夢の中なのだろう。

 いや、夢の中だ。そうとしか考えられない。それを確認したかった。

 「ここは何処か。しかし驚いた。普段ならパニックに陥り、声はもはや論外、普通気絶をさせてしまうのだが……。さすが、あの方が選んだだけはあるな」

 かげの女性は私を評価しているようだった。ここばっかり探偵小説のミステリー系を読んでいて良かったと心底思った。もし、今読んでいなかったら、影の女性が行ったように私も気絶はしていたのかもしれない。

 「ふむ。ここがどこかといえば、亜空間世界。つまり、少年が考えている通り夢の世界というのは正解だ」

 やはりそうか。

うん?私は影の女性に一言も夢の世界と行っていないが?まさか

 「そうだ、少年。私は少年の考えていることがわかるぞ。といっても、当たり前だがな。ここは夢の世界だ」

 私の考えがわかるとは。ますます、嘘がつけないと考えたほうがいいだろう。

 「ここがその亜空間世界というのはわかりましたが、何が目的で私を?そして。あなたは一体誰ですか?」

 ここは、冷静沈着で行ったほうがいいだろう。焦っても仕方ない。探偵小説の受け売りだ。すると、影の女性から答えが帰ってきた。

 「私は、幻聴であり、名はない。実体もなく、彼の方から少年に依頼があった」

 「依頼、ですか……」

 私は答えようがなった。依頼?依頼とはなんだ?そして、彼の方って誰を示しているんだ?

 「彼の方は私たちを作り上げた方である。私と似たものあは幾万人といるぞ。彼の方は私たちからすれば、女神の存在にあたるな」

 やはり、話を聞いてもわからなかった。一つ一つの答えに情報量が多すぎる。全部を理解するのに時間はそれなりに掛かる。

 「そして私ら、彼の方から話を伝えに来たため、少年の夢に貼ったということだ」

 女神や金縛りと言った霊視的なものは、今まで生きてきた中で信じてこなかったが、実在するとは目にも思わなかったな。













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