未来賛歌はもう結構
昨日よりも今日、今日よりも明日
未来が今よりも素晴らしくなるなんて
一体誰の戯言だろう
明日よりも今日、今日よりも昨日
私はいつだって過去を惜しむ
朽ちかけた廃屋の片隅で
雨を凌いだ大樹の下で
こんな世界、滅びてしまえと祈りを捧げる
神様、仏様
見ているだけならお引き取り下さい
鬼、悪魔
実在するならさっさと人類を根絶やしにして下さい
祈りは誰にも届くことなく
怨嗟の声は、虚しく散った
裏切るのなら、優しくしないで
叶わぬのなら、希望を見せないで
未来はいつも私を傷つけ
過去だけが私を癒やす
夢を追いかける
そう言えば聞こえはいいけれど
希望はある
そう言えばうまくいきそうな気がするけれど
実際に何とかなるのは物語の中だけ
どんなに遠く困難でも
そこに明確なゴールがあるのなら歩いて行ける
けれど、
たどり着いた先に何もないのが分かっているから
私の足は動かない
それを停滞と嘲るのなら
そういう貴方は歩けるの?
昨日よりも今日、今日よりも明日
未来が今よりも素晴らしくなるなんて
一体誰の妄想だろう
明日よりも今日、今日よりも昨日
変わらない過去だけが
今の私にある全て